東北地域のアイコン

東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

特別企画!みちのく潮風トレイル踏破奮闘記その③~洋野編~

2015年03月27日
宮古 古館 百合子

 青森県八戸市をスタートして3日目、岩手県洋野町に入りました!1日あたり約20キロペースで歩いてきました。久慈市・小袖海女センターを目指し、後半戦まだまだ続きます。

 

~第3章 洋野町編~

◆中居:陽もだんだんに傾いてきましたね...。本日の宿までもう少し!

★古館:宿に向かう前に、次の日の出発が早いので洋野町のチェックポイント「ひろの水産会館ウニーク」に行きたいです!

◆中居:朝出発するときは開店前ですもんね。行きましょう!

 

18時の閉店時間迫るなか、二人の歩くペースも速くなります。

 

◆中居:古館さん、ペースが早い...どんどん速くなってますよ...。気力の強さには脱帽だな...。

★古館:何か言いました?!

◆中居:いえ、何も!!

 

 その後も徐々に二人の距離は離れ、古館アクティブ・レンジャーが閉店時間5分前に「ひろの水産会館ウニーク」に到着。その後5分遅れで中居アクティブ・レンジャーも無事に到着しました。

 

◆中居:ここはスタンプを押せる他にも海産物やお土産を買うことができます!

★古館:中居さんが到着する前にスタッフの方から色々とお話を伺っていました!お食事処もあって、美味しそうな料理の写真もたくさん並んでいます!

◆中居:古館さん、食べ物には目がないですね。でも確かに美味しそう...!スタンプも押したので、今度こそ本日のお宿「マリンサイドスパたねいち」に向かいましょう!

 

◆中居:この日は、海のすぐそばに建つ波音が聞こえる宿に宿泊です。お風呂から上がって夕飯を...と思ったら、待ち合わせ時間になっても古館さんが来ない!!

★古館:...すみません、時間に間に合うように来たつもりですが、ついお風呂でゆっくりしてしまいました...。

◆中居:どんどんペースを上げて歩いていたけど、疲れが溜まっていたんですね!今日の疲れをしっかりと取って翌日に備えましょう。

 

 

《翌日》

★古館:本日も晴れの予報です。宿から太平洋に昇る朝日を見ることができます。それにしても綺麗ですね!

◆中居:朝食でも、太平洋を眺めながら新鮮な食材が食べられて幸せです!栄養をつけて、本日は久慈の侍浜を目指して歩きましょう!

 

 

★古館:あ!サケが遡上しています!

◆中居:トレイルマップにも載っていますが、秋になるとサケの遡上がみられる場所もあります。一生懸命川を遡ろうとしている姿を見ると泣けてくる...。このようにトレイル沿いには、まだまだ見どころがたくさんあります!

 

左上:黄金に染まる稲穂と収穫後の風景。遠くに太平洋が望める。

下:原子内付近のトレイルコース。

右上:有家の海岸には大きな砂浜があり、サーフポイントにもなっている。

 

★古館:海から離れると田園風景が広がっているほか、集落の中を通り抜けたりと、地域の方々の生活を間近に感じられますね。

◆中居:そうですね!また、海沿いコースも波を間近に感じながら通るコースがあり癒やされます。ただ波が高い時は無理せずマップ上に記載してある迂回路を歩きましょう。

 

 

 

左:洋野町中野エリアのルートは、海岸線に沿って続く松林の中の道路。

右:洋野町と久慈市の境界。この川を渡って久慈市エリアに入る。増水時は迂回路もある。

★古館:時間が経つのが早いもので17時を過ぎ、暗くなってきましたね。陸中中野から北侍浜キャンプ場まで結構距離ありますけど、大丈夫ですか?

◆中居:んー...なんだか心配だな...。どうしましょうか...。

 

そんな話しをしていると、1台の車が停車。通りすがりの地元の方でした。

 

●地元の方:「どこまで行くの?」

◆中居・★古館:「侍浜までです。」

●地元の方:「暗くなってきたから車に乗りなさい。」

◆中居・★古館:「でも、私たち歩いて侍浜まで行くことを目指しているんです。」

●地元の方:「森の中はもっと暗いから乗りな。ちょうど帰る道の途中だから。今まで人の世話になって生きてきたから、今度は自分が人の世話をしたいんだ。」

 

 私たちも引くに引けなくなり、お言葉に甘えて乗せていただくことに。久慈市のチェックポイントの1つ「侍の湯きのこ屋」で降ろしてくださりました。スタンプを押し、夕食・お風呂をいただいた後は北侍浜キャンプ場まで歩き、テント泊。着いた頃には月も高く上がっていました。

 

 

◆中居:洋野町エリアを歩き終えて、いかがでしたか?

★古館:3日目は特に人の温かみに触れた日でした。洋野町のチェックポイントも全箇所を訪れ、そのうちの1つでは、トレイルハイカーにいつもプレゼントしているからと昆布を頂きました。昆布を噛む度に、汗をかいた体に塩分が浸透するのが分かりました。本日も予定より、遅れてしまったのが反省ですが...。

◆中居:そうですね、反省します...。「人の温かさ」と言えば、「うにめし」「ほやめし」のお持ち帰りパックの販売を始めたお店もあったり、ハイカー向けのサービスをしているところで気遣いが感じられました。また、JR八戸線のレストラン列車が通過するときに、地元の方々が大漁旗などを振る「おもてなし」の取り組み「洋野エモーション」も偶然見ることができましたね。

★古館:洋野エモーションで温かく迎えてくださった方々、チェックポイントでお世話になった方々、車に乗せてくださった方、ありがとうございました。

◆中居:次回はいよいよ最終章・久慈編に続きます!無事に小袖海女センターまでたどり着けるのか!?

 

◆中居・★古館:それではまた最終章で!