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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

ニュウナイスズメ

2008年09月29日
秋田
 今、秋田では稲刈りの最盛期を迎えています。先週末には雹が降ったりと不安定な天気だったせいもあってか、天気に恵まれた今日は忙しそうに田んぼで作業をする方々が大勢見られました。
 朝は黄金色の景色だったのが、夕方帰るときには綺麗に刈り取られてさっぱりとした状態になっていました。そんな状況を野鳥たちはそれぞれの思いで見つめていたようでした。


 農家の方々が着々と稲刈りを進める様子を落ち着きなく見守る(?)のは、先日この日記で頭を垂れた稲穂に群がる様子を紹介した【ニュウナイスズメ】達です。
 これまで好きなだけ新米を食べていたであろう【ニュウナイスズメ】達はドンドン刈り取られていく田んぼをどんな気持ちで見ていたのでしょうか?観察していると未だ稲刈りがなされていない田んぼに大挙して行ってはみるものの、直ぐそばで作業をしている方がいたり、農道をトラックが忙しく往来する度にヨシ原へと逃げ込んできます。
 どうにかして新米を口にしたいらしく、ヨシ原から様子をうかがっていたようですが障害が多すぎて近づくに近づけない。意を決して田んぼに向かってもいつもとは勝手が違って、食べるに食べられずに直ぐに逃げ帰らざるを得ないといった感じでした。

 それで仕方なく(?)ヨシの穂を口にする【ニュウナイスズメ】も見かけました。おそらく今週末には大半の田んぼで稲刈りが終わるでしょうから、この先の彼らの主食は米ではなく他の稲科植物の穂になるのでしょうね。
 秋田の美味しい新米をいち早く食べてイイ思いをした彼らは間もなく、次の生活場所へと移動していきます。今、いる【ニュウナイスズメ】の中には昨年食べたその味が忘れられなくてまたやってきた個体がいるかも知れませんね?
と、言うことは・・・


【ニュウナイスズメ】オス♂

【ニュウナイスズメ】メス♀

 農家の方々にとってはせっかく苦労して育てたお米を勝手に食べてしまう困った【ニュウナイスズメ】ですが、その姿はなかなか可愛い!
 お馴染みの【スズメ】と違ってホオに黒い斑点が無く、オスとメスの羽が異なり、オスは明るいレンガ色でメスは薄い茶色の羽に白い眉毛がチャームポイントです!