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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

ハクガン 見納めでした

2010年03月18日
秋田
 今日は彼岸の入り。寒さの一段落する頃で、季節も冬から春へと本格的に移行する頃になりましたね・・・。

 
 大潟やその周辺を賑々しくしていたガン達もその多くは北へと渡り去ってしまい、今は僅かに残ったマガン主体の最終組(?)が広々とした田んぼにポツンポツンと観察できるだけ・・という状況になりました。
 あれほど居たヒシクイも探してようやく見つかる程度です。他には【ハクガン】やシジュウカラガンも観察できていましたが、先週末が近くなった頃、一人で行った巡視の時に見た数千羽規模のヒシクイの群れに混じっていた【ハクガン】が今期の秋田での見納めとなったようです。


 大潟やその周辺ではヒシクイの群れに混じって【ハクガン】が観察されることが多いようです。この時も同じでした。いつものようにヒシクイの群れの中にいて、守られるように餌を食べたり、休憩したりしていました。
 この時、既に私の中に「これが見納めかな?」との思いが過ぎっていたのでカメラを向けました。


 その中で、【ハクガン】が羽ばたくシーンを撮影することが出来たので、ちょっと嬉しく思いながら後日写真を確認すると・・・「えっ・・・」と絶句してしまいました。
 合成した写真の上の物を見ると、翼の真ん中当たりが黒くなっているのに気がつきました。下の写真を見てみると同じような場所は黒くなってはいません。写真が悪くて分かりづらいですかね??翼の前線部の中間付近で角度が変わっている辺りのことです。

 調べてみると、黒くなっているのは『小翼羽(しょうよくう)』という部分です。その羽は翼の上面に現れている羽なので、下面が写っている下の写真では黒く見えていないようです。
 図鑑で【ハクガン】のページを見ると『初列風切が黒い・・』とは書いてありますが『小翼羽』の事は見当たりません。色々見てみましたが同じ結果でした(もっと探せば書いてある図鑑もあるかも知れませんが・・・)。私もこの写真をチェックするまで【ハクガン】の黒い羽は初列風切だけだと思いこんでいましたからちょっとした衝撃でした。しかし、今となっては現物を見に行くことが出来ません。何とも歯がゆい・・・



 そう言えば・・・以前読んだ本に『小翼羽は人間の部位で言えば”親指”にあたり・・初列風切りは同じく”人差し指~中指~”・・云々』という事が書いてあったことを思い出しました。
 つまり【ハクガン】の黒い羽は我々で云うところの”指”に相当する部位なんだと言うこと。そう思えばあまり違和感を感じません。一人で納得してしましました(笑)!!「そう言うことか?」と・・・