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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

立秋過ぎて。。

2020年09月02日
十和田八幡平国立公園 伊藤 あけみ

暦の上では秋とはいえ、厳しい残暑の地域もあるようです。

十和田湖畔は、眩しい日差しの間を通り抜けていく風が、秋の気配を感じさせます。

〈以前の大雨で倒れて形が変わってしまった生出キャンプ場前の倒木〉

長雨と強い日差しで植物は勢いを増し、事務所周辺の草刈りが追いつきません。

雑草という名前の植物はないといいますが、景観を損ねたり、

生活に支障のある草はは刈り取ったほうがすっきりしますよね。

〈刈った草を積み重ねて北八甲田の山の一つである高田大岳を真似て作ってみました〉

暑い中の作業も遊び心を持ってやると楽しくできます。

また、思わぬ発見もあるものです。

そんな草刈り中に見つけた花々をご紹介します。

〈タツノオトシゴのようなツリフネソウ:花は葉の上に付きます〉

〈キツリフネ:葉の下に花が付きしっぽがくるりと巻いていないのが特徴です〉

ツリフネソウは実がついた後に触れると

パチンと種が飛び出して驚くことがあります。

花言葉の一つに「私に触らないで」というものがありますが、

見つけたらぜひ触れてみてください。

童心にかえって身近な自然を楽しめることと思います。

〈美しい花には毒がある〉

こちらはトリカブト、触れないでくださいね。

〈夏の終わりを感じさせるオオハンゴンソウ〉

オオハンゴンソウは「特定外来生物」に指定されており、栽培や生きたままの運搬などが禁止されています。繁殖力が旺盛で在来の植物を駆逐する可能性もあります。

反対に、日本中あちこちで見られる「クズ」のように、日本から海外に輸出され、

今では海外で外来種とされている植物もあります。

〈クズのツル:これが樹木などに絡みつき樹勢が弱まります〉

「クズ」は根から食用の粉や漢方薬を作ったり、万葉時代より秋の七草の一つとされています。

春の七草は食べられますが、秋の七草は鑑賞して秋の風情を楽しむもののようです。

「ハギ」「オバナ」「クズ」「ナデシコ」「オミナエシ」「フジバカマ」「キキョウ」が秋の七草で、

「オバナ」はススキの別の呼び名ですが、代表的な秋の風物詩ですね。

「オオハンゴンソウ」「クズ」どちらも繁殖力が旺盛で、駆除するのに苦労が多い植物です。

その繁殖力が何かのエネルギーに利用出来ないのか、いつも考えてしまいます。

さて、前回お知らせした、十和田湖湖水祭りのスカイランタンを見てきました

コロナウイルス対策が十分なされた上で開催され、久しぶりに多くの方に訪れていただきました。

静かな十和田湖も好きではありますが、やはり美しいものは皆で共有したいものですね。

コロナウイルスの状況はなかなか出口が見えないですが、

今を憂う事よりも未来の明るい事を思い浮かべ生きていきたいものです。