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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

警戒心の差

2009年11月24日
秋田
 皆さんは今年最後の3連休、いかがお過ごしになりましたか?秋田県内ではスキー場オープンの便りが聞かれ、冬の訪れをまた一つ実感する事となりました。見渡す景色も随分と白くなってきました・・。


 さて、ようやく!本当にようやく!!大潟ではガン達の群れを採餌場として、塒として本格的にその姿を観察できるようになりました。随分と待ちかねた気がします・・・。その分、シジュウカラガンやハクガンなど稀少なガン達の姿も見られて急に忙しくなり、帳尻あわせをされた感じです(笑)。

 そのガン達の観察で感じることは、彼らの警戒心の高さというか、強さというか・・・。同じように水田で採餌するハクチョウ達と比べるとその差は歴然としています。


 奥に【ヒシクイ】手前に【コハクチョウ】の姿が見えます。この時の私と彼らの距離は田んぼの長辺分。しかも大潟村の田んぼはそんじょそこらの田んぼと規模が桁違いです。恐らくは充分な距離を保って観察していたはずですが・・・【ヒシクイ】はこの警戒態勢!!


 のち、徐々にその警戒を説いていくのですが、その前に【コハクチョウ】達は全く気にする素振りすら見せず、黙々と採餌を続けます。そして、一羽の【コハクチョウ】が【ヒシクイ】達に『お前達が食べないなら私が食べる』と言わんばかりに群れの間に割って入り、採餌を始めました。


 その様子を見て【ヒシクイ】は更にその警戒を解くのですが、それまでに要する時間や、条件が【コハクチョウ】に比べて強い!厳しい!!もしこの時、【ヒシクイ】だけであったら・・・観察時間はもっと短かったのかも知れません・・・。今後も彼らの警戒心を配慮して観察を続けようと思っています。