東北地域のアイコン

東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

自然解説をもっと生き生きと豊かにするには

2008年08月25日
鹿角
 自然解説を担当していて「本当にこういう内容で良いのだろうか?」と悩んだことの無い人は少ないと思います。そんな中で日頃、公園内で自然観察会のリーダー役を担っている八幡平地区と南八幡平地区のパークボランティアの合同研修会を行いました。テーマはずばり「国立公園の中での自然解説活動」です。

 講師役は環境省で以前レンジャーを務めた経験のある青森大学の藤田教授にお願いしました。室内講義の中でアメリカの国立公園の実例をあげながら「インタープリテーション」の方法論について学びます。一方的に自然情報を伝えるのでは無く、公園利用者自身が体験や現場の素材を通じて、自然の中にある法則性や生物多様性・健全な自然生態系を次世代に残していく重要性に気づく
お手伝いをするというものです。

 午後から大沼周辺の散策路に出て一人一人がテーマを見つけインタープリーターの実演をしました。5分間という限られた時間で大変だったのですが、「ブナの肌から推測できるもの」、「ヤドリギ発芽の不思議」、「沢の流れからわかる森林生態系」、「自然観察者の表情を観察する」等々ユニークな実践例で大変に盛り上がりました。参加したパークボランティアの一人は自然解説活動について「知識の伝達ではないということを聞いて大変嬉しかった」とその晩にメールを送ってくれました。
 これからも私自身、試行錯誤の自然解説が続くと思いますが、パークボランティアの皆さんと一緒に利用者の目線に立った活動を心がけようと思います。


狭いレクチャールームに入りきれないほどのパークボランティアさんが集まってくれました。


屋外でのインタープリテーション実習は全員が一度はリーダー役を務めました。


講師役の藤田教授を囲んで八幡平と南八幡平のパークボランティアさん