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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

北国の春

2020年04月17日
十和田八幡平国立公園 伊藤 あけみ

十和田八幡平国立公園管理事務所の伊藤です。

思えば3年の月日は嵐のように過ぎ去り、

風向明媚な十和田湖畔で仕事をさせていただくのも、4年目となりました。

こんな世情で、不安や恐れやマイナスの感情が渦巻く中、

少しでも心の和む風景がお届け出来たらと思っています。

先日、友人から「笑いヨガ」というものを教わりました。

脳は、ほんとに笑っているか、わざとなのか認識できないので、

わざとでも声を上げて笑う事で、元気になれるとのことです。

そこで通勤途中で湖畔に車を停めて「あっはっは、あっはっは」と叫んでみました。

青く透明な十和田湖を見つめながら笑う真似をしていると、

笑っているのに泣いているという何とも不思議な光景になってしまう時もありました。

大きな声を出すことで気持ちがすっきりして、元気になりました。

十和田湖の写真を見た皆さんが、綠のレンジャー服のおばさんが十和田湖に向かって

「あっはっは」と叫んでいる光景を想像して、クスッと笑ってくれたらいいなと思います。

私の守り神と思っている生出湖畔の龍神様が、春の嵐の波にもまれ姿を変えてしまいました。

私達の代わりに目に見えない脅威と戦っているのかもしれません。

〈嵐に耐えた龍〉

十和田湖の春は、静かに優しくやって来るような気がします。

ふと気が付くと春の息吹が感じられます。

〈おはようオオウバユリとカツラの雄花〉

    

〈こんにちはソメイヨシノとシウリザクラ〉

     

〈青空に万歳 キクザキイチリンソウ〉

 

しかし、先日、標高600mの発荷峠付近は雪景色でした。

〈まだまだこんな天気の日もありますので、通行する際はお気をつけください〉

マンサクの次に楽しみにしているカツラの花芽が膨らんで、

外輪山がうっすら紅色になり、残雪に映えています。

〈ほのかな桃色は心がほんのりします〉

どんな世情であろうとも、

季節の移り変わりとともに、木々は芽吹き、花々は咲きます。

その生命力を身近に感じながら仕事をできる幸せを感じる瞬間があります。

動物達も活発に活動を始めているようです。

〈湖畔を散歩中のテンに会いました、まだ冬毛です〉

テンは可愛らしい顔に似合わず、どう猛で害獣でもあるようです。うかつに近づいてはいけませんね。

令和2年度、先行きがわからない状況ではありますが、止まない雨は無いように、

必ずや穏やかな日々が訪れる事を信じて、前に進んで参りましょう。