ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

RSS

2010年5月

34件の記事があります。

2010年05月17日白神山地の今を伝える!-暗門-

白神山地 谷口 哲郎

大型連休も明けたと同時に、西目屋村周辺は桜の時期から、一気に新緑の時期に様変わりしました。
大型連休中は来訪者の方で賑わった白神山地も、本格的な新緑のシーズンを迎えています。

特に白神山地の森の中では、連休中の人の賑やかしさから、生き物の賑やかしさに移り変わっています。
4月の雪解け前の静かな森からは想像できないぐらいに、今は、鳥や動物、葉ざわめき、川の流れなどの音が絶え間なく響く、賑やかな森になっています。

巡視によく訪れる「暗門」周辺でも4月河原周辺の雪解けが進み、下記の写真のように2週間足らずで雪がみえなくなりました。
それに伴い、水辺やその周辺においても賑やかしさを増しています。


暗門散策路入り口周辺 上:photo 2010.4.22 下:photo 2010.5.6


・カツラの展葉 photo 2010.5.6



・カワガラス(Cinclus pallasii) photo 2010.5.6

白神山地の入り口である暗門周辺も一時期の賑やかさから、鳥の鳴き声の鳴り響く新緑ブナの森に移り変わっています。
今後もさらに、水辺においても賑わいが増すと思いますが、是非、暗門までお越しの際には、季節の移ろいに耳を傾けてはいかがでしょうか。

---------------------------------------------------------------------------------------------------------------
白神ラインは5月17日現在、アクアグリーンビレッジANMONまで通行可能です。
また、暗門の滝までの散策路についても、現在残雪があるため現在通行止めですが、ブナ林散策路は通行可能で、新緑のブナ林や多くの野鳥の囀りを楽しむことができます。

ページ先頭へ↑

2010年05月17日砂浜のアーティスト?

仙台 鎌田 和子

仙台海浜鳥獣保護区蒲生干潟は5月に入り、潮干狩りの人々が多くなってきています。この季節は、シギ・チドリも多く、人が多いと野鳥が遠慮していまうのではとちょっと心配な季節でもあります。

波打ち際でも、野鳥との出会いはあるのですが、貝殻、流木、木の実などの拾いものをしたくなるのです。皆さんはそんなことありませんか?
今日は、海岸は波打ち際のおもしろいものを見つけたので紹介します。



貝にはこの写真のように穴が開いていることがありますよね。穴を開けた主は、ツメタガイ(巻貝)食事の痕なのです。穴を開けられた貝は、ヒメバカガイですが、仙台海浜の海岸では多く見られる貝です。

でも、穴を開けた主のツメタガイを中々見ることができませんでした。ところが・・・・・

発見!ツメタガイの卵なのですが、これは砂と卵を混ぜ合わせて産卵したものなのです。形が茶碗のような感じなので、砂茶碗といわれています。
二枚貝の中身を食べるために貝に穴を開けたのですがアクセサリーになりそうな貝殻、卵を砂と混ぜておもしろい形のものを作ったりと芸術家のようです。

持ち上げてみました。大きさは7㎝位、感触はプルンプルンとした弾力があります。乾燥したものは、まるでうす焼きゴマ煎餅のようです。これが卵!という感じです。

アサリなど食用貝の食害のもとのツメタガイなのですが、視点を変えると陶芸家にも思える存在です。皆さんのお近くの海岸でも探してみてください。

ページ先頭へ↑

2010年05月14日キビタキに導かれて

秋田 足利 直哉

 愛鳥週間に併せて各地で野鳥の写真展などが開催されているようですね。大潟村の「干拓博物館」でも野鳥をテーマにした企画展が行われているようですよ。お近くに来られる際は是非ご覧下さい。他とはちょっと違った物が見られるかも知れませんよ!



 先日、森吉に巡視に行った際、山麓高原に向かう道路沿いにたくさんの【キビタキ】を見ました。北東北各地への【キビタキ】の飛来は十和田のARも報告してますし、私の日記でも文章でお伝えしていましたが・・・その数たるや!!『【キビタキ】ばっかりじゃん!』と口からこぼれたほど・・・。


 どうやら黄色い羽が鮮やかなオス♂達が一足先にやってきたようで、メス♀の姿は僅かでしたが、オス♂は行っても行っても次から次へと車の前に現れてきたほど!!まるで【キビタキ】に導かれているような錯覚を覚えました。


 頭と背中の羽が黒く凛々しいオス♂成鳥


 こちらは頭と背中に幼羽の残る若いオス♂。


 もう少し標高の低い土地ではGW頃からその姿を見ることが出来ていましたが、ようやくオス♂本隊のご到着と言ったところでしょうか?
 間もなくやって来るメス♀本隊が到着すると森の中では「囀り合戦」が繰り広げられる事でしょう。オス♂達はより良い縄張りを持つための鍔迫り合いをしているのかも知れません。所々で争う姿が見られましたから・・・。
 みんな頑張れ~^^V

ページ先頭へ↑

2010年05月13日安達太良山登山道の点検・補修作業

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 星 彰

ここ最近、裏磐梯では春の訪れと共にヤマザクラの開花が目を引くようになってきました。
檜原湖の周り走る道路沿いでは、ミズバショウも見頃を迎えています。
さらに、キビタキやオオルリなど野鳥の種類もぞくぞくと増えてきているようです!

さて、先日の5月12日(水)に猪苗代町役場、山岳会の方々と合同で、5月16日(日)に山開きを控えた安達太良山の登山道の点検・補修をおこないました。今回実施したルートは、沼尻登山口~障子ヶ岩付近の往復です。

当日は、あいにくの空模様で時折、雨や雪が降るなかの作業となりました。
今年は、4月に何度か雪が降ったためか、例年に比べ雪が多く残っていました。
ところどころ雪になぎ倒された支障木を撤去しつつ、登山道をひたすら進んでいきます。


支障木の処理


徐々に標高が高くなるにつれ、強風・視界不良・雪と、まさに人を拒むかのような荒れ具合の天候となり、予定していた行程を変更し、少し早めに下山することにしました。


天候が荒れる中、危険箇所のロープ張り


荒れる天候、さらに泥だらけで滑りやすい登山道の側には、ささやかなサービスというわけではありませんが、可愛らしいイワナシの花が咲いていました。雨にしたたる姿もなかなか良い感じですね・・・。

最後に、今回ご一緒させていただいた皆様、お疲れ様でした。

ページ先頭へ↑

2010年05月13日激しく!

秋田 足利 直哉

 近頃、野鳥に興味、関心を持つ方が多くなってきているんじゃないか?と感じるている今日この頃です。
 知人達から「○○でこんな鳥を見たよ」とか「こんな声でなく鳥はなに?」と言った質問されるようになってきました。鳥に興味を持つ方々が増えている一つの事例であろうと感じています。



 さて、今日取り上げるのは野鳥の中でも人気が高い【カワセミ】です。
 ここ秋田では綺麗な清流に限らずコンクリートの水路やちょっと濁った水辺にも姿を見せているので観察機会も意外にも多い野鳥です。
 【カワセミ】はその綺麗な外見からバードウォッチャーのみならず多くの方々に知られている野鳥で、某メーカーから販売されている車に「カワセミブルー」なる色の車が発売されるなど、認知度も抜群です。

 この↓写真は【カワセミ】がダイブして小魚を捕らえて飲み込んだ後、身体についた水をはじき飛ばしている時のものですが・・・もしかしたら【カワセミ】のイメージを壊してしまうかも知れません・・・。


 【カワセミ】は外見もさることながら、良く動き回り、その行動も面白く観察していて楽しい野鳥の一つです。その行動を写真で切り取ると、このような一コマにも巡り会えたりします。
 飛び散った水滴からもその動きの激しさを感じることが出来ますよね?


 彼のイメージダウンを最小限に食い止めるために(?)キリリと獲物を狙う姿も載せておきます^^。



 前段の話しに戻りますが、こうした質問をされた際、例え対象が小さくても、ややピントが甘くても写真があるとその後の話がしやすいことがよくあります。その度に写真の力って凄いな~と感じ、今日紹介したようなシーンを見ると写真って面白いな~と感じます。
 そう言えば・・今日も「写真があって良かった!」と思うことがあったな~。


ページ先頭へ↑

2010年05月12日 近くにはいるけど・・

秋田 足利 直哉

 このところ天気予報が良く当たりますね~、今日も予報通り雨です。この雨で森吉等山の雪はドンドン消えていくんでしょうね。今年はどこの山でも「雪が少なかったし、消えるのも早いな~」という声が聞かれます。


 さて、今日も森吉の話題です。既に森吉山野生鳥獣センターへ向かう道路の手前では間伐材の運び出し作業が行われていて通行が可能となっています。しかし今は一般の通行は制限されているのでお断りをして通行させていただきました。


 その道路沿い、寒さを我慢して車を走らせると本当に心地良い鳥の鳴き声がそこかしこから聞こえてきます。キビタキやオオルリの美声にウグイスの囀りの競演は車のエンジン音が煩わしく感じるほど・・・。暫し車を止めて聞き入ってしまいます。
 
 すると時々ヒヨドリのけたたましい鳴き声が混じってきたり、カケスのしゃがれた声が聞こえてきます。これもまた山のBGMとしては欠かせない鳴き声です。今日はそんな【カケス】を取り上げます。


 【カケス】と言えばお馴染み山の野鳥ですが、その姿をじっくりと見る機会は意外にも少ないですよね?どうやら【カケス】は警戒心が人一倍強いらしく、ちょっとした物音でも直ぐに逃げ去ってしまいます。
 ちょっと話題は逸れますが・・・登山道などを歩いていると青い羽根を見つける時がありますよね?私も良く見つけるのですが【カケス】は猛禽類に狙われて捕食される事が多いようです。その為に普段から警戒を怠らないのかも知れませんね?

 先日、久しぶりに【カケス】をカメラのフレームの中に入れることが出来ました。とは言っても・・・ご覧の通り何だか解らない写真ですけど・・・
 

 私の接近に気付いて逃げるところです。


 その時チラッと私を確認した時の写真がコレ!どうにか横顔を見ることが出来ました。

 この後はいつもお馴染みの後ろ姿を見送ったのは言うまでもありません。それにしても鳴き声と飛んで逃げる後ろ姿以外で識別したのは随分と久しぶりだったな・・・。今期は【カケス】をじっくり観察するのが一つの目標です。



ページ先頭へ↑

2010年05月12日オオルリ、キビタキご一行

十和田八幡平国立公園 十和田 種村 由貴

こんにちは。十和田自然保護官事務所の種村です。
もう5月になってしまいましたが、今年度初のAR日記投稿です。
今年度もどうぞ宜しくお願いいたします。


さて、5月の十和田湖では冬鳥であるカモ類の渡りも終わり、夏鳥の季節となりました。コムクドリにウグイス、センダイムシクイ、カラ類も賑やかに囀っております。そんな夏鳥の代表がキビタキとオオルリです。2種ともオスは実に鮮やかな姿をしております。

主に林の中にいるこの2種。芽吹いてきた葉に邪魔され、なかなか間近では見られない印象だったのですが、なんと!!事務所近くにオオルリ、キビタキのご一行様がいらっしゃったのです!

昨日今日とキビタキ、オオルリの目撃が相次いだので、もしかしたら団体様が到着されたのかなと推測されます。しかも人目のつくところでしきりと地面を行ったり来たり。動きもそれほど素早くありません。耳ではなく目で発見する感じです。長旅の疲れでまずは腹ごなし、ということなのでしょうか。

また十和田湖ではまだ桜が咲いておりません。ここ数日の低気温で芽吹きも遅れておりまして、先週末くらいにようやく木々が芽吹きだしました。そのお陰か夏鳥の小鳥たちの姿も非常に見つけやすいです。

セキレイのように間近でオオルリと追いかけっこができるとは、なんて贅沢なんでしょうか。それも国立公園の自然性の高さなのかと感じました。

ピントが甘いのはご容赦下さい。

自然保護官撮影。

11日撮影キビタキ。

ページ先頭へ↑

2010年05月11日コガラの食事

秋田 足利 直哉

 愛鳥週間に併せて実施する「野鳥観察会」の告知をしたいのですが・・・こういうときに限ってアップされるのが遅くなるんですよね。さて、まだ定員には達していませんので今からでも間に合います。お申し込みお待ちしてます。



 さて、今日は久しぶりに森吉の話題。秋田市では既に桜も散ってしまいましたが、こちらはまだ雪の上での野鳥観察です。

 こうして雪が所々に残っている時はすっかり雪が消えた場所の方が野鳥に出会う確率が高いかと思いきや・・・そうでもないことが多いのは個人的な感覚でしょうか?私的には未だ雪が残っている場所と日当たりが良くて花が咲いている場所と針葉樹があって身を隠せる場所などがコンパクトに接している場所に野鳥の姿が多いように感じます。
 こうしたマクロ的な環境も多様化していた方がそこに生息する生物も多様化すると言うことでしょうか?


 と話が逸れましたが・・・【コガラ】が雪の上で餌を探しています。私が見たところ落ち葉や枯れ枝などが集まっている場所のように見えますが、【コガラ】にとっては「餌場」なんですね。
 

 ちょこまかと飛び回って餌を探しています。


 雪の上に餌を見つけたようです。


 カラ類は木の実などを食べる時、その皮を割って食べることが多いようですが、その時の姿勢が何とも言えず愛らしい!!この日記でもこれまでシジュウカラやヒガラでその様子をお伝えしてきました。今日は【コガラ】です。


 木の実を足で押さえて嘴で殻を割っているところのようです。彼(彼女?)の中では此処が殻を割って実を食べる場所と決まっているようで・・何度も何度も雪の上で餌を探して、見つけた餌を持ってこの枝にやって来ていました。


 5月も中旬。いよいよ東北各地の山々も短い夏山シーズン間近です。当事務所でも様々な問い合わせをいただくようになりました。皆さん首を長くして待ってらっしゃるようです。これからは森吉の話題も取り上げていきますのでどうぞよろしく。


ページ先頭へ↑

2010年05月10日はをはむばん

秋田 足利 直哉

 今日から愛鳥週間が始まりました。皆さんは日頃から野鳥はもとより自然を愛して止まない方々だと思うので改まって野鳥愛護を訴えるのも釈迦に説法をするような事になりそうなので・・そこは割愛します。
 さて、当事務所ではその愛鳥週間に併せて「野鳥観察会」を実施します。現在参加者を募集中です。是非お申し込み下さい。
詳しくはこちら



 さて、私の日記も愛鳥週間だから特別ということもなく・・・野鳥のお話し。今日は【バン】を取り上げます。
 タイトルが読みにくくてスミマセン。書き直しますと・・・『葉を食むバン』となります。と言うことで、今日の話題は【バン】の食事風景です。


 西部承水路脇のヤブの中に一羽の【バン】がいました。普段は水辺にいることが多く、土手の上で見るのはちょっと珍しいな~と感じながら観察していると・・・


 ようやく若葉が芽吹いてきたノイバラをムシャムシャと食べ始めました。どうやら他のノイバラの新芽を食べて次ぎのノイバラまで移動している最中に私に見つかってしまったようです。


 現在巷では山菜の時期を迎え、食卓を「春の味覚」が彩る事が多くなっていますが、野鳥達の食事も新芽を食す「春の味覚」が盛りのようです。

 よーく見ていると棘のあるノイバラには必要以上には近づかず伸びた葉を摘むようにして食べていました。見ていると・・柔らかそうなノイバラの葉が美味しそうに見えてくるから不思議です^^。
 
 どうです??【バン】の表情^^。美味そうですよね?


ページ先頭へ↑

2010年05月07日春の乗鞍岳

十和田八幡平国立公園 十和田 嶋村 道

更新が遅くなりましたが、4月27日にスノーシューウォークイベント(十和田ビジターセンター行事)が南八甲田の乗鞍岳(1449m)で開かれ、同行してきました。

右後方に見えるのが乗鞍岳

起点となる猿倉温泉(850m)を8:30に出発し、猿倉岳には登らずに矢櫃橋を経由して乗鞍岳に11:30に登頂してきました。
例年に比べ今年は積雪量が少ないと言われていましたが、4月に下旬になっても寒い日が続いていたため、猿倉温泉周辺の登山道もまだ雪の下に埋もれていました。

矢櫃橋へ行くまでのブナ林にはかなり沢山のクマ棚がありました。クマ棚とは秋にクマがブナの木に登って枝を折ってどんぐりを食べ、折った枝をお尻に敷いていくことによって樹上にできる大きな鳥の巣の様なものです。ブナの幹には登る際のえぐったような細かい爪の跡と、降りる際についた長いひっかき傷が生々しく残っていました。
熊の気配がかなり濃厚な地帯でしたので、入山される方は十分お気をつけ下さい。

クマ棚

雪解けとともに少しずつ見え始めた矢櫃橋を越えると、植生はアオモリトドマツに段々と変わっていきます。標高が1300mを過ぎる頃になれば樹氷も見ることができました。

乗鞍岳山頂

平日にも関わらず多くのスキーヤーも入山していたようで、猿倉岳の東斜面を楽しそうに滑り降りる姿も見受けられました。
山頂からの視界はややかすんでいたものの、北八甲田の山並みや、南の方角には十和田湖の湖面、そしてその遙か遠くには岩手山の姿も確認することができました。

※GW期間中にかなりのスピードで雪解けが進んだと思われます。登山道が部分的に出始めるこれからの時期はルート取りが難しくなります。地図・コンパス等、十分な装備が必要です。

ページ先頭へ↑

ページ先頭へ