アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]
絶景
2021年11月18日以前から行きたいと願っていた、日本一のダケカンバが鎮座するという
戸来岳(大駒ヶ岳、三ッ岳の総称)の巡視に11月8日に行ってきました。
三ッ岳(1159m)は十和田八幡平国立公園に含まれ、1144mの大駒ヶ岳、お隣の十和田山(1053m)
十和利山(991m)などの周辺の山の中では一番標高が高く、天気が良いので展望が期待されます。
登山道に向かう道中に、まずはキツネのお出迎えです。
登山口はわかりやすい場所にありましたが、トイレや水は無いようでした。
登山口から しばらくは気持ちの良い広い道が続きます。ふかふかで足に優しい道です。
ブナの奇樹、巨樹があちこちにみられました。
登山道で振り返って、ついつい岩手山を探してしまいます。
急な登りを過ぎると、突然現れました。
2009年のデータによると、樹齢約300年、幹周り4.76m、樹高8.7mの日本一のダケカンバです。
周辺には幹周り3メートル以上のダケカンバが数本存在するそうです。
日本一のダケカンバの木から30分ほどで大駒ヶ岳山頂です。
山 頂周辺は矮生(樹高の低い)のオンコ(イチイ)の木の群落でした。
大駒ヶ岳山頂から、 今から向かう三ッ岳と十和田湖が見えます。
特徴的な山容の高田大岳をはじめ、北八甲田の山並がくっきりと見えました。
大駒ヶ岳から30分ほどのアップダウンの登山道を歩くと、三ッ岳に到着しました。
まず岩木山と十和田湖がお出迎えです。
右奧より、北八甲田、南八甲田、岩木山、左中ほどに十和田湖、手前は十和田山。
一目でこれほど見渡せるのは、ここ以外に思いあたりません。
名残おしいですが、少し休憩したら下山です。
三ッ岳と大駒ヶ岳の中間にある、 十和利山への登山道は藪で覚悟がいります。
紅葉は終わっていますが、カラマツの葉が晩秋の森を彩り、輝いています。
十和田湖を眺める管理官。どんな思いで眺めているのでしょうか。
私も、またここを訪れることができるのか、など考えて、感慨深いものがありました。
山の素晴らしさは標高の高さや知名度とは比例しないものだと思います。
それぞれの山に個性があり、主張があり、同じ山に何度行っても、その時により感じ方も景色も違い、
だからこそまた人は山へ向かうのでしょう。
数え切れないほど登っても、30年間毎日眺めても岩手山は決して飽きることなく、
八甲田も岩木山も、そして初めて訪れたここ戸来岳も、みんな違ってみんないい。
(どこかでこんな台詞があったような)
そして冬へ向かうこの時期、冬の装備のチェックをしなければなりませんね。
道具の整備不足や選択ミスは命に関わります。
冬も技術に合った山を楽しみましょう。
十和田湖は晩秋の色濃くなりました。初雪のお知らせをするのも間もなくでしょう。
やがて白く覆われる大地のひとときの賑わい。
枯れ木に花が咲いたようなホザキヤドリギの実。