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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

八幡平の自然を守ってきた人達(その2)

2009年03月02日
鹿角
 「勤務場所の八幡平見返峠から望む裏岩手の山並みが平坦な地平線のように思え、その延長線上に秋田駒ヶ岳や岩手山が聳え立つ姿が大好きです」と語るのは、鹿角のアクティブレンジャーが八幡平で1年を通じて最も接する回数が多い人物、自然公園財団八幡平支部の主任、馬越さんです。

 厳冬期、樹氷原を縫ってのスノーモービルパトロールから始まって、八幡平ビジターセンターの管理運営、自然観察会ではインストラクターを務めます。 特に彼がつくるイラストを含めたオール手作の自然観察会用パンフレットは大好評で、私も大変、参考にさせてもらっています。夏期は頂上駐車場やキャンプ場の管理に加え環境省で行う、「外来植物駆除」や「湿原植生回復」の現場の陣頭指揮にあたります。あるパークボランティアは彼をして私達の24時間を倍速48時間にして生きている人間と評しています。休日はというともちろんプライベート?で八幡平の山に入っているといううわさがもっぱらです。

 もともと東京で育った彼は4年生大学を出たあと、環境系の学校に入り直し、卒業後すぐに北海道の阿寒湖畔エコミュージアムセンターで自然解説スタッフとして働きはじめました。その4年後、現在の八幡平で働くようになっても野生動物観察などは北海道の経験が大変役に立っていると言います。八幡平でも零下15度を超えて夕闇迫る2月のブナ林で一人ツェルトで耐え、ニホンモモンガの生態写真を撮ったと意気揚々事務所に来られた時はさすがにびっくりしました。

 八幡平においても地域で自然環境を守るメンバーの高齢化が年々進む中、全国21ある自然公園財団の主任の中でも一番の若手である彼に私達も大きな期待を寄せています。


八幡平頂上での馬越さん。「活動の原点は?」と聞くと「環境・環境と肩に力を入れたら続かない。ただ八幡平の自然が好きなのです。」との答え。