アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]
オオハンゴンソウ防除活動
2017年09月26日十和田八幡平国立公園管理事務所の伊藤です。
夏の終わりの区切りがあるとしたら、いつだったのでしょうか?きっと夏は、誰に告げることもなくそっと行ってしまったのではないかと感じるこの頃です。
小さな秋がそこここに見え隠れしている十和田湖畔です。
事務所にいてもかすかにカツラの甘い香りが漂うことがあり、自然の中で仕事をさせていただいている嬉しさを、日々感じています。
13日は、比内支援学校かづの校校外学習で、10名の中学生の生徒さんとオオハンゴンソウ防除活動でした。地域の自然の素晴らしさを感じながら、自然環境保全活動に協力しようとする気持ちを高めるという目的で、毎年行われています。
今回の防除場所は、鹿角市八幡平の大沼に隣接する、八幡平ビジターセンターから歩いて5分ほどの場所です。この場所には、ゴールデンウイーク過ぎまで営業している八幡平スキー場があります。駐車場周辺にオオハンゴンソウが生育しており、その周りにはヤナギランの群生や、リンドウ、ヤマハハコなどもありました。
オオハンゴンソウは根が深く地面に入っており、根元から抜かなければならないので、生徒さんだけでは難しいところを、パークボランティアの皆さんがバールで根元を掘り起こし、生徒さんに声がけして抜いてもらいます。
自然公園財団の方には、道具の準備から抜き取った後の対応までお願いしました。また、昼食場所を変更したらどうかという提案にも素早く対応していただき、森林セラピーステーションさんと交渉していただきました。
今日の活動は総勢24名で、大きなゴミ袋で12袋分となりました。
活動を続けることで、もとの美しい景観が保たれることができたら嬉しいですね。
【八幡平スキー場付近のヤナギランの花】
活動後は、近くにある森林セラピーステーション施設さんのご厚意で、昼食場所を変更し、食堂の一部をお借りして、ゆっくりと持参のお弁当を食べました。
昼食後生徒さん達は、八幡平ビジターセンターと泥火山を見学し無事活動を終え、バスで帰路につくのを見送りました。
大沼では、ほとんどの花々がすでに活動を終え、緑の中にぽつりぽつりと秋色の絵の具を落としたような風情でした。写真を撮っていると自然公園財団の方が、たった今そこにクマがいたと教えてくださいました。まだクマが活動している時期ですので、皆さんも散策する際には、十分お気をつけてください。
【青空広がる八幡平大沼】
本日は、生徒さんの屈託のない笑顔、パークボランティアの皆さんの生徒さんに対する対応の素晴らしさや、自然公園財団のスタッフの方の迅速な対応と仕事ぶり、森林セラピーステーションのご厚意など、心が暖かくなる一日でした。