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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

十和田湖畔での現地研修会

2013年03月11日
十和田
3月10日に予定していた十和田湖畔での観察会は残念ながら悪天候により中止とさせていただきました。
2月28日に十和田八甲田地区パークボランティアの皆さんと観察会の下見を兼ねて十和田湖畔において現地研修会を行いましたので、その際の報告をいたします。


この日案内してくださったのは、地元でアウトドアガイドを行っている丹羽裕之さんです。


研修会では宇樽部(うたるべ)地区をスタートした後、御倉半島(おぐらはんとう)の縦走を経て小島ヶ浦へ下りるコースを歩きました。登山道は無いので、雪上にルートを探りながらの行程です。

樹皮に残されたムササビの爪痕や雪の上のイタチの足跡、数種類の小鳥が一緒に移動する混群、結氷した湖の沖合で休むオオハクチョウ、枯れ木に発生したキノコなど、じっくりと時間をかけながら自然を観察していくと様々なものに出会います。
丹羽さんは十和田湖でかつて起きた火山活動による地形の形成とその後の植物の遷移についても触れながら、自然界における動植物の関係性をとても分かりやすく解説してくださいました。
ただ美しい景色を眺めるのでは無く、その成り立ちの過程や関連性を知ることで自然をより身近なものとして感じることができるようになります。



御倉半島の尾根からは十和田湖の中海(なかのうみ)と中山半島を眺めることができました。
十和田八甲田地区パークボランティアのメンバーは山歩きに精通した人ばかりですが、このコースを歩いた経験のある方は少ないようで、この絶景にみなさんとても感動した様子でした。
だだし、地形が複雑でコース取りが難しいエリアですのでガイド同伴での入山をお勧めします。



尾根から小島ヶ浦へ向けて下り始めると地形はなだらかになり歩きやすくなります。
初回の下見の時よりもさらに近い場所から御倉山の岩壁を見ることができ、その迫力に圧倒されました。



目的地の小島ヶ浦は雪で覆われていました。
丹羽さんのお話によれば、雪が解けると小島のような岩が点在する独特な景観を見せてくれるとのことです。


自然観察会には登山のような達成感はあまり無いかもしれませんが、自然の内面を深く知り、自分との関わりを考えさせる力があります。
今回の研修会で学んだ事を活かしながら、これからも自然の魅力を多くの方々に伝える活動をパークボランティアの方々と協力しながら進めて参りたいと思います。