アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]
朱色に染まる田束山(たつがねさん)
2021年05月24日こんにちは。大船渡自然保護官事務所の坂本です。
先日、宮城県気仙沼市と南三陸町にまたがる『田束山(たつがねさん)』へ石巻自然保護官事務所と合同で巡視に行って参りました。気仙沼市は大船渡自然保護官事務所の管轄、南三陸町は石巻自然保護官事務所の管轄です。
(石巻事務所の仲原レンジャーと大船渡事務所の福濱レンジャーと私 女子三人です)
(撮影はこの日の黒一点石巻事務所の晴山アクティブレンジャーです)
古くから山岳信仰の霊山として人々の信仰を集め、奥州藤原氏との深いゆかりを今日に伝える貴重な遺構である田束山は、山頂付近から太平洋が一望できる宮城県屈指のビュースポットです。そして5月中旬頃に咲くヤマツツジで燃えるような朱色に染まるのです。
【5月20日山頂からの眺望】今年のツツジ最盛期はもう1週間前でした、残念。。
田束山山頂へは舗装路が整備され、車でも楽々なのですが、南三陸町樋の口からはじまる"行者の道"を歩いていくのがオススメです。この道はみちのく潮風トレイルのルートにもなっていて、平安時代に栄えていたこの山の雰囲気をしっとりと味わうことができます。
【苔むす階段】沢沿いの登山道へと導く階段、心静かに参りましょう
【水垢離(みずごり)の場】修行僧たちが冷水を浴び身を清めたと言われる滝
およそ1.5㎞の登山道をのぼると山頂(標高512m)にたどり着きます。ヤマツツジのトンネルを抜け、視界が開けた山頂では三陸海岸の素晴らしい景色を見下ろせます。
山頂から気仙沼側へは三十三観音を巡りながら"田束山石像公園"へ下るのがオススメです。整備された階段の両脇に三十三体の観音さまがおられます。ありとあらゆる人を救うために様々な姿に変身する観音さま。三十三全ての観音さまをじっくり拝み、自分が救われたい観音さまを探しているとあっという間に時間が過ぎてしまいます。
(北側を臨む公園の頂点に鎮座する三十三番目の観音さまの説明板を
絶景バックに熟読する晴山アクティブレンジャー)
海岸線のイメージが強い三陸復興国立公園ですが、ここ田束山もその一部に指定されています。山頂からの雄大な眺め、自然探勝の場として残していきたい"行者の道"。ひと味違う三陸復興国立公園を楽しめますよ。是非足を運んでみてください。