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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

奥入瀬~知られざる厳冬期の魅力~

2011年12月27日
十和田
全国に先駆けて26日に酸ヶ湯温泉の積雪が2mを超え、八甲田にスノースポーツのシーズンが到来しました。雪深いこれからの季節は八甲田や十和田湖・奥入瀬方面へのアクセスがなかなか大変になるため、観光で来られる方も夏場に比べて減りますが、訪れた方はきっと冬の美しさに息をのむことと思います。

今回はそんな知られざる冬の奥入瀬渓流の様子を紹介したいと思います。
奥入瀬渓流は十和田湖から流れ出る唯一の河川「奥入瀬川」が作り上げた深い渓谷にかかる大小の滝が魅力の一つです。多くの滝は周囲の山から水を集め、時に豪快に時に繊細に岩壁を流れ落ちます。これらの滝は年間を通じて観ることができますが、これらに加えて冬になるともう一つの「滝」が現れます。それは夏場にはほとんどの人が気づかないような水の浸みだしが芸術的な氷の滝に変化した「氷瀑」です。
大きな滝は水量が多いため、しぶきが跳ねる周辺が凍りつく程度です。ところが「水の浸みだし」は少しずつ成長し、迫力ある自然の造形をつくり上げます。


写真は奥入瀬渓流の馬門岩付近にできる氷瀑です。まだ成長段階ですがおそらく2月中旬頃にピークを迎えて見事な氷柱となり、3月いっぱいまではその姿が見られるのではないでしょうか。この馬門岩付近から十和田湖にかけての道路脇にはこの他にも無数の氷瀑が現れます。冬に十和田湖を訪れる際には、この冬の幻とも言える滝の姿をぜひご覧いただきたいと思います。

なお、氷瀑は気温条件等で突然崩壊することもあります。観賞する場合は十分に距離を取るなどご注意ください。