アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]
大潟草原のサギのコロニーとミニ観察会について
2018年05月28日秋田自然保護官事務所の足利です。
大潟草原鳥獣保護区では、夏鳥が次々と飛来し観察できる種がどんどん増えてきました。先日、コヨシキリの飛来も確認し、いよいよ本格的に「夏鳥の季節」がやってきたなと実感しているところです。
大潟草原野鳥観察舎にお越し頂いて、野鳥観察を楽しまれる方々に向けて観察室内に春夏秋冬4枚のイラストマップを掲示しました。大潟草原野鳥観察舎の4方の窓から見える範囲のどの辺にどんな野鳥がいるか、過去の調査データや観察記録を元に配置した野鳥観察用のイラストマップです。
この時期、観察舎にお越し頂いた際には『夏』のイラストマップを参考にしてください。オオセッカ、コジュリン、チュウヒなど大潟村を代表する野鳥の情報が描かれています。
この週末、もっとも多く観察したのがアオサギ、ダイサギです。この2種は観察舎正面の林に形成されたサギのコロニーで繁殖活動を行っています。
アオサギもダイサギも巣にいる雛に餌を与えるため、観察舎前の池に降りたり、観察舎を通過して西側の西部承水路や周囲の水田に餌を探しに行くため、よく働いているようです。そのため、観察舎に居ながらにしてたくさんの個体を観察可能です。このコロニーにはこのほかにもゴイサギ、チュウサギ、コサギもコロニーで繁殖活動中です。
サギ類は野鳥観察舎に来られる方々への人気が薄く、特にお昼頃、野鳥の鳴き声も収まって、野鳥たちの活動があまり活発では無い時間帯に来られた方は『サギしかいない・・』と残念そうな感想を漏らします。しかし、私の知る範囲での情報ですが、現在チュウサギの繁殖が確認されているのは秋田県でここだけですし、5種のサギ類が同所的に繁殖しているのも秋田県内でここだけです。
今年度から大潟草原野鳥観察舎では、毎月最終水曜日の午後1時から2時までの1時間のミニ観察会を実施しています。4月25日(水)に実施したミニ観察会はサギのコロニーをテーマとして実施しました。観察舎に立ち寄ってくださった男性4人と一緒にアオサギとダイサギの巣をカウントしたり、それぞれの巣が作られた場所について意見交換したりしました。実際に巣のカウントをされた方からは『ぱっと見た時の予想を遙かに上回る巣が確認できた。』とその規模に驚かれたようでした。
最後に・・・5月のミニ観察会は5月30日(水)午後1時から実施予定です。観察テーマは、当日雨が降らなければ「花」、大潟草原内に咲いている花をルーペや携帯顕微鏡を使って観察します。五体投地して小さな花の魅力を探しましょう。また当日雨の場合は「野鳥の羽」を取り上げます。羽を拾った後に私が行っている洗浄や保存法について実践し、顕微鏡を使った観察なども行います。参加無料で申込みも不要です。平日にお時間の取れる方は是非お越し下さい。
大人数の観察会とは違ったアットホームな雰囲気の観察会や、私だけ?のマニアックな世界、あるいは様々な情報交換も出来るサロン的な場になれば良いなと思っています。