東北地域のアイコン

東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

来年も会えるかな

2008年12月24日
鹿角
 少し前のことになります。アスピーテラインが冬期閉鎖になり、入山カウンターを撤去するために岩手側から八幡平へ向かいました。松川渓谷を挟んで岩手山が大きくそびえ立つ源太岩周辺は八幡平でも有数の展望スポットです。

 一面に続くチシマザサの向こうに葉を落としたダケカンバの樹が数本立っていて、その樹上に一匹のツキノワグマが登っていました。以前、岩手大学農学部共生環境課程の青井教授から八幡平のツキノワグマはアスピーテライン閉鎖と前後して冬眠に入り、春は再び開通前後に活動を開始すると伺ったことがあります。おそらく彼(彼女?)は冬眠前の空腹を少しでも満たそうと必死の思いでダケカンバに登り、僅かに残った小さい堅果を貪っていたのでしょう。

秋の主要な食糧であるべきブナについて秋田県は3年連続の不作で、八幡平周辺ではほとんど結実を見ませんでした。厳しい自然環境ですが、何とか生き抜いて来年また元気な姿を見せて欲しいものです。

ダケカンバ上のツキノワグマ。一瞬、黒い大きなビニールが木に引っかかっているのかと思った。