アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]
野鳥の調査準備
2017年08月29日こんにちは、十和田八幡平国立公園管理事務所アクティブレンジャーの村田です。
先週半ばから『やませ(東北地方北部の夏の冷たい季節風)』もやや治まり、十和田湖に夏が戻ってきました。残りわずかな暑さを味わいたいと思います。
一方、業務の方は秋を感じる内容が増えています。高病原性鳥インフルエンザが疑われる死亡野鳥への対応の準備です。もうすぐ(北東北は10月頃から)、カモ科の渡り鳥の季節です。
高病原性鳥インフルエンザについては、専門家から渡り鳥が関与している可能性が指摘されており、3つの国指定鳥獣保護区を管轄している当事務所でも感染が疑われる死亡野鳥の確認や常日頃からの渡り鳥の飛来状況の把握に努めています。
先日、死亡野鳥等調査用の新しい資材が届きました。それを受けて、必要な資材が十分にあるか、使用期限の切れた資材が無いか等、在庫を確認しつつ、工具箱に調査・検査に必要な一連の資材や取扱いマニュアルなどを準備し、万が一の時には車に積んですぐ出発できるように備えています。
また、9月からは国指定鳥獣保護区における渡り鳥等の飛来状況調査が始まります。カモ類が北の国に帰り、当事務所管内の昨シーズンの飛来状況調査が終わったのが5月。個人的にはつい先日のように思いますが、渡り鳥は待ってくれません。
【渡り鳥の飛来状況調査(過去のシーズンの結果)】http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/bird_flu/migratory/index.html
平成28-29年の冬鳥のシーズンには、全国調査を始めてから過去最多の22都道府県218件の高病原性鳥インフルエンザの発生が確認されたのは記憶に新しい所です。今シーズンは同じような事態にならないことを願っています。
【国内での野鳥における鳥インフルエンザ発生状況について(平成28-29年シーズン)報道発表資料一覧】
http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/bird_flu/press_h28_h29.html
野鳥は様々な原因で死亡します(この日記を書いている間にも、窓ガラスにぶつかったヒヨドリが保護されました)。野鳥が死んでいる(倒れている)からといってすぐに鳥インフルエンザを疑う必要はありません。ただ、細菌や寄生虫などの病原体がある事がありますので、素手では触らないでください。もし、野鳥が同じ場所で多数死んでいる場合にはお近くの都道府県、市町村役場、環境省の事務所に御連絡ください。
【死亡した野鳥を見つけたら(パンフレット)】