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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

スノーモービルと想像力

2009年04月11日
鹿角
 最近の八幡平は素晴らしい快晴が続き、観光道路の除雪も一気に進んで
今週末には岩手側・秋田側共に全線開通する見込みです。

 この時期、鹿角の自然保護官事務所には、登山者やスキーヤーの方から
「八幡平山頂付近でスノーモービルの走った跡を見た。」「茶臼岳に登って
いたら、数台のスノーモービルが猛烈な爆音と共に追い越していった。
静かな山を楽しめなかった。」といった情報が寄せられます。

 その為、毎週末はスノーモービルが車両乗り入れ規制区域に入らないよう
に巡回パトロールに出ます。こちらがていねいに説明するとスノーモービル
利用者の多くは理解を示してくれますが、中には規制区域がわかりずらい
と苦情を言われる方もおられます。

 確かに雄大なパノラマの中、雪煙をあげて豪快に斜面を登る爽快感を
想像することは可能ですが、同時にこの時期、八幡平ではノスリ、秋田
駒ヶ岳ではイヌワシといった猛禽がそろそろ繁殖の準備にかかるという
のも事実です。長い冬の期間を耐えてきた木がスノーモービルに傷つけ
られている姿も目にします。人間以外の生き物に対する想像力を持てと
いうのは難しいことでしょうか?

 規制々でがんじがらめにすることばかりが良いことだとは思いませが
ここを利用する方々が、もう少しの想像力と周りの環境へのちょっとした
思いやりがあるともっと良い八幡平になると思うのですが・・・・。




入山地点でスノーモービル利用者に乗り入れ規制区域の説明を行う。

直前に走り去ったスノーモービルにはじき飛ばされたトウホクヤチネズミ。まだ尾がピクピク動いていた。

スノーモービルの太いキャタピラ跡と傷つけられた枝。