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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

流氷としぶき氷と

2012年02月09日
十和田
 先日の寒の緩みによって、十和田湖では2週間ぶりに最高気温がプラスを記録しました。春が近づいているような気がしてウキウキしたのもつかの間。現在-7~8℃あたりをキープしております。厳しい冬はそう簡単には終わりません。

 今日は十和田湖半周巡視をしてきました。夏期であればぐるっと一周するのですが、現在は積雪のため国道454号、102号が冬期閉鎖されております。青森県の冬期閉鎖道路の詳細はこちらをご参照下さい
→ http://www.koutsu-aomori.com/Road/yukimitimap.html

 十和田湖巡視では、湖岸に出られる12カ所の定点観察ポイントからフィールドスコープ(野外で持ち運べる望遠鏡)を覗いて水鳥をはじめとした野生鳥獣の生息状況調査や自然環境の変化の確認などを行っています。今回定点観察ポイント数カ所で流氷が観察できました。
 

 じっくり観察するのに苦労しない、休屋の御前ヶ浜手前と、休屋桟橋の流氷です。湖に流氷?と思われるかもしれませんが、十和田湖の一部で結氷した氷が波によって砕かれ、何カ所かの湖岸に流れ着くのです。さらに氷同士でぶつかり合って端がめくれハスの葉のような形となります。


 今回の休屋の桟橋で見られたのがそのハスの葉氷です。ここは除雪も行き届いていますので、アクセスは簡単です。が、この時期風が強く吹き付ける場所でもあります。しっかり防寒をしないととても寒いです。


 水鳥の生息状況として目立つものでは、和井内桟橋からアカエリカイツブリ1羽を確認。1シーズンに数回確認されますが、湖の西側で見られることが多いです。前回確認されたミコアイサは確認できませんでした。


 次に湖の東側、奥入瀬渓流の入り口である子ノ口です。この時期の東岸には、湖岸にある樹木や岩に強風で飛ばされた湖のしぶきがかかって凍る、『しぶき氷』ができあがります。そろそろ見頃かと思い見てきました。

 一度暖かくなったので、青みが薄まり白っぽくなったり、大きさも今一かもしれませんが、その迫力と造形美には相変わらず圧倒されます。

 ここは除雪された車道からも離れていて歩道のようなものはなく、カメラマンさん達がつけた踏み跡があるだけです。踏み外すと冷たい湖に落ちる危険性もありますので、ご覧になる際は足下など十分にお気をつけください。また、一帯は十和田八幡平国立公園の特別地域に指定されていますので、自然保護へのご協力を宜しくお願いします。