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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

秋田駒ヶ岳のサブレンジャーたち

2010年09月03日
鹿角
 秋田駒ヶ岳では毎年夏の季節になると「サブレンジャー」と称する若者達との出会いがあります。主に都会に生活する大学生達で夏の間だけ秋田駒ヶ岳一帯のゴミ拾いや高山植物を守るパトロールを経験するためにやってきます。

 秋田県に来るのも初めての若者が多く最初は自信なさそうな表情で登山道で
花の名前聞かれたらどうしようかと真剣に心配していますが、真っ黒に日焼け
して任務の終わりが近づくと「まだまだ帰りたくない」という風に変化します。彼らの面倒を見る地元の人達も難しい理屈は誰も押しつけず日々たくましくなっていく彼らを優しい目で見守っています。

 私自身も今年はずいぶん彼らに助けられました。「小白森への利用者指導標識運び上げ」や「田代沼湿原の木道修理」では重い器材運搬を嫌な表情一つせず黙々とこなしてくれました。ここでサブレンジャーを経験した若者の中から
各地で自然保護NPOやエコツーリズムのガイドのメンバーが誕生しています。

 今頃は暑い都会の教室に帰って「遠い秋田駒ヶ岳の澄み切った涼しい風をなつかしんでいる」かどうかはわかりませんが、彼らがいなくなると山も静かに
なり秋の風が吹き始めます。

サブレンジャーと行った乳頭山麓での木道補修。暑い日で途中飲んだ沢の水のうまさに感激していた。