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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

八甲田山地域高山植物等盗掘防止合同パトロール

2009年07月08日
十和田
先週日曜日、八甲田山地域にて高山植物などの盗掘防止合同パトロールが行われました。各関係機関(団体)から総勢56人が参加し、八甲田山地域を5班に分かれての活動となりました。

このパトロールは高山植物などの盗掘防止と、登山道・木道以外での踏み込みを防止し、貴重な自然環境の保護を普及啓発することを目的としています。

今回私が参加した班は南八甲田の櫛ヶ峰往復コース。
一番距離が長い班ということでしたが、晴れ続きだったおかげで登山道も歩きやすく頂上付近では曇りになるなど暑すぎず、寒すぎず、途中けが人なども出ず、楽しい登山となりました。

高山植物もとてもきれいに咲いており、盗掘跡も見られませんでした。
やはり自然のものはそのままが一番美しいと思います。湿原を気分良く歩いていて手折られた花や根本からごっそり持ち出されたような跡は見たくないですからね。また湿原に続く踏み跡などもないように見られました。
湿原は人が足を踏み入れるとすぐに壊れてしまう繊細な自然です。
南八甲田だけではなく他の場所でも、登山道以外の人の足跡などあまり見たくないものですね。

湿原を通った人みんなが同じ景色を見て、この景色を守っていきたいと思ってくれると良いなと思います。




イワイチョウ越しに休憩風景

登山道のすぐ脇や、段差、隙間などにも高山植物が花を咲かせていて、踏まないよう蹴っ飛ばしたりしないよう足下の確認は一時たりとも怠れません。
でも前方も確認しないと、顔面・頭に枝がクリーンヒットします。南八甲田の登山道に入る際はお気を付け下さい。

頂上では360度がガスって真っ白だったので、櫛ヶ峰が誇る好展望は望めませんでした。



下山途中、頂上付近が晴れてきて、参加者で「あー・・・」と思っているところ。




今回は盗掘防止パトロールに加えて、7月1日より行われた無断伐採防止パトロールで発見された違法伐採の確認も行いました。南八甲田は国立公園特別保護地区で動物の捕獲や植物を傷つけたりする行為は一切禁止されているところです。しかしパトロールの結果、今シーズンは11本の木が切られてしまっていました。
このような違法行為が無くなるよう、今回のように八甲田に関わる様々な立場の方達と協力して取り組んでいくことの重要性を改めて感じました。