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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

力を合わせて登山道整備

2009年07月17日
鹿角
 十和田八幡平国立公園の南端に位置する秋田駒ヶ岳から北方の八幡平へ、あるいは東の岩手山に向けて、アップダウンを繰り返しながら登山道が延びています。大小の湿原を通りながら、公園内の主要な山並みを展望できるこのルートは昔から静かな山旅を愛する人達に利用されてきました。

 しかし長年の利用と雨水の影響で浸食が進み、歩行に支障をきたす箇所も
あちこちに目立つようになっています。「このまま放置するのは危険、登山道の整備は皆で力を合わせて」という声があがり、路肩崩壊が一番激しい笹森山登山道の整備に取り組みました。集まったのは地元自治体やパークボランティアなど17名。降雨と濃霧という悪条件でしたが、重い鉄筋やつるはしを背負子につけて出発。ずぶ濡れになりながらも、なんとか階段状登山道の復元作業をやりとげることができました。

 作業終了後に八合目避難小屋で開かれた反省会では「様々な人達との共同作業で考えた以上の成果が出た」「雨の中、休憩もとらない皆のがんばりに感動した」といった声が聞かれました。この他に蒸ノ湯登山道でも様々な組織・個人の協力による登山道整備が取り組まれています。試行錯誤の連続ですが八幡平でも「登山道整備」に向けての小さな一歩が今、始まったところです。



整備前の笹森山登山道、浸食で階段状の登山道が崩壊している。

自然公園管理員をリーダーにして出発前、念入りに作業の打合せを行う。

歩道の階段を鉄筋とかすがいで組み直し、敷石で埋め戻すとやっと登山道らしくなってくる。