アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]
山と登山者の関わり (H24朝日連峰保全協議会 合同保全作業)
2012年10月12日
羽黒
9月29日~30日かけて、平成24年朝日連峰保全協議会の合同保全作業を行いました。
今回の作業箇所の三方境です。現地は、風衝裸地、登山道の複線化、踏圧によるガリー侵食等によって現在も荒廃が進行しています。
平成20年度実証試験、平成22年度合同保全作業に続き今年度で3度目の作業となりました。
前回の日記でお伝えした、飯豊連峰同様の近自然工法による作業です。
作業前に施工法について確認します。
<過去の施工箇所の修復作業>
これまでに設置した土留の下部や側面等から土砂が流出し修復が必要になっていたため、ヤシ繊維を隙間に詰めて土砂流出防止を図りました。
<ガリー侵食部への土留め工、排水工の設置>
ガリー侵食部にはヤシ繊維と現地土砂を詰めたヤシ製土嚢袋、ヤシ製緑化ネットにヤシ繊維を中に詰めてロール状にしたものを設置し、土砂堆積と流水のコントロールを図りました。
新しい試みとして、耐久性に優れたヤシ製土嚢袋を試験的に使用しています。効果が楽しみです。
<歩行路固定>
現地は風衝裸地であるため、どこが歩行路なのか不明瞭な状態です。
歩行路の荒廃低減と歩行路以外の場所の踏みつけ防止のためにヤシ繊維やヤシ製土嚢袋、現地の転石を用いてステップを設置し、登山者が歩きやすいように歩行路を固定しました。
<緑化ネット敷設>
裸地部を中心として緑化ネット(麻製緑化ネット、ヤシ製緑化ネット)を敷設しました。
麻製緑化ネットは耐久性が低く1~2年で風化してしまう為、風あたりの強い風下側には麻製緑化ネットを敷設後、上から麻製ネットを風化から保護するために耐久性に優れたヤシ製緑化ネットを敷設しました。
より発芽の可能性が高い風当たりの弱い部分の播種を優先的に行うなど、工夫して作業しています。
作業終了後には、施工の意図を全員で共有する振り返りを行いました。
振り返りは施工への理解を深め、ボランティア各自のスキルアップに繋がります。
三方境は朝日連峰の最奥地で、最短ルートでも片道約7時間はかかります。
現地にたどり着くだけでも大変な上、作業を行って下山するのですから本当に骨が折れる作業です。
そのような作業に今年も多くのボランティアの皆さんが集まりました。
また、狐穴小屋、竜門小屋の管理人さんには大変お世話になりました。
作業帰りには紅葉が始まりました。
保全作業は自然が相手なので、一喜一憂、試行錯誤の繰り返しです。手探りな部分が多く、効果の確認をできるまでにも時間がかかります。
最近は登山をするだけではなく、山と関わり、山の為に何かをしたいという気持ちを持っている登山者が徐々に増え始めているように感じます。
本当に嬉しいことであり、今後も山に関わる人たちと手を取り合って山の保全を進めて行くことが大切なことだと感じています。
今回の作業箇所の三方境です。現地は、風衝裸地、登山道の複線化、踏圧によるガリー侵食等によって現在も荒廃が進行しています。
平成20年度実証試験、平成22年度合同保全作業に続き今年度で3度目の作業となりました。
前回の日記でお伝えした、飯豊連峰同様の近自然工法による作業です。
作業前に施工法について確認します。
<過去の施工箇所の修復作業>
これまでに設置した土留の下部や側面等から土砂が流出し修復が必要になっていたため、ヤシ繊維を隙間に詰めて土砂流出防止を図りました。
<ガリー侵食部への土留め工、排水工の設置>
ガリー侵食部にはヤシ繊維と現地土砂を詰めたヤシ製土嚢袋、ヤシ製緑化ネットにヤシ繊維を中に詰めてロール状にしたものを設置し、土砂堆積と流水のコントロールを図りました。
新しい試みとして、耐久性に優れたヤシ製土嚢袋を試験的に使用しています。効果が楽しみです。
<歩行路固定>
現地は風衝裸地であるため、どこが歩行路なのか不明瞭な状態です。
歩行路の荒廃低減と歩行路以外の場所の踏みつけ防止のためにヤシ繊維やヤシ製土嚢袋、現地の転石を用いてステップを設置し、登山者が歩きやすいように歩行路を固定しました。
<緑化ネット敷設>
裸地部を中心として緑化ネット(麻製緑化ネット、ヤシ製緑化ネット)を敷設しました。
麻製緑化ネットは耐久性が低く1~2年で風化してしまう為、風あたりの強い風下側には麻製緑化ネットを敷設後、上から麻製ネットを風化から保護するために耐久性に優れたヤシ製緑化ネットを敷設しました。
より発芽の可能性が高い風当たりの弱い部分の播種を優先的に行うなど、工夫して作業しています。
作業終了後には、施工の意図を全員で共有する振り返りを行いました。
振り返りは施工への理解を深め、ボランティア各自のスキルアップに繋がります。
三方境は朝日連峰の最奥地で、最短ルートでも片道約7時間はかかります。
現地にたどり着くだけでも大変な上、作業を行って下山するのですから本当に骨が折れる作業です。
そのような作業に今年も多くのボランティアの皆さんが集まりました。
また、狐穴小屋、竜門小屋の管理人さんには大変お世話になりました。
作業帰りには紅葉が始まりました。
保全作業は自然が相手なので、一喜一憂、試行錯誤の繰り返しです。手探りな部分が多く、効果の確認をできるまでにも時間がかかります。
最近は登山をするだけではなく、山と関わり、山の為に何かをしたいという気持ちを持っている登山者が徐々に増え始めているように感じます。
本当に嬉しいことであり、今後も山に関わる人たちと手を取り合って山の保全を進めて行くことが大切なことだと感じています。