アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]
やませと国立公園の風景
2021年08月03日宮古自然保護官事務所の古館です。
暑さでうだるような日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。
今回は、読むとひんやりさせてくれる(!?)"やませ"についてのお話です。
春から夏に吹く、気温を下げるほど冷たく湿った東よりの風"やませ"。
東北地方の太平洋側にやませが押し寄せると、層雲や霧に包まれます。
こちらは、田野畑村・鵜の巣断崖の展望所からの風景です。
左はやませが吹かない日(2020.5.11撮影)で、右はやませが押し寄せた日(2021.7.30 10:35撮影)です。
高さ200mもの断崖が5列に連なっている様子は見られますが、奥の峰がやませで隠れています。
こちらは、田野畑村・北山崎の第一展望所からの風景です。
左はやませが吹かない日(2021.4.12撮影)で、右はやませに包まれた日(2021.7.30 13:19撮影)です。
右は鵜の巣断崖のやませを撮影した同日の写真ですが、展望所下に海や崖があることすら分からないくらい真っ白でした。
さらにもう少し北上して、普代村・黒崎の展望所からの風景です。
左はやませが吹かない日(2017.5.8撮影)で、右はやませに包まれた日(2021.7.30 13:53撮影)です。
こちらも遠くの海岸線はやませで隠れていましたが、近くははっきり。黒崎では、海を這うやませではなく、撮影していた展望所上から吹き下ろすようにやませが吹いていました。
↑撮影ポイントとやませの吹き方
このように、同じ日でも時間や場所が変わるだけで、やませの押し寄せ方が変わってきます。三陸を訪れて、"あぁ~...真っ白で景色が見えない"と落胆するだけではもったいない!
展望地はたくさんあるので、その日の風を感じながら素敵な風景を探してみてください。
その日にしか出会えない風景に出会えるかもしれませんよ。
北山崎(2018.7.13撮影)
...と、こんなことを書いている今日(8/3)は30度超えの快晴。熱中症警戒アラートが岩手県に出ています。
こういう日はやませが恋しいものです。
みなさんも熱中症にお気を付けて、夏をお過ごしください。
環境省 熱中症予防情報サイト
では、また!
【やませの説明引用・参考URL。やませについてもっと詳しく知りたい方もこちらから】
気象庁(予報用語 風)↓
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/kaze.html
仙台管区気象台(東北地方の気候 ~四季の天気~)↓
https://www.jma-net.go.jp/sendai/knowledge/climate/normal/summer.html