ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2010年9月

28件の記事があります。

2010年09月08日油断大敵

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 星 彰

皆さん、こんにちは。
8月も終わり、9月になっても暑い日が続いておりますが、裏磐梯はようやく涼しさを取り戻しつつあるようです。

先日(9月3日)、磐梯山の登山道でまだ巡視をおこなったことのない登山道があったので、早速行ってみることにしました。しかし、この安易な考えが、後で怖い思いをするとは思いもしませんでした。

巡視をおこなった登山道は、渋谷口の登山道。猪苗代町の磐梯国際スキー場が玄関口となっています。登山者カウンターの点検で月に数回、林道の途中までは行くことはあるのですが、カウンターが設置されている先へはまだ行ったことがありませんでした。そういった好奇心からも後押しされ、今回渋谷登山口から登頂してみることにしたのです。


出発点の磐梯国際スキー場から磐梯山方面の様子。
下界はご覧のように、まだ青空も見えていますが、磐梯山の方は雲に覆われているようです。


しばらく幅広な林道を歩き、その後は細く狭い登山道へと変わっていきます。
利用する登山者が少ないせいか、上の写真のように、草本がかなり繁茂し、藪こぎ状態でした。さすがにこれでは、利用しづらいので簡単に刈り払いもしました。


段々と、標高が上がるにつれ、ガスがかかり、風も強くなってきました。
視界も悪く、先へ進むためのマーキングや道標の確認も困難な状態です。
猪苗代スキー場からの登山道との分岐点手前辺りで、完全に次の道標が確認できず、立ち往生してしまいました。さらに戻る道もわからなくなる始末。晴れていれば、磐梯山の位置などで、おおよその方角は確かめられますが、ガスの中ではお手上げです。
まさか、磐梯山の登山道で道に迷うということを想定していなかったため、コンパスも携帯していませんでした。仕方なく、辺りをしばらく右往左往している間に、ようやく来た道を発見。何とか日が暮れる前に、無事帰路につくことができました。

しかし、このまま戻る道も見つからなかったら、最悪の場合遭難していたかもしれません。
最近は、かなりの頻度で山へ行くことも多く、登山にも慣れてきたせいか、少し気が緩んでいたのかもしれません。
今回の出来事で、山を侮ると怖い思いをするということを改めて実感し、これからは登山に対する心がけをしっかり持ち、万全な装備で山に挑みたいと思います。

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2010年09月07日沢蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹・・・

秋田 足利 直哉

 先日は「道路で見つけた」ヤマカガシで日記をお伝えしましたが、今日もまた「道路で見つけた」【サワガニ】で日記を書きます。同じようなくくりで日記を書くのが私の得意技(?)ですから・・・^^


 先日、業務のために森吉山野生鳥獣センターへ向かっていると道路を横断するカニの姿が目に入りました。こんなところにいるカニは十中八九【サワガニ】だと思いながら車を止めて近づいてみると・・・


 やはり【サワガニ】でした。と・・・これだけでは日記のネタとして「弱い」事は十分承知しています。たまたま道路の上という見やすい環境で見つけ、思いの外近くで撮影できたからでもありません!!


 よ~くご覧下さい。お腹の辺りを・・・何か見えませんか?


 初めは「卵かな?」と思っていたのですが・・・・











 なんとそこには小さな小さなカニカニカニ・・・
 卵から孵ってカニの姿になっても親カニの身体に寄り添って過ごすんですね?この子供達は親カニの身体の上で歩き回っています。それでも決して落ちることなくしっかりとしがみついているようです。
 小さな小さな身体には親カニの身体が一つの”世界”のようなものなんでしょうかね?


 これでまた一つ、新しい命が育まれた事をお伝えすることが出来ました。こういった光景に何度も巡り会える幸せを噛みしめている今日この頃です。



日本のいのち、つないでいこう!【COP10まで41日前】
生物多様性ホームページ http://www.biodic.go.jp/biodiversity/
COP10支援実行委員会 http://www.cop10.jp/aichi-nagoya/

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2010年09月07日緑化ネット荷上げの協力のお願い

磐梯朝日国立公園 羽黒 佐々木 大樹

 こんにちは、羽黒自然保護官事務所の佐々木です。
 台風の影響で、久しぶりの雨です。涼しくて助かります^^

 今日は、朝日連峰保全協議会からのお知らせです。

 先日もお伝えさせていただきましたが、朝日連峰保全協議会の合同保全作業を9月25日(土)~26日(日)に三方境で行う予定です。
 事前作業として、当日使用する緑化ネット等の資材の荷上げの協力を登山者の皆様にお願いしているところです。
 ご協力いただいた皆様から「ネットを上げました」と声をいただくことがありますが、どうもありがとうございます。(本当に頭が下がります)
  
 ですが、まだまだ荷上げの必要なネットが多く残っている状況です。
 改めましてお願いさせていただきますが、事前に山行等でお立ち寄りの際は、是非ご協力をお願いします。
 現在、竜門小屋の管理人が不在となっているので、荷上げいただいたネットは3階に置くようにしてください。
 よろしくお願いします。

 ※詳細は、 http://c-tohoku.env.go.jp/to_2010/0817a.html をご覧下さい。
 

 ネットは日暮沢小屋の玄関に置いてあります。

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2010年09月06日ヤマカガシの幼蛇

秋田 足利 直哉

 9月に入っても最高気温が30度を超える日が続いています。真夏を乗り切ったからと油断しないようにと対策をしつつも、台風情報からも目が離せなくなりました。空模様は変わりやすい秋の空になってきたようです。



 さて、この日記では野鳥の繁殖の様子や巣立った雛達の様子を様々お伝えしてきましたが、先日森吉で幼鳥ならぬ幼蛇を見つけました。もうお分かりの通り・・・ヘビの話題ですので苦手な方にはご容赦願います。


 そう言えば・・・一昨年でしたか・・・この日記で同じように【ヤマカガシ】の幼蛇を取り上げたのを思い出しました。たまたまですが・・・その時に反応してくれた方と一緒に仕事をしたのと、その時一緒に行った方と会う予定があることから思い出す事となりました・・・。そしてもう一つ、その時の写真がイマイチだったのが頭に残っていたのでいつか、まともな写真でもう一度書き直そうかと思っていたのでその思いが叶います。


 道路を横断していた【ヤマカガシ】の幼蛇です。首の位置に黄色い斑があるのが特長です。


 アップの写真も撮影できました。サイズはかなり小さいですが顔つきはもう成蛇と変わりないように見えます。


 参考までに大きな【ヤマカガシ】の写真も載せました。同じような体色をしていますが、黄色い斑が見当たりません。


 こうしてみると・・・森吉では今期もたくさんの命が生まれました。動物も野鳥も爬虫類も魚類も昆虫も・・・希少な生きものも身近な生きものも・・・きっとこの時までの長い長い間、このようにたくさんの命が生まれ、それが繋がって現在私たちの目の前に姿を見せてくれているのだと思うと例えグロテスクな生きものであっても、身近な生きものであっても命が繋がる一場面に出会えて事に幸せを感じずにはいられません。



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2010年09月06日仙台海浜の旅鳥たち

仙台 鎌田 和子

9月になっても暑い日々が続いています。「どこか涼しいところに、遠くに出かけたい、旅行したい」を実践している鳥たちが、今、国指定仙台海浜鳥獣保護区で観察できます。

北半球から南半球へ旅するシギチドリ類が中継地点として利用しているのですが、干潟、波打ち際、砂浜と環境の違いを旨く使い分けをしていますので是非、観察してみてください。



中型のシギ、キアシシギ(体長25㎝)です。干潟でよく餌を探してウロチョロ、カニなどをパクリ!「ピューイ、ピューイ」と優しい声が聞こえたら、キアシシギ。

大型のシギ、チュウシャクシギ(体長42㎝)です。嘴が下に湾曲していて頭部の2倍の長さの嘴が特徴です。

小型のシギ類です。手前のグレイ系のシギがトウネン(体長15㎝)、それより少し大きく嘴が長いのがミユビシギ(体長19㎝)です。私が歩いた跡の窪んだところで休んでいるトウネン。波打ち際での餌取りを見ていると、波と戯れているようにも見えます。

チドリの仲間では大きい方のメダイチドリ(体長19㎝)です。群れで行動しているのをよく見かけています。まだまだいろいろ来ていますし、羽根を見るとすでに冬羽根に変身、シギチドリ類を観察するのに難儀しています。

シギチドリ類はこの異常気象とは関係なく、いつもの通りに旅をしているようで、春と秋の仙台海浜の光景でもあります。

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2010年09月03日観賞用キノコという存在~ヒメベニテングタケ~

秋田 足利 直哉

 9月になっても暑い日が続いていましたが、今日は雨が降っている秋田市内です。この時期になると『山を歩いても花はないし、暑いしでいつもより疲れる気がするんだよね・・』という声を聞きます。確かに暑いですよね。確かに咲いている花はある先に比べて少ないですよね。でもそれを補うように、様々な実が色づき始めましたし、何よりキノコが登山道に彩りを添えています。
 今日はそんなキノコの中から充分に観賞用として楽しむことが出来る(私の主観ですけど・・)キノコをご紹介します。


 先日、巡視中に見つけたキノコの幼菌です。とある図鑑では『妖精のようなキノコ』と表現されていた程、可愛らしい!!


 【ヒメベニテングタケ】の幼菌です。特にこれくらいの時期の姿が可愛らしく、一部では人気が高いようです。勿論、観賞用として・・・


 こちらは同じ種類の成菌です。傘が開いてしまうと可愛らしさが薄れてしまうようですね・・・(もちろんこれも私の主観ですけど・・・)。


 やや下からも撮影してみました。色白の傘に日差しが溶け込んでいました。


 こちらの【ヒメベニテングタケ】ですが、東北ではブナ林などの林床でごく普通に見られるキノコで森吉でも度々見かけます。
 そして図鑑に寄れば『食毒不明』とのこと。つまり食べられるのか?どうか解らないって事ですから(現在のところ)「食用」とは考えられませんね?でも幼菌が『妖精のよう・・』と表現される美しいキノコですから「観賞用」ということになりそうですね?


 暑い日が続いて、山から足が遠のいている皆さん。そろそろ山に吹く風は涼しさを感じられるようになってきましたよ。木の実や草の実、そしてキノコを眺めながら、終わりゆく夏を惜しみつつ、小さい秋を探しに出かけてみてはいかがですか??


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2010年09月03日秋田駒ヶ岳のサブレンジャーたち

十和田八幡平国立公園 鹿角 大堀 拓

 秋田駒ヶ岳では毎年夏の季節になると「サブレンジャー」と称する若者達との出会いがあります。主に都会に生活する大学生達で夏の間だけ秋田駒ヶ岳一帯のゴミ拾いや高山植物を守るパトロールを経験するためにやってきます。

 秋田県に来るのも初めての若者が多く最初は自信なさそうな表情で登山道で
花の名前聞かれたらどうしようかと真剣に心配していますが、真っ黒に日焼け
して任務の終わりが近づくと「まだまだ帰りたくない」という風に変化します。彼らの面倒を見る地元の人達も難しい理屈は誰も押しつけず日々たくましくなっていく彼らを優しい目で見守っています。

 私自身も今年はずいぶん彼らに助けられました。「小白森への利用者指導標識運び上げ」や「田代沼湿原の木道修理」では重い器材運搬を嫌な表情一つせず黙々とこなしてくれました。ここでサブレンジャーを経験した若者の中から
各地で自然保護NPOやエコツーリズムのガイドのメンバーが誕生しています。

 今頃は暑い都会の教室に帰って「遠い秋田駒ヶ岳の澄み切った涼しい風をなつかしんでいる」かどうかはわかりませんが、彼らがいなくなると山も静かに
なり秋の風が吹き始めます。

サブレンジャーと行った乳頭山麓での木道補修。暑い日で途中飲んだ沢の水のうまさに感激していた。

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2010年09月01日オニクワガタみっけ^^

秋田 足利 直哉

 少し前のこと・・友人がブログで登山道で見つけたノコギリクワガタのメス♀を取り上げていて、その感想として『この年になってもカブトムシやクワガタを見つけるとテンションが上がる。オス♂なら更に上がる』と書いてありました。「この年」がいくつなのかは申しませんが・・・私も全くの同感です^^!
 今日は、巡視中にも関わらずテンションが上がりました!!私が見つけたのは体長2cm程の小さなクワガタでした。パッと見は種類は解りませんがクワガタのメス♀かな?と思いましたが、よく見るとそれはそれは立派な大顎を持っていましたので直ぐにオス♂のクワガタであると解りました。

 2cm程の小さなクワガタを見つけてテンションが上がり、それがオス♂であることが解って更にテンションが上がりました。本当、いくつになってもお気に入りの昆虫を見つけた時というのは気持ちが高揚します!!



 興奮気味で、話を先走ってしまいました・・・。
 下の写真が、最初見つけた時、直ぐに撮影したものです。よくもこんな小さなクワガタを見つけられたものだと自分でも思いますが、登山道の真ん中を悠然と歩いていてくれたのが幸いでした。


 皆さんの第一印象はいかがですか?クワガタと言うことは直ぐに解りますよね?でもクワガタの特長である大顎を見るとそれほど大きなものではないようなのでメス♀のように見えませんか?(私だけ??)


 ちょっと斜め方向から撮ってみました。すると上から見た時には気がつかなかった特徴的な大顎が見えてきました。
 小さいと思っていた大顎でしたが、よく見ると上に向かって鋭く伸び上がるような形状をしていて先端もなかなか厳つい形になっています。


 このような特徴を持つのは【オニクワガタ】のオス♂の大型個体です。その他にも翅の部分に明瞭な筋が無いことも本種の特長のようです。
 身体は小さいけれど大顎が厳つくて、名前もその特長を美味く言い当てていると思う【オニクワガタ】を見つけた事が私の今年の夏の最後の思い出になりました。




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