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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

ノスリのペリット

2010年05月07日
秋田
 冷たい雨が降っている秋田県内。せっかく咲いた桜も散ってしまっています。桜の盛りは公園から山肌へとうつりゆく今日この頃・・・”山笑う”も沿岸南部から始まっています。そろそろこの辺りでも楽しげな笑い声が聞かれますでしょうか?


 さて、今日の日記は昨日の予告通り!【ノスリ】の話題。

 先ずは昨日の食事のおさらいを・・・西部承水路でウシガエルを捕まえた【ノスリ】は近くの田んぼの畦道へと飛んでいき、周囲を確認して食事を始める。腹を割き、内臓を取り出して食べ、肉をちぎって最後には何も残さずキレイに完食しました。
 はい!このあと、どの様な行動をするのでしょうか?私の予想は①直ぐに”おかわり”を採りに行くか、②血で汚れた嘴の手入れや羽繕いをして過ごすの二択でしたが・・・・



 食事を終えた【ノスリ】は何やらモゾモゾとしているようでした。



 暫くすると口を広げ軽く頭を振ります。『これってもしかして・・・』この感じ見たことがある!!と連写しました。



 すると!!!写ってました。ペリットを吐き出す瞬間が!!!





 私のような素人にはこの【ノスリ】が見せた行動が理解できませんでした。最大の疑問は『さっき食べ終わったばっかりなのに何で直ぐにペリットが出てくるのか?』ということ。

 
 まず、ペリットとは大雑把に言うと、食べた獲物の羽や骨等の消化しきれないものを塊として吐き出すものです。
 なので当然ながら消化器官で作られるものだと思っていたので、カエルを食べた後に直ぐにペリットが吐き出されたことに驚きました。

 自分の身体で考えてみると・・・何か食べ物を食べた後、消化器官にある物を吐き出すとどうなりますか?(お食事中の方、スミマセン)きっと直前に食べた物が一緒に吐き出されますよね?つまりペリットだけを吐き出すことは不可能ですよね?


 調べてみると【ノスリ】などのタカ科(その他にも「そのう」を持つ鳥はあるが全ての鳥類にあるわけではないらしい・・)の鳥類には食道の一部が広がった「そのう」という器官があってペリットはそこで作られるのだそうです。だから食べた直後だったのにペリットだけを吐き出すことが出来たんですね?


 今回も実際に観察をして、自然とふれあうことで自然の素晴らしさ、奥深さを改めて感じることが出来ました。こうした豊かな自然の中に生きている幸せを感じました。『自然とのふれあいって本当にイイもんですね^^』