アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]
春隣*はるとなり
2021年03月26日こんにちは。大船渡自然保護官事務所の坂本です。
テレビではサクラ満開・春爛漫な景色を目にするようになりましたが
三陸はまだ春寒が残っており、サクラの開花はもうちょっと先のようです。
でも日中はだいぶ暖かくなり、外を歩いていると芽や花の匂いを感じます。
野外業務中に見つけた春の訪れを感じた場面を切り取ったのでご紹介します。
【ヤブツバキ】2021.3.24@碁石海岸
存在感のある赤い花が遠くからでも目に留まります。
三陸で自生するツバキの花期は長く、2月から4月末頃まで楽しめます。
岩手県では大船渡市と陸前高田市が"市の花"に選定しています。
この辺では3月下旬に満開を迎え、いい香りが漂います。
まんまるな花弁花びらがかわいいです。
遊歩道の脇でひっそりと咲いていました。
控えめなこの色合いが私は好きです。
残念ながら葉は早いうちにシカに食べられてしまったようです。
春の訪れを告げる、"春の妖精"と呼ばれますね。
あと少しで開きそう。
ナッツのようなおいしい実でおなじみですが、
じつは私、開花の状態を初めて見ました。
調べてみると、フサフサ赤い糸状の部分は柱頭のようです。
とっても小さく繊細。見つけてとっても得した気分です。
【トウゴクサイシンの1枚葉】2021.3.24@碁石海岸
とっても不思議な形をした花が咲くこの植物。
調べると「東北の森の隠者」とありました。
「隠者」とは、、、納得です。
まだ葉が出てきたばかりですが、花が咲くまで観察したいと思います。
「ノリ」「マツモ」「ヒジキ」「フノリ」
三陸の豊かな海の恵みです。
海藻の開口が三陸の春を告げるのです。
卒業、入学、異動、新生活
たくさんの出会いが交差する春ですね。
厳しい冬が明けてやってくる春が待ち遠しく、
解放される気持ちになるのは東北人だからでしょうか。
季節を感じさせてくれる自然に感謝の気持ちを込めて
これからも観察を続けていきたいと思います。