ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2011年6月

30件の記事があります。

2011年06月21日タイミングが・・

秋田 足利 直哉

 今日の秋田市内は午前中から雨が降りだし、時々雷を伴って激しく降りました。暑い日が続いていた秋田県内では久しぶりの雨だったので、農家の皆さんにとっては待望の雨だったかも知れませんね。
 そして秋田県を含む『東北が梅雨入りしたと見られる』とのことです。いつもの年よりはちょっと遅めの梅雨入りだそうですが、これから暫くジメジメした日が続くかと思うと・・・それが当たり前と解ってはいても憂鬱ですよね。




 このところ、山を歩いて巡視していると足下に”白い大きな花びら”が落ちているのに気がつきます。よく見ると白に混じって”茶色いもの”もあります。そう!【ホオノキ】が花を咲かせています。
 【ホオノキ】は高木に育つ種で、その花も枝先にある為、森の中を歩いていても花の観察はしにくく、下から見上げたのでは様子もよくわかりません。そこで渓谷沿いなどの斜面で見やすい位置にある花を観察しようとするのですが・・・なかなかタイミングが合わないんです。


 今から何年前の話になるでしょうか・・・ある先輩から『【ホオノキ】って性転換する樹なんだぞ!』と言われました。当時の私は何のことかさっぱり解らずに『え?どういう事ですか?』と聞き返しました。すると・・・その先輩は詳しく教えてくれました。その時の解説を要約すると・・・『【ホオノキ】が初め咲いた時は雌花の状態で、一度閉じてもう一度咲いたら今度は雄花の状態になる・・・』と言うものでした。今思えばとってもざっくりした解説で、しかも随分と端折った説明であることが解りますが、当時の私には衝撃的な話に聞こえ、以後今日まで耳に残っています。

 もう少し詳しく言うと・・・【ホオノキ】は開花した日には「めしべ」が開いて受粉可能な状態となる。その花は一度閉じて、再度開花した時には「おしべ」が開いて花粉を出す状態となる。そしてもう一度花が閉じて、次に咲いたときには「おしべ」が脱落して、やがて集合果となる部分を残し、花の命を終えていく(この説明も随分とざっくりしてますが・・・^^)。つまり【ホオノキ】の花の美しい場面を観察する機会はかなり貴重であると言えるのです。


 数年前に先輩から解説を聞いて、自分でも調べてみて何となく知ったようなつもりになってみても、なかなか実際に観察する機会がないまま今日まで過ごしてしまいました・・・。毎年毎年『今年こそは!!』と思いながらも果たせずにいます。


 決して早い時間ではないのですが・・・この日は天気が悪かったんでしょうかね?閉じてしまっています。


 こちらはもう少しで咲くのかな?と思って、あるコースを行く時に帰りには咲いているだろうと思ったのにやはりこの状態のままでした。


 同じ樹にも花びらが開いているものがいくつかあるのですが、こちらは既に「おしべ」が脱落してしまっているようでした・・・。


 梅雨入り前の晴天が続いている時に、2日続けて同じ樹を観察できればもしかしたら両性花をそれぞれ観察できるかも知れませんが、東北は今日梅雨入りしました・・・。
 「めしべ」が開いている雌花、「おしべ」が開いている雄花、う~~ん見てみたい!!皆さんは見たことありますか??

 まさか・・・【ホオノキ】の花を見たことがあると思っていたのに実は、この記事の3枚目の花と同じ状態ばかり!なんて事はないですか??チャンスはかなり少ないですからね・・・天気やタイミングも重要ですし!!




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2011年06月20日蔦野鳥の森のモリアオガエル

十和田八幡平国立公園 十和田 種村 由貴

 6月に入って鳥たちの囀りすら遮るようにエゾハルゼミが鳴きだし、白い花たちが咲き始めるとカエルも賑やかになってきます。沼めぐりの小路を歩いていると、各スポットでアズマヒキガエルやヤマアカガエル、モリアオガエルと思われるカエルたちの声が聞こえてきます。

 特に蔦温泉売店横から入ってすぐの瓢箪沼はモリアオガエルの繁殖地となっており、沼に張り出した木々の枝先にはモリアオガエルの泡状の卵塊が鈴なりになっています。コココココ…というモリアオガエルの声も盛んに聞かれるのですが姿は見えず・・・。
 去年は日照りが続いて、雨の降った昼間に産卵する姿も見られたのですが今年はちゃんと夜に産卵しているようです。そのせいか去年より卵塊の数が多いようにも感じます。無事多くのカエルたちが産卵できたということですね。



モリアオガエルの卵塊



 それと「え、なんで?」と思うことがあったのでご紹介します。

 沼めぐりの小路のだいたい中間地点にある長沼は入り込む沢水等はなく、毎年雪解け水で水量が増えてその後徐々に減っていく大きな水たまりの沼です。

 ここ数日の雨で増えていた水かさが一気に減ったからなのか、陸の倒木の陰にナマズがいました。しかもまだ生きていて、いつ打ち上げられたのか、そもそもなんでこんなところにいるのか、びっくりです。



 一応水の中に戻して様子を見ていたら、徐々に元気になっていったようでした。最後まで見守ることはできませんでしたが、無事復活していたらいいなと思います。


 それにしてもそんなに水が減る時間が早かったのでしょうか?気になります。

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2011年06月17日モズロケット帰還

秋田 足利 直哉

 昨日の『モズロケット発射』に続いて、今日は【モズ】が餌を捉えて、食事場所である杭の上に戻ってくるシーンを集めてみました。

 カラスやトビ、ノスリ達が電柱のてっぺんに止まろうとする時の様子を観察していると、電柱のてっぺんのやや下へ向かって直線的に飛んで行き、直前でブレーキをかけながら上昇しててっぺんに”ふわっ”といった感じで止まるのをよく見かけます。でもこの【モズ】はその様なことはしないで、てっぺん目がけて一直線に飛んできて、”ぴたっ”と静止していました。
 とは言え・・・絶対にブレーキをかける必要があるし、足を杭に向けて飛んできて接地しなければならないはずなので、どうやって止まっているんだろう?と疑問を持ち、観察&撮影を試みました。





 この2枚を見ていると、てっぺん目がけて直線的に飛んできて直前で、足を伸ばすと同時に翼を広げて減速しているんだろうな~と思えてきます。恐らくは足にかなりの大きな衝撃が加わっているはずです。


 こちらは前記のカラスやトビなどのようにやや下から浮き上がるような軌道で杭に止まろうとしているのが解ります。戻ってくる場所によるのでしょうか?

 いずれにしても・・飛んでいる間の体勢は、頭から尾羽までが水平方向に一直線になっていると思われますが、杭に止まろうとする瞬間はそれが足を前に出す事によってどちらかと言えば頭から尾羽までが垂直方向に位置しているようです。きっとスーパースローで見たら驚くような身体の使い方をしてるんでしょうね?


 最後にもう一枚写真をご覧下さい。



 どうですか?この体勢・・・。まるで野球選手がベースに向かってスライディングしているよう(両足ですけど・・)だとでもいいましょうか?それともプロレスの選手がドロップキック(スピード感が段違いですけど・・)をしているかのようなとでも言いましょうか??とにかくもの凄い迫力です。


 頭が先になるようにして飛んできた【モズ】が杭に止まろうとする瞬間には足を先にして飛んでいるんですよね?これって・・・。ますますスーパースローで見てみたい!!

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2011年06月17日6月の出会い

仙台 鎌田 和子

仙台の空は、梅雨を思わせる薄暗い曇、どよ~んとしています。
今日は伊豆沼の巡視での出会いを報告します。

巡視に出かけるときいつも、密かに今日は何か出会いがあるかなと期待しています。その期待は何故かいつも叶っているような気がします。

秋田自然保護官事務所の足利さんの報告にもでてきましたが、「鳥獣保護区管理員」のみなさんの毎月の報告や過去の報告書も私にとっても大切な情報です。

その中でも、6月の過去の報告書に毎年のように「アジサシ」が伊豆沼で確認されています。今年の巡視はいつもより回数が少ない私にとっては、出会いの機会がそれだけ少なくなっているのですが、運がいいのか、出会うことができました。

白い紙飛行機のように旋回し降り立ちました。やった~!アジサシ!伊豆沼での野鳥確認の種がまたひとつ増えたのです、私の野帳に書き加えました。


こちらはカヤツリグサ科のオニナルコスゲです。伊豆沼・内沼でもどこにでもあるわけではないようですが、カヤツリグサ科の植物が気になり、カサスゲでもないし、なんだろ?と調べて「オニナルコスゲ」に行き当たりました。調べて答えが出るとうれしいものです。


今度は、チョウです。「オニナルコスゲ」のお陰で出会いました。「ギンイチモンジセセリ」、このチョウは、ヨシ、ススキなどの生える萱場を好むのですが、どこの萱場にでもいる訳ではありません。前任の三宅さんは化女沼で撮影していたので、いつか私も出会えるだろうと思っていたチョウでした。
この出会いは、野鳥、植物、昆虫と伊豆沼の環境の豊かさを物語る一端です。
次回はどんな出会いが待っているのでしょうか?

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2011年06月16日モズロケット発射!

秋田 足利 直哉

 皆さんお気づきになりましたか?この右側にあるカレンダーの上に『がんばろう!東北』のメッセージボードが付いたことを!!これまでもこれからも東北地方のアクティブレンジャー10名全員がこの思いを胸に日々の業務にあたっていきます。
 ちなみに東北地方環境事務所のホームページにも同様のメッセージボードが掲げられています。



 巡視のために車を走らせていると環境整備のために各地の道路沿いで草刈り作業が実施されています。雪が溶けて以降、芽を出した種々が背丈を伸ばして来たために行われているのですが、この時期の風物詩的な光景です。大潟の管理棟周辺でも草が伸びてきたので管理員さんがボランティアで草刈り作業をして下さいました。駐車場から通路、管理棟の周辺を一人で刈るのは骨の折れる作業です。
 このお陰で大潟草原に野鳥観察に来られた方々が快適に観察が出来ますのでとても感謝しているのですが、もう一つとても有り難い効果があるのです。





 草刈り作業が一段落すると【モズ】がやって来ました。どうやらこの場所を餌の狩場にするようです。
 草を刈ったお陰で獲物が見つけやすくなったようで、ここを基点に何度も何度もロケットのような勢いで獲物を捕らえにいく様子を観察することが出来ました。




 高性能な連写機能があればもっと迫力のある画像が見られたことと思いますが、【モズ】が獲物目がけてスゴイ勢いで飛び出していく様子がお分かり頂けるかと思います。杭の上ではクリッとした目が愛らしい印象ですが、その目がガラリと変わったように見えませんか?

 この【モズ】は杭の上から草刈りが終わった範囲を見渡して、獲物を見つけたら一直線に飛んでいき、そこで獲物を捕らえると咥えたままこの杭に戻ってきてここで食事をする。嘴に付いた汚れを拭ってはまた獲物を探す。見つけては飛び込み・・・この繰り返しを延々と続けていました。

 この充実した観察が出来たのもボランティアで草刈り作業を行ってくれた管理員さんのお陰です!!ありがとうございます。



 獲物が見つけやすくなって【モズ】に感謝され、その【モズ】が餌を捉えるシーンを何度も何度も観察できて私も大感謝。更にはこの時来館された方も一緒にこのシーンを観察して大喜び!!満足していただけたようです^^


 本来の業務でも緻密なデータをキチンと整理して報告していただいて感謝しているのですが、こうした環境整備に汗を流し、その他にも様々な分野で大活躍していただいています。
 私たちの業務は自然保護官やアクティブレンジャーだけではとてもとてもこなすことは出来ません。各地で支えて下さる方々の力による部分もとっても大きいのです。国指定鳥獣保護区では「鳥獣保護区管理員」さんが大活躍してくれています。


 皆さんの周りでも草刈り作業行われていませんか?そこに野鳥や動物たちはやって来ていませんか?そこが安全な場所ならば”観察”をする絶好のチャンスですよ!!

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2011年06月14日観察会を実施していて思うこと

秋田 足利 直哉

 昨日は、日曜日に実施した自然観察会の実施報告をしました。この観察会でもそうでしたが、これまで実施してきた森吉での自然観察会でも大潟での野鳥観察会でも、普段あまり見つからないような生きもの、昨日まで居なかったはずの生きものが見つかることがよくあります。
 例を挙げると、5月の大潟での野鳥観察会ではこの時、今季初のシマアジを観察することが出来ました。見つかった場所は普段から管理員さんも私も巡視・調査している場所なので見落としとは思えないのですが・・・それでも確かに昨日まで見つかっていなかった種が見つかりました。
 そんな事が先日の桃洞滝コースで実施した自然観察会でもありましたので今日はその話をしようと思います。



 【エゾハルゼミ】です。セミと言えば木の幹で大音量の鳴き声を上げている様子を思い浮かべる方も多いかと思いますが、実際には足下の草の上で音も出さずに静かに過ごしている個体も結構見つかります。
 この日は足下に咲いている花々を観察していたとは言え、沢山の【エゾハルゼミ】を観察することが出来ました。雌雄の違いや、胸や腹の動きなどじっくりと観察しました。



 【ヤマアカガエル】と【クロサンショウウオ】が卵を産み落とした池では沢山のオタマジャクシ達がいました。
 その中から【クロサンショウウオ】の幼生を探すのはなかなか大変な作業なのですが、この時は参加された方が『あそこにちょっと違うのがいない?』と短時間で見つけてくれました。せっかくなので、幼生とオタマジャクシには悪いことをしましたが、ちょっと小さな器の中に移ってもらってじっくり観察させてもらいました。
 ちなみに大きくて黒いのが【ヤマアカガエル】(だと思います・・)のオタマジャクシで小さくて褐色で足があって前足の付け根に平衡桿(へいこうかん)があるのが【クロサンショウウオ】の幼生です。



 包接する【モリアオガエル】です。太陽が照りつける日中にこの様に産卵準備をしている【モリアオガエル】を見ることは稀だと思うのですが・・・恐らくこのペアは全参加者&スタッフが観察したことと思います。しかも背後にはこれから始まる産卵時に自分も参加しようと目論んでいるらしきオス♂個体もいました。
 このペア達はプライバシーを覗かれて嫌な思いをしたかも知れませんが参加者は大喜びだったようです。



 ブナの幹に止まっていた【イボタガ】です。私もお目にかかるのは2度目。こんな見やすい位置で見たのは初めてでした。
 森吉山野生鳥獣センターに【イボタガ】の写真を展示してあるのですが、『こんなのよく見つけるよね?』っていう声を耳にすることもあります。正面から見るともっと実感できるのですがそれは参加された方々の特権と言うことで^^
 中には、ブナの幹に止まる【イボタガ】のあまりに見事な擬態に直ぐ近くで見ているのに『えっ?どこ?何処にいるの?』と至近距離まで顔を近づける人もいましたので、見慣れない方には、本当に見つけにくいんだろうなと思います。



 この様に・・普段は見つけるのに時間が掛かるものであったり、なかなか見つけにくいものであったり、滅多に逢えない生きものと逢うことが出来たりと観察会で眼の数が増えていることによって出会いが増えることを私は観察会効果だと思っています。
 この効果を生み出すのは、講師が普段以上に注意を払って辺りを見ていることと、参加されている方々が様々な興味の元に津々と見つめているので普段とは違う沢山の視点だと思います。これが相まって貴重な出会いが生まれているのだと感じています。


 この後も森吉山野生鳥獣センター運営協議会主催の観察会がありますし、各地で同様の観察会が開催されます。皆様も参加されてみてはいかがでしょうか??



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2011年06月14日生きるために

仙台 鎌田 和子

東日本大震災から3ヶ月が過ぎました。被災した皆さんにとって「あれから何日、何ヶ月」と数えながら、ふりかえり、ふりかえり、そして前をみつめて心の傷を治療しているような気がします。

国指定仙台海浜鳥獣保護区を巡視してきましたので報告します。5月末に台風と大潮が重なり、蒲生干潟の北側にある小高い松林の端は随分波に削られてしまい、前回の巡視の際には、砂浜の漂着物が片付けられていたのに、新たに大量の漂着物が海岸を埋め尽くしていました。これは、嵐の都度繰り返されるのかもしれません。


昨年9月から3月はじめまで観察されていたミヤコドリですが、震災以来観察できていませんでした。越冬のために飛来していたはずなので、夏場はいないのは当然なのですが、・・・・・

せっせと、干潟で好物のイソシジミを探しています。蒲生干潟で越冬した個体なのかは?ですが、何となく勝手知ったる感じです。繁殖地に行きそびれたのでしょうか?それとも、好物の貝が沢山あるからでしょうか?


その側では、ウミネコがご馳走にありついています。アシハラガニのようです。
どちらも生きるために食事をしている光景を観察していると、、「縁の下の力持ち」底生生物も頑張っているのではと、想像してしまいます。


蒲生干潟の側にある工場敷地内のサギのコロニーでは、多くのサギが観察されました。
生きるために、食事、繁殖、自然界でもこの3ヶ月、大きな困難を乗り越えようと頑張っているようです。

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2011年06月13日【実施報告】自然観察会『新緑のブナ林を散策・桃洞滝を訪ねる』

秋田 足利 直哉

 事務所のある秋田市内は一日イッパイどんよりとしていたらしいのですが、森吉では天気予報を裏切って、昼前から青空が広がり気持ちの良い天気の中、自然観察会を実施しました。タイトルには『新緑の・・』とあるのですが、この時期は既に『新緑』から『深緑』へと移り変っていて、周囲の森では林床へは陽光が届かないくらい葉が生い茂ってきています。なのでタイトルの『新緑』は『深緑』に置き換えてご覧下さい。



 この観察会には毎年多くの方々にお申し込みいただき、大人数で実施しているのですが今年も定員を上回る38名の皆さんにご参加いただいて実施しました。
 今回も地元で長きにわたって活動しているベテランガイド達に講師をしていただきながら12~14人の3斑に分かれて森吉山野生鳥獣センターから桃洞滝を目指しながら散策しました。
 森吉山野生鳥獣センターは初めてこられる方々は決まって『本当にこの先に建物なんかがあるんだろうか?と心配になった・・』と口を揃えるほど山深い場所にあります。なので出発して直ぐにブナの原生林に足を踏み入れることが出来ます!!


 出発して直ぐにこの景色の中を歩いていくんです。東北を中心に各地にブナの森が広がっては居ますが、いきなりこれだけの豊かな森に入っていける場所は少ないはずです。


 この森には多くの生きものたちがいます。そしてその痕跡も多数見つかります。講師陣も参加された方々も足下の花を見て、樹上のアニマルトラックを見て、遠くの水辺を見て・・と観察に忙しくなかなか前に足が進みませんでした。


 講師陣もそれぞれに豊富なネタを持っているし、参加された方々も強い興味関心を示してくれます。講師陣は『もっと伝えたいネタがあったのに・・』と話していましたし参加された方からも『久しぶりに楽しく勉強することが出来た^^』『今日は色々教えてもらって大収穫だった^^』と言っていただきました。



 ご参加下さいました皆さんどうもありがとうございました。そしてお疲れ様でした。森吉山野生鳥獣センター運営協議会ではこの後も自然観察会を予定しております。またのご参加をお待ちいたしております。


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2011年06月13日新しくなった雄国沼湿原の木道

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 星 彰

皆さん、こんにちは。
裏磐梯ARの星です。

エゾハルゼミの大合唱と共に、裏磐梯は新緑の季節を迎えています。
カッコウやホトトギスなど、高原を代表する鳥たちの声も聞こえてきます。
のんびり、ゆっくりと散策するには丁度良い季節かもしれません。

今回は、木道が新しく付け換えられた雄国沼をご紹介いたします。


【金澤峠からの眺め】6/8

現在、雄国沼では、7月18日(月・祝)まで、マイカー規制が行われています。雄国萩平駐車場~金澤峠まではシャトルバスが運行されていますので、喜多方市側から行かれる方はシャトルバスをご利用ください。北塩原村側の雄子沢登山口からは、1時間ほどで行くことができます。


昨年の秋頃から雄国沼湿原の木道の付け換え工事が行われ、今年は上の写真のようにリニューアルしました。幅が広くなり、歩きやすくなりました。ニッコウキスゲが見頃となる時期でも、木道からの踏み外しや立ち止まって行列ができるなどの心配は無くなるでしょう。安心して湿原散策が楽しめそうです。


雄国沼では有名なレンゲツツジも、だんだんと見頃を迎える時期になりました。その他湿原では、ミツバオウレン、リュウキンカが見頃を迎えていました。ワタスゲの果穂、タテヤマリンドウはまだ少しだけで、今月の中旬~下旬頃に見頃を迎えるのではないでしょうか?ぜひ、ニッコウキスゲのシーズンも併せて、初夏の雄国沼を楽しんでみてはいかがでしょうか?

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2011年06月10日アカゲラの足指

秋田 足利 直哉

 昨日の日記に書いた、森吉山野生鳥獣センターの進入路の件ですが早速、北秋田市に対応していただけまして一方通行と駐車マナーについて告知する看板が設置されました。素早い対応で本当に有り難いです。あとは利用される方々のマナーに期待します。


 震災発生から3ヶ月が経とうとしています。あの日も金曜日でした・・。金曜日に業務で出かける度に思い出します。このところ震災関連の報道も少しずつ減ってきていますが、私たちは忘れることは出来ないはずです。震災直後、『私に何が出来るのか?』色々と考えてこれまで様々な行動をしてこられたことと思います。これからも『今、何が必要か?何が出来るか?』考えて行動していきましょう。


 

 さて、唐突ですが・・・皆さんは横に渡した丸太にぶら下がる時、手指をどう使いますか?丸太の太さにも寄りますが、【アカゲラ】がこの様な体勢で木を突いた場面を観察したのでご報告します。


 キツツキの足指はアルファベットの「X」の形になっていてそれでバランスをとって垂直に立つ木に掴まることが出来ると言うことは皆さんご存じのことと思います。でもキツツキが皆、常にその様にして生活しているはずもなく・・・時に枝に止まったり、地面に降りたりもします。そしてまたこの写真のように枝にぶら下がることだってあります。


 部分的に枯死していた枝にやって来た【アカゲラ】は中に潜む虫を様々な角度から捕らえようとします。
 そうしているうちに、逆さまになって餌を捕らえだしました。実に上手に中の虫を探して捕まえてあっという間に飲み込んでしまうのですが・・・その事よりも足指の使い方が気になりました。
  

 その部分をトリミングしてみました。

 どうですか?皆さんも丸太にぶら下がる時、そんな感じで掴まることを想像しませんでしたか?これを見た私の感想は・・・『【アカゲラ】も同じなんだ~』でした。

 以前この日記で、同じように「X」型の足指配置をすることが出来るミサゴを取り上げて、その時々に応じて「前2後2」の状態から「前3後1」の状態を臨機応変に対応していることをご報告したと思いますが・・・【アカゲラ】も自分の体勢や掴まる木の状態によって様々な足指の使い方をしていることが解りました。野鳥達の適応力ってスゴイですよね??


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