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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

胴体着氷

2011年01月05日
秋田
 秋田市内は年始に降った雪が道路脇に集められ・・それが溶け出し・・雪のせいで排水がままならず・・道路や歩道は水浸し状態なところが目立ちます。それが夜になると凍結するので危険なことこの上なし!私も通勤時氷に足を取られて滑り転倒。洋服や濡れるわ・・・痛いわ・・・もぅ。



 はい。そんな私の話はこれくらいにして日記を書きます。
 現在、大潟村やその周辺の水辺は凍結範囲が広がり、日によってはほとんど結氷している事も珍しくはなくなりました。厳冬期には完全に結氷する日が何日も続きますからまだまだ本格的な寒さではないのかも知れませんけど、一気に冬らしくなってきたので野鳥達にもちょっと戸惑いがあるようです。

 この日も西部承水路はほぼ全面凍結。ハクチョウたちが過ごすエリアも氷がはっていました。毎度思うことですが・・・そんな冷たい氷の上で過ごすハクチョウ達の逞しさを感じながらカウントしていたときのことです。
 上空から鳴き声が聞こえてきました。どうやら今私がカウントしているエリアに降りようとしているようだったのでカウントを中断して降りてくるのを観察していました。
 一羽また一羽と次々に降りてくるのですがなんかいつもと様子が違っています。気になってじっくり観察していると面白いことが起きていました。 


 それは・・・


 【オオハクチョウ】の成鳥が着氷体勢に入りました。ここから急減速していきます。


 氷の上を滑らせるために足を出して着氷体勢を作ります。・・・と此処まではいつもと変わらないのですが!


 氷の上を滑るはずの足が思うように滑ってくれません・・・どうやら完全には凍結していないようでシャーベット状の氷のようです。だから表面を滑らせる前に足が取られてしまっているようです。
 おそらく【オオハクチョウ】達は氷の表面を足で滑ってブレーキをかけようと思っていたようですが、シャーベット状の氷だったので思った異常にブレーキが利いてしまったようです。


 なので・・・足は沈みかけて、もの凄い抵抗がかかり、身体が前のめりになってしまっていました。ですから勢い余って胸からシャーベット状の氷に倒れ込むことに・・・


 これと同じようなことが私たちの身に起こるとどうなりますか?滑るはずの足が滑らず・・・でも身体は止まらず・・・結果:『大転倒』ですよね?きっとかなり痛いだろうし、恥ずかしさもあるかも知れません。
 しかし!【オオハクチョウ】達はそれが当たり前で、何もなかったかのように落ち着き払っていました^^


 つまりこれは思いがけない『転倒』ではなく、予定していた『胴体着氷』だったんです。(多分・・・・)