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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

大沼湿原での野鳥観察から皆で環境を考えました。

2008年05月25日
鹿角
 5月25日、朝からビジターセンター周辺は霧が立ち込め、断続的に小雨が降りかかります。八幡平ビジターセンター主催の第一回自然観察会のテーマは「春の野鳥・春の野草・春の虫たち」、日本野鳥の会秋田県支部長の佐藤さんと鹿角在住で長く地元で野鳥観察を続けている田中さんの両名をインストラクターにしての観察会が始まりました。集まったのは一般参加者とパークボランティア合わせ21名。
 
 ビジターセンター前を出発しようとした途端に目の前でアカゲラが飛び、アオゲラが枯枝の上に姿を見せ、一同は大興奮。その後も次から次へと森林性の野鳥たちが姿を見せ、僅か2時間の間に37種類の野鳥を確認することができました。インストラクター達はかすかな囀りを聞くやいなやフィールドスコープで瞬時のうちに小鳥の姿をとらえ、参加者に鮮やかな姿を見せてくれます。
それまで肉眼か、せいぜい双眼鏡でしか野鳥の姿を見たことのなかった参加者
は、その度ごとに思わず大きな歓声を上げ、それで野鳥が飛んで行ってしまう
ことも。

 ビジターセンターに戻ってからインストラクターから観察会のまとめとして、野鳥観察から見た最近の環境変化について話をしてもらいました。
「人間活動が生態系に影響を及ぼし野鳥の生息を困難にしてきている」という
のは長年、野鳥観察を続けてきた方からの厳しい指摘です。

 幸いビジターセンターのある大沼一帯は、天然性のブナとアオモリトドマツが枯れ木・倒木も含め混交し、湿原・湖沼・草原がパッチ状に配置された複雑な構造になっています。今日あらためて多様な野鳥達が生息できる環境の重要性を実感しました。


野鳥の会のインストラクターにかかると、それまで同じに聞こえていた鳥の声が違って聞こえてくるから不思議?

雨が一瞬弱まったかと思うと、梢の先から「オオルリ」の囀りが聞こえてきた。参加者が一斉に双眼鏡を構えた。