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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

コムクドリの子育て

2008年07月15日
秋田
 事務所の窓を開けて仕事をしていると、雑踏の中からブラスバンドの音色が響いてきます。事務所近くにある球場でも高校球児達が甲子園目指して熱戦を繰り広げています。この雰囲気にも『夏間近』を感じますね~。

 
 このところ大潟へ巡視に行く際には、水辺へ注意を払うことが多くなっていました。承水路はもちろん、池や農業用の水路など「水」のあるところでじっくり観察する事が多くなっていました。
 特に林は葉が茂り、草丈が伸びて観察しにくくなってきていたので、意識はしていなかったのですが何となく、注意が欠けていたように感じて、この日は「林もじっくり見よう」と意識して巡視してきました。

 すると【コムクドリ】のペアが忙しく飛び回っている場面に遭遇しました。立ち枯れた松の木に向かって何回も何回も飛んできます。私の居た方向からは見えませんが、どうやらアカゲラの古い巣穴があるようで、それを【コムクドリ】が再利用していました。※以前、この日記でコムクドリがキツツキの巣を再利用しているという記事を書きましたがその場所とは違います。
 


 巣穴に来る頻度はかなり頻繁で、次々と餌を雛に運んでいたようです。巣穴の前でホバリングしながら餌を与えることもありました。



 しばらくして親鳥たちが休憩を始めました。かなりの長時間、何度も何度も餌を運んでいたのでちょっと一休みといった感じでした。すると巣穴から雛が顔を出して親鳥を探しています。オスともメスとも付かない羽色でやや黄色がかって見えました。キョロキョロして親鳥を見つけると『もっとちょうだい』と言っているようです。

 初めは顔だけを覗かせていた雛が徐々に身を乗り出してきました。猛烈におねだりを始めたようです。それを見た親鳥たちは、このあと餌探しを再開していました。