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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

水浴び直後?擦り切れ?部分白化?んんん・・

2011年07月20日
秋田
 暑い日が続きます。今日は風がある分いくらか過ごしやすいでしょうかね?事務所の窓からは風に乗って竿灯のお囃子が聞こえてきます。各地で練習に熱が入ってきた頃だと思います。通勤時に通る道路でも竿灯の観覧席を設置する工事が始まりました。地元のお祭りって良いですよね^^




 先日、ある冊子を読んでいると・・・チェルノブイリの原子力発電所の事故現場付近では野鳥にも目に見える影響が現れている事が書かれていました。特に汚染地域で繁殖した野鳥には大きな影響が現れると言うことで、そこには部分白化する【ツバメ】の事例や異形が現れるシジュウカラの事例が挙げられていました。どちらも身近な野鳥なのでちょっと気になって読み進めていきました。

 読み終えて・・・「これからはそんな事も気にしながら野鳥観察をすることになるのかな?」なんて思い、何とも言えない気持ちになりました。



 そんな記事の印象が鮮明に残る中・・・1羽の【ツバメ】に目が釘付けになりました(とは言うのは大袈裟かも知れませんが・・・)。


 【ツバメ】の成鳥です。水辺を飛び回っていた【ツバメ】がヨシに止まって羽を休めたり羽繕いする、よくある光景ではありますが、私は直ぐに喉元に見える白い羽に気付きました。


 羽繕いする時に見えた後頭部から背中にかけて・・斑状に白い羽が見えました。んんん・・・


 その記事では尾羽に異形が現れることもあると書かれていましたがこの個体は特に問題があるようには見えません。他の写真で見てもいたって普通の様です。



 野生生物の世界ではアルビノ、白化個体、部分白化個体、バフ変個体など通常の色彩とは異なって身体全体或いは一部分が白くなったりバフ色になっている個体が存在します。私もこれまでにいくつかの種で部分白化やバフ変個体を観察したことがあります。なのでそれ自体は特段に驚くことはないのですがタイミングがタイミングだったために余計に目に付いたのかも知れません。



 しかし、そもそもこの【ツバメ】に見える白い羽は、この直前に水浴びをしたために羽が部分的にまとまって白い部分が透けて見えているのか?時期的にも羽が擦り切れて白い羽が見えてしまっているだけなのか?それとも本当に部分的に白い部分がある個体なのか?ハッキリしません・・・。言えるのは部分的に白い羽がある以外に他に気になることが全くなく、直前まで他の個体と一緒になって水辺を飛び回っていたことなどから、この【ツバメ】自体はいたって健常であるらしいということ。


 更に言うと・・・そもそもこの【ツバメ】は成鳥であること、現在の生息場所も秋田県であることから、特に気にするべき点がありません。つまり私の反応は”過剰反応”であり、”冷静さを欠いた反応”であると言うことです!!!

 
 私のオハズカシイ話はさておいても、現在も原発事故の収束がなかなか見えてこない。という時期が時期だけに・・問題が問題だけに、何かが起こった時、何かを見つけた時の反応や対応が過剰になってしまったり、冷静でいられなかったりという事が予想されます。とにもかくにも冷静に!!適切に!!