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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

秋の御箱崎千畳敷(おはこざきせんじょうじき)*釜石市

2020年10月12日
大船渡 坂本麻由子

こんにちは。大船渡自然保護官事務所の坂本です。

秋深まりつつある三陸、秋の味覚の代表「サンマ」は近年不漁つづきで

海水温の上昇、温暖化の影響について考えさせられています。

とはいえ木々は色づきはじめ、山の幸が楽しみな時期になってきました。

先日、パークボランティア活動で公園巡視へ行ってきたのでその時の様子をご報告します。

舞台である箱崎半島は北側に大槌湾から船越湾を、南側は三貫島を眺望でき、

半島先端の南側には花こう岩の巨大な奇岩が敷きつめられたような「千畳敷」があります。

陸中海岸を代表する景勝地といえます。

風のない日は潮だまりが空を映す鏡となります。

南側を望むと遠くに三貫島が見えます。

この千畳敷、およそ300メートルもの長さに渡り一面花崗岩の巨石がごろごろ。

まるで自分が小人(コビト)になってしまったかのような錯覚が起こります。

この千畳敷に降りるためには、ロープを使って岩の壁と闘います。

岩肌には今が真っ盛りのハマギクが。

こんなに素晴らしい環境が楽しめる千畳敷ですが、

ここに至るまで最寄りの駐車場から約4㎞の徒歩が必要です。

さらに近くの集落から駐車場を結ぶ林道に危険箇所が有り、車両は通行できず、

現在は林道と合わせて片道8㎞、往復16㎞もの道のりなのです。

簡単にアクセスできないからこそ絶景に会えた喜びはひとしお、
忘れられない風景となるでしょう。

遊歩道から岩場に降りる階段周辺をさっぱりと刈り上げてきました。

半島の先端には御箱埼灯台や神社があります。

一人でも多くの方と訪れて絶景と出会えた感動を共有できたらうれしいです。

三陸復興国立公園、どうぞ隅々までお楽しみください。