アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]
冬の災害対策訓練に参加してきました
2019年02月07日こんにちは、鹿角管理官事務所の齊藤です。
今回は2月6日に行われた澄川地熱発電所の非常災害対策訓練に参加してきました。
澄川地熱発電所の非常災害対策訓練は夏期にも行われており、秋田焼山の噴火を想定した訓練を行っています。冬期における訓練は今回で2回目になり、前年度に引き続き、雪崩災害を想定した訓練です。
発電所職員が雪崩に巻き込まれたと想定し、事前に埋設したダミー人形の捜索と救助を行います。
最初はスノーシューとゾンデ棒を用いた捜索訓練から行いました。横一列に3から40cm間隔で隊列を組み、指揮者の合図のもと、ゾンデ棒を差し込んでいきます。
【ゾンデ棒を差し込む様子】
差し込んだ際、何か違和感を感じたらゾンデ棒を残したまま周囲を掘り進めていきます。
もし救助者を発見した場合は完全に掘り起こさず、10cmほど雪を残したままブルーシート等で包み、ソリに乗せて搬送となります。
掘り起こした際、完全に外気にさらしてしまうと低体温症を引き起こす可能性があるそうで、あえて残しておいてシートで包みながら徐々に落としていくとのことです。
また、次にビーコンを用いた訓練も行いました。
機種によって表示の仕方などは異なっていますが、基本的な使い方は一緒で、雪崩の危険のある場所で行動する際は電波を発信した状態で身につけます。
【ビーコンの解説中:この機種では大まかな距離が表示される】
捜索の際はビーコンを受信状態にし、反応の強くなる方へ捜索していき、大まかな位置を特定します。
その後は先の訓練と同様にゾンデ棒を用いて救助者の確実な位置を特定し、周囲を掘り進めます。
ビーコンでは大まかな位置を特定することしか出来ませんが、捜索にかかる時間を大幅に短縮することができ、救出時の生還率を高めることが出来ます。
【ビーコンを頼りに捜索中】
近年では雪の無い地域からの外国人旅行者も増えていることもあり、今後冬期における遭難や救助といった案件が増えることが考えられます。
予測の難しい自然災害に対し、いざという時慌てずに行動できるよう十分な訓練と対策を講じておきたいですね。
冬山に入る際は適切な装備を身につけ、体調管理を万全に整えたうえでお楽しみください。