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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

ドジョウを捕食したタンチョウ

2009年01月27日
秋田
 1月も最後の週となりました。やるべき仕事量と仕事時間を比べて、いよいよ焦り始めてきた今日この頃です・・・


 今日は、この厳しい季節にあっても逞しく生きている【タンチョウ】の採餌シーンをご紹介します。



①:ちょっと狭いんじゃないかな?と思うような土水路に入って餌を探す【タンチョウ】です。
②:何か餌を見つけたようです。冷たい水に頸を丸ごと突っ込んでいきます。
③:【タンチョウ】が上手く何かを捕まえて水路から上がってきました。ドジョウです!
④:大物です!!咥えたドジョウを一旦雪の上に落としました。



⑤:もう一度咥えられたドジョウが激しく抵抗している様子が写っています。それに比べて【タンチョウ】は冷静でした。
⑥:再度雪の上に落として藁を落とし、ドジョウだけを咥えました。これで食べる準備が整ったようです。
⑦:しっかりと咥えたドジョウを舌を使って一気に喉元まで運んでいきました。
⑧:ドジョウは”あっ”という間に【タンチョウ】の口の中へと消えていきました・・・。


 この日の観察時は休む間もなくドジョウやタニシを次から次へと食べていましたが、その食べ方というか食べる場所について面白い法則(?)を発見しました。
 ↑の写真のように水路から出て、食べるのは”ドジョウの大物”を捕まえた時に限った行動でした。タニシは勿論抵抗するはずもないので、そのまま水路で丸呑みにしていましたが、ドジョウは捕まえる時にどうしても藁などを一緒に咥えてしまうらしく、それらを除く必要があります。そこで一度捕らえたドジョウを放さなければならないのですが、その場でそれをやるとなると、せっかく捕まえたドジョウを逃がしてしまうことになるかも知れません。しかも大物だと動きも大きくなってリスクが高くなりますからね?
 そこで【タンチョウ】は考えたのだと思います(先天的に身についているのかも知れませんけど・・)。『逃したドジョウは大きかった・・』と悔しい思いをしない為に、水路から出てドジョウが逃げられないようにしてから食べれば良いんじゃないか?と・・・

 この【タンチョウ】を観察していると本当に賢いな~と感心させられる事が多いのですが、この日の観察でも改めて感じました。更に、ここ最近の採餌行動を総合すると『この【タンチョウ】は餌のある土水路の場所を完全に把握している』と思えてなりません。U字溝で作られた水路は素通りしてしまいますから・・・


 少し前のドカ雪の時にはちゃんと餌が採れるのか?と心配しましたが、ドジョウを見つけて捕まえるスキルも充分ですし、新たな餌場の開拓をする行動力も持ち合わせています。ここ最近の【タンチョウ】を見ていると逞しさ、賢さは私が考えていたよりも遙かに高いレベルにあるようです。