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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

「夏を迎える十和田八幡平国立公園」

2017年07月06日
十和田八幡平国立公園 伊藤 あけみ

こんにちは。

十和田湖周辺はすっかり濃い緑に覆われ、深呼吸するたびに植物たちの息吹を感じられる、清々しい季節となりました。

   以前にも紹介した、十和田湖畔西湖(にしのうみ)に位置する和井内の朝です。

アクティブレンジャーというと、みなさんのイメージは毎日外を飛び回っているイメージでしょうか。山開きの参加や登山道維持管理などで、山に行く機会もありますし、データ整理などでパソコンに向かっている日もあります。

事務所で、遠くに聞こえる十和田湖の遊覧船の汽笛の音が、岩手の三陸で生まれ育った私の耳に哀愁を帯びて聞こえてきて、懐かしく、そして優しい気持ちになります。

事務所から徒歩5分ほどの遊覧船乗り場

さて、6月16日、十和田湖増殖漁業協同組合主催のひめます稚魚の放流式が行われました。

十和田湖小学校の生徒さんが卵から育てた稚魚も含めた25万匹が、十和田湖に放流されました。1~3年過ぎて、20センチ100グラム程度になったときに刺し網で捕られます。

刺身や塩焼きなどの料理は、十和田湖周辺の施設で食べることができます。

また、6月29日は南八甲田登山道維持管理作業及び高山植物盗掘防止パトロールに行ってきました。南八甲田の山は初めてでした。

緩やかな登山道をしばらく登った後には、ワタスゲが揺れる湿原が広がり、疲れを癒やしてくれます。登山道脇にはたくさんの花々が、これから登山に来る人々に愛でられる日を待ちわびているように感じました。

   矢櫃湿原のワタスゲ

そして、7月1日は、岩手山の山開きに参加しました。

今年3月まではその麓に暮らし、裏山のように行っていた岩手山。

岩手山の山開きは、近年1000人以上の人々が参加する一大イベントです。

あいにくの天気でしたが、可憐な花々は天然のミストを浴びて生き生きして見えました。

多くの人で賑わった山開きも無事に終わり、本格的な夏山シーズンに入ります。

   雨に煙るイワウメ(岩手山お鉢)

   天然ミストを浴びたイワテハタザオ(岩手山神社奥宮)

   岩手山山開きの様子

十和田八幡平国立公園には他にも魅力的な山や温泉があり、美味しい食べ物、楽しいイベントなどが待っています。夏の思い出の1ページに、十和田八幡平国立公園を訪ねて、心にその風景を残してみてはいかがでしょうか。