アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]
大潟草原でのフィールドサイン
2018年01月16日秋田自然保護官事務所の足利です。
2018年、今年もよろしくお願いいたします。
今季の冬は、はじめにドカッと雪が降って「これは大変な冬になるか・・」と覚悟していましたが、今日現在の秋田市街は積雪がほぼ無くなっています。ただ、このまま少雪・暖冬で終わるはずも無いので、油断せずに過ごしていきたいと思っています。
そんな冬を野生動物たちは、どのように過ごしているのでしょうか。雪が降るこの時期は雪上に足跡が残るので、無積雪期には発見できなかった生き物の存在を感じることが出来ます。ここ数回の大潟草原鳥獣保護区での業務中に見つけたフィールドサインをご紹介します。
2017年12月21日撮影
うっすら積もった雪が土とともに盛り上がり、それが線状に並んでいます。よく見ると土は凍っているようです。これはモグラが残した痕跡で、年間通じて観察できますが、雪の季節もかわらず活動している事が分かります。
2018年1月5日撮影
ネズミの足跡でしょうか。小さな足跡が二つ並んで残っていました。足跡の向きからして同じ方向に進んでいたようです。2匹のネズミが並んでこの場所を通過したのでしょうか?
2018年1月5日撮影
イタチの足跡だと思われます。クッキリと残るこの足跡は藪の中へと消えていきました。もしかして夜、活動して休息のために藪の中へ進んでいったのでしょうか?
2018年1月5日撮影
積雪期の大潟草原では、このような足跡がよく見られます。おそらくキジの足跡だと思われます。キジは年間通じて観察可能ですが、足跡を観察することでこの時期よく利用する場所が分かります。
2017年12月21日撮影
この足跡は結氷した開放水面の中に所々水面がのぞいている場所を巡って、藪の中へと消えていきました。前出のキジの足跡よりも全体的に大きく趾(あしゆび)も長いようです。それに足跡があまり深く刻まれていないので、キジよりも軽量な鳥なのでしょう。候補になりそうな野鳥や該当しそうな野鳥を色々検討してみましたが、結論を出せていません。
実際に動物の姿は見られなくても、足跡などのフィールドサインを観察して情報を記録しておくことで、動物相の把握など貴重な情報源になります。仮に最後の写真のように足跡の主が特定できなくても色々と考えたり、想像するのも楽しいものですし、その写真を見ながら仲間達とあれこれ情報交換するのもとても有意義な時間です。皆さんもフィールドに出た際は、動物たちの残したサインを探してみて下さい。