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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

【実施報告】スノーシューで歩く八甲田を実施しました!

2009年03月26日
十和田
少し時間が経ってしまいましたが、「スノーシューで歩く八甲田」の報告をしたいと思います。
以前この日記でもお知らせしたとおり、このイベントは3月14日と3月20日の2回開催の予定だったのですが、第1回目は、なんと悪天候のため中止となってしまいました…。
楽しみにして下さっていた皆様、本当に残念でした。
これに懲りず、またの機会に是非ご参加下さい!お待ちしています☆
 
そして第2回目は、天気に若干の心配はあったものの、無事開催することが出来ました!

今回は初心者向けのゆっくりコース。
講師をお願いした八甲田山荘の芦沢吉朗さん、星野亮二さんが、八甲田山にかかわる歴史をたどりながら解説をして下さいました。

午前中は、あの映画「八甲田山」でも有名な、雪中行軍遭難記念像を訪ねました。
銅像茶屋の前から300mほどの距離を登ると、銅像が見えてきます。
この像は、豪雪の中、遭難の状況を報告に行こうとしたが途中で動けなくなり腰まで雪に埋もれて仮死状態で佇立していたのを捜索隊に発見された、後藤房之助伍長です。後藤伍長は捜索隊の処置で蘇生、その微かな発言によって遭難事件のあらましが明らかとなったそうです。

『後藤伍長の像は雪に埋まっているのか?!』
…と期待を膨らまして登っていくと、銅像の周りに雪は少なく、ちょっとイメージとは違っていました(笑)



午後は、八甲田スキー場のリフトを使って登り、周辺を散策しました。
(※スノーシュー散策のために徒歩でリフトに乗ることを事前に許可いただいています)
ここでは、八甲田のスキールートを開拓した梅津又四郎さんという方のお話を聞きました。昭和26年3月、高松宮殿下が八甲田にお出でになるということで、梅津さんは事前にスキーコースの点検に出かけました。当時62歳。八甲田をとても愛し、山を熟知していた方でした。コース点検を終え同行者と別れた後、コースを引き返して酸ヶ湯に帰る途中吹雪に遭い、自分が開拓したよく知るコースで遭難、亡くなってしまったそうです。
観察会では、梅津さんが眠っている、遭難地点のアオモリトドマツの木を参加者みんなで訪ねました。

その途中では霧氷が見られ、真っ白で静寂な景色がとても幻想的だったのが印象に残っています。



今回の観察会では、八甲田に関わる人たちの歴史にもふれることができました。
自然の豊かさ、素晴らしさだけでなく、それに魅せられ関わってきた人たちの歴史が、さらに八甲田の魅力を深めているように感じました。

参加者の皆さん、お疲れ様でした。楽しんでいただけたでしょうか?
そして、講師・スタッフの皆さん、本当にありがとうございました。