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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

Q2

2011年05月02日
秋田
 さて、前回の日記に続いて第2問です。

 只今、大潟草原鳥獣保護区の管理棟から見えるサギのコロニーに【ゴイサギ】がペアで入居を始めました。今はペアで過ごしているだけで巣作りをする様子もまだ確認できませんでしたが・・それでも確実に前に進んでいるようです。
 そこで問題です。【ゴイサギ】成鳥の後頭部に見られる白い冠羽はなんぼんあるでしょうか?


 さぁてよく考えてみて下さい。



 こうして一つところでまったりと過ごす【ゴイサギ】の群れも小さくなってきました。既に大半はペアが成立しているようです。また身の安全を確保するために単独でコロニーに身を寄せているらしき個体も見られます。

 こうして一度に多くの個体を観察できると面白い違いが見えたり、個性のようなものも感じられたりして・・・「群れ」の観察は本当に面白い!!!

 最近では大半の野鳥達が繁殖期に入り、野鳥の群れを観察する機会が減ってきました。現在大潟で「群れ」が確認できるのは【ゴイサギ】の他には、アオサギ、カルガモ、コガモ、ハシボソガラス、ツグミ等でしょうか?この中でもツグミは個体差やそれぞれの行動に個性が感じられて楽しいですよ^^




 さてさて・・話を問題の方に戻しましょう!



 上の写真にも白くて長い冠羽が確認できる個体もいますね~。どうでしょうか?皆さん答えは決まりましたでしょうか??


 皆さんの回答では『2本』というのが最も多かったと思います。実際に観察したことのある方も2本の冠羽がぴょんぴょんと伸びているのを見たことがあるかも知れません。それが正解でしょうか??


 では写真で確認してみましょう。


 2枚の写真を併せてみました。

 多くの方が『2本』と返答されたのも無理はありません(←勝手にそう想定しているだけですが・・)。確かに、図鑑には『・・白くて長い冠羽が2本・・・』と明記されているものもありますので、それが正しいと思いがちです。ですがこの写真2枚とも、どう見ても2本ではありませんね。ちなみに手ぶれしている写真の中には5本確認できる写真もあります(それも手ぶれの可能性も全く否定は出来ませんが・・)。

 この2枚の写真は同一個体を撮影したものですが、よく見ると右側が2本に分かれて合計3本に見える見える写真と、左側が2本に分かれて合計3本に見える写真があります。そこから『もしかしたら左右とも2本ずつあるんじゃないか?』と想定することも出来ます。では実際にはどうなんだろう?と思っていろいろ調べてみると、左右2本ずつの合計4本よりも多くの冠羽が確認できる写真が多く見つかりました。調べた中では『8本』が最も多い数字のようです。もしかしたらこの先観察を積み重ねていくともっともっと多い冠羽を確認できるかも知れません。ワクワクしますね~^^


 一応、答えを整理しておくと、『通常2本に見える事が多いが、冠は羽2本ではなく2束にまとまっている。詳細に見ると多数(~8本程度)の換羽が確認できる』って感じでしょうか?