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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

可愛い野鳥も食事シーンは残忍?

2011年09月29日
秋田
 目的地に着くまでに6箇所の工事現場を通過しなければならず・・・大きく迂回したり片側交互通行で長い待ち時間があったり・・・。こんな時は平静を保つのが難しいところですが安全第一!!



 このところ、じっくりと鳥を見ていなかったからでしょうか(そんなつもりはないのですが・・・)?どういう訳か、鳥を見る目が無くなっている気がします。鳥獣保護区を担当するアクティブレンジャーとしては致命的です。
 近くの鳥に気付かずに飛ばしてしまったり、見つけられずに素通りしたり、上空から聞こえた声を全く見当違いの方向に探したり、なんともトホホな状態です。そんな中、この【ハクセキレイ】だけはじっくり観察できましたので、その話を・・



 気がつけば、【ハクセキレイ】達は冬羽に衣替えを済ませていました。見ると他の個体もほぼ換羽が終了していました。

 鳥の羽で季節の移ろいを感じられるなんだなぁ~なんて思っていると・・・


 目の前を飛んでいたトンボを一瞬で捕獲しました。何とも間の悪いアカトンボ、『飛んで口に入る赤とんぼ』を絵に描いたような光景でした。

 棚ぼた的に労せず餌を得たこの【ハクセキレイ】、捕まえたのは良いけどどうしようか?と迷っているようでした。しばらくすると・・・


 足場の悪い水路の上からしっかりとした足場のある農道へ移動しました。この後の行動は想像できますよね?


 そう!皆さんの予想通り!!しっかりとした地面に捕獲した獲物を叩きつけて命を絶ち、羽など不要部分を取り除いてから丸呑みします。この一部始終を嘴だけでやってのける器用さに感心しつつも『ひょうひょうと残忍な事をするな~』という感想を持ちました。


 この事例は、野鳥好きの側から見たら、『ハクセキレイは上手にトンボを食べるもんだな』というような感想を持つでしょうし、トンボ好きの側から見たら『こんな残忍な最後を迎えて可哀想だ』というような感想を持つことになるでしょう。
 どちらに感情移入するにせよ、こうして命が受け継がれていく様子は自然界では日常です。アカトンボも色々な小型昆虫を食べて生きてきたでしょうし、【ハクセキレイ】もいつ捕殺されるかも知れない世界に生きているのです。ということは自然界ではもしかして『残忍』という発想自体が不要なのかも知れませんね?