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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

警戒する理由

2009年01月21日
秋田
 昨日の日記の最後にあった「ヒシクイ・マガンが首を挙げて警戒している理由」ですが・・・「私が居たから」なんていうありがちなオチではありません!とは言ってもそれはそれで一つの理由であろうとは思いますが、最大の理由はこちら↓



 昨日ご紹介した【ヒシクイ】と【マガン】の観察を終え、次の観察地へと移動を始めたのですが、直ぐに”強烈な存在感”を感じて車を止めました。実はガン達の観察中から私以外の”何か”に向けられている警戒心を感じてはいたのですがその時はその理由がわからずに観察を続けていました。
 車を運転して移動を始めた私が感じられる程の存在感ですから【ヒシクイ】や【マガン】が気付かないはずはありません!!視線は明らかにガンの群れを捕らえています。

 この時の位置関係ですが私の左斜め前方約70~80mのところに【オジロワシ】、右斜め後方約300~400mのところにガンの群れ。私は図らずもそのライン上に位置してしまいました。
 【オジロワシ】は視界に入っている私をチラ見するのですが、全くひく様子はありません!私も何だか緊張し始めて固唾をのんで観察していました。

 どれくらい時間が経っていたのでしょうか?手に汗がにじみ始めたその時!!



 思った以上のスピードでカメラが追いつきません・・・ようやく撮影できた一枚がこれ↑ですが、この時既にガンの群れはけたたましい鳴き声を上げて一斉に飛び上がっていました。



 【オジロワシ】はその飛び立った群れに向かって一直線!!それを見た【ヒシクイ】【マガン】は散り散りバラバラになって逃げていきますが、【オジロワシ】はその後も直線的に飛んで、小さくなった群れの一部を追いかけていきました。
 その姿がドンドン小さくなっていき、遂には林の向こうに消えてその後の様子を知ることは出来ませんでしたが、【オジロワシ】がガンの群れを標的にしたという事実に衝撃を受けた観察でした。