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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

鶴舞 ~プロローグ~

2008年10月24日
秋田
 大潟とその周辺の水田はすっかり稲刈りも終わって遠くまで見渡せるようになり、人影もまばらで閑散とした様相となってきました。そうなると【タンチョウ】のように大きくて存在感のある鳥の姿はかなり遠くからでも見つけられるようになっています。

 そんな影響もあってか・・・あまり感心できないような観察(?)の仕方をしている方もいるようです。飛翔する姿の写真を撮りたくて追い回す方がいたり、タンチョウに近づいてツーショット写真を撮影したり・・・これ以外にも書くのもはばかられるような事をしている方もいるとか・・・

 当然ですが【タンチョウ】自身もそんな状況は居心地が悪いようです。そんなことは言われなくても「そりゃそうだ!」と納得していただけると思います。
 それと・・最近感じていましたが「まさかぁ~」と言われそうで口には出さずにいましたが、同じ事をおっしゃる方がいたので「やっぱり!」と言い出す勇気を持ちました(笑)。それは・・どうやら近くに人がいるなど何らかのストレスを感じている時には羽繕いをしながらこちらの様子をうかがっているようなんです。付け加えると【タンチョウ】が採餌する場面を観察するのは一人か極少数で距離を保って観察している時か、ずーっと遠くに離れている時がほとんどでした。
 
 そんな【タンチョウ】にとってストレスの少ない環境下では、本当に楽しい行動を見せてくれます。羽を広げて軽快にステップを踏んだり(ダンスをしたり)、何かを咥えてそれを放り投げて遊んだり(おもちゃ遊びをしたり)と愛嬌たっぷりの本当愛らしい姿を見せてくれます。






 ~羽を広げてステップを踏むシーンを撮影したものを集めてみました~


 【タンチョウ】を観察している方から教えていただいたのですが、こういった行動は先天的に備わっている行動で、雌雄共に行うそうで、それがやがて成長するにつれ「鶴の舞い」へと繋がっていく行動なのだそうです。
 この様な行動はいつでも見られるという訳ではありませんが、せっかく【タンチョウ】を見たのならこの様な独特の行動を観察してみたくはありませんか??