ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2008年6月

23件の記事があります。

2008年06月19日入山者カウンター

十和田八幡平国立公園 十和田 村田 野人

 先日、6月18日に北八甲田の主要な登山口の一つである酸ヶ湯に、入山者数を調べるためのカウンターを設置しました。場所は、仙人平への登山口の鳥居の手前と毛無岱への登山口の湯坂の下のところです。
 カウンターは、直径2㎝くらいの金属製の柱にカウンター、バッテリー、太陽光発電パネルをつけた、現代風のトーテムポールみたいな感じの物です。
 急に出現したので驚かれる方も多いと思いますけれども、入山者数を出来るだけ正確に把握したいので、不審に思ってカウンターの前を行ったり来たりしないよう、よろしくお願いいたします。

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2008年06月18日巣立ち雛がいっぱい

秋田 足利 直哉

 今、森吉山麓高原のブナの森には新しい命がたくさん誕生しています。特に野鳥たちは今年生まれの雛たちが巣立った直後のようで、森の中は小鳥たちの鳴き声で充ち満ちています。
 この日は、色んな小鳥たちが混じり合って群れを形成する「混群」が見られるお気に入りのコースを歩いてきました。そしてその中で【シジュウカラ】と【ヤマガラ】の巣立ち直後の雛たちを見つけました。『幼鳥』と呼ぶにしてもあまりに幼い彼らは一見しただけでは何の種類なのか判別するのが難しかったです。近くに親鳥が付いている場合は良いのですが、雛だけで居た場合は『ん??』って感じです。親鳥に比べて全体的に色が淡く、目立つはずの特徴ある羽もまだ不鮮明でした。


【シジュウカラ】の巣立ち雛


【ヤマガラ】の巣立ち雛


 巣立ち直後の雛も混群に混じって一生懸命親鳥の後を追いかけていました。彼らはこうして集団の中で成長していくのでしょう。


-追記-
 森吉山野生鳥獣センターでは今年度のオープンに併せてAEDを設置いたしました。そして昨日、地元の北秋田市消防本部にお願いして森吉山野生鳥獣センター関係者全員で救命講習会を実施いたしました。
 森吉山麓高原エリア内では唯一のAED設置施設だそうです。万が一の場合「森吉山野生鳥獣センターに行けばAEDがある!」と覚えて下さい。

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2008年06月18日【実施報告】山野の花を楽しむ白地山トレッキング

十和田八幡平国立公園 十和田 持塚 陽子

6/14(土)、十和田自然保護官事務所では、自然観察会を開催しました。
前日は強雨の上に雷、雹、津軽では竜巻まで起きたすごい天気でした。
開催が危ぶまれましたが、当日の天気は曇りという予報だったので、開催することとしました。

が、当日の早朝、目が覚めるとザザーとすごい雨の音。
集合時間にはやんでいましたが、直前まで大雨が降ったこと、まだ降ったりやんだりしていたこともあったので、楽しみにしていた白地山(※1)登山を断念し、十和田湖の西湖畔を歩くこととしました。
(※1)白地山とは十和田湖の西側にある外輪山の一つです。

参加者の皆さんからは、「雨で登山ができなくて本当に残念だ」という声をたくさん聞きました。でも、湖畔沿いの歩道はあまり多くの人が歩いていない歩道で、存在を知らなかった人も多く、「湖畔沿いの散策も楽しかった」という感想も聞かれました。



この写真は西湖畔の歩道の様子です。
緑の深い、ひっそりと静かな林の中のように思えますが、実はすぐ近くを車道が通っているんです。
時々日が差したりする湖畔を、オオハナウドやホオノキ、トチノキの花などを観察しながら散策しました。

当日、参加者の皆さんに是非見せたかった白地山の花を、少しだけご紹介します。
6/10に行った下見では、シラネアオイやツバメオモト、サンカヨウ、山頂付近に広がる白地湿地帯ではヒナザクラ、ミツバオウレン、イワイチョウなどの花々が風に揺られていました。




ツバメオモト

これらの花々と十和田湖の景色を、参加者の皆さんと一緒に楽しめなかったのが本当に残念です…!

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2008年06月16日巣の再利用

秋田 足利 直哉

 土曜日の地震を受けて、管内の安全確認をしています。今のところ大潟草原は全域で安全確認が終了しています。森吉は森吉山野生鳥獣センターとそこまでのアクセス道路での安全確認は終了しましたが、各登山道などの安全確認が出来ていません。地震で地盤がゆるんでいる可能性もありますので、安全を確認してから行動するようにして下さい。また今後の余震や雨にも注意が必要です!!

 随分前になりますがこの日記で大潟に生息するアカゲラの事を描きました。大潟にはアカゲラとコゲラの2種類のキツツキが生息していますがその彼ら(主にアカゲラ)の作った巣穴が他の鳥たちに再利用されています。
 先日巡視した際にアカゲラが棲む林を丹念に見たのですが、その時アカゲラが使った巣穴を再利用している【コムクドリ】を見ました。



 見つけたときはオスの【コムクドリ】が穴から顔を出して周囲を見渡している場面でした。急いでカメラを構えて撮影しましたが、なかなか飛び出しません。何度も何度も右見て、左見て、正面も上空も遠くも見て用心に用心を重ねて飛び出しました。しばらくするとそのオスが直ぐに戻ってきました。



 戻ってきたオスは何か加えていたようでした。その後このオスは何度も何度も同じ行動を繰り返していました。この巣の中は今、どんな状況なのでしょうか?私は卵を抱いたメスがいるものと想像しているのですが・・・実際はどうなのでしょう?この記事を書きながらまた気になってきました。

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2008年06月15日高山植物に魅せられる観光客の後方で

十和田八幡平国立公園 鹿角 大堀 拓

 記録的少なかった積雪量のせいでしょうか? それとも地球温暖化の影響なのでしょうか? 今年の山の花の開花は大変早いように感じられます。八幡平から秋田駒ヶ岳にかけては、このところ高山植物をもとめる方がたくさん訪れるようになりました。そんな時に歩道の脇でかがんで一心に作業に打ち込んでいる集団を見かけることがあると思います。「一体何をしているのか」と怪訝な表情で観光客が通り過ぎます。

八幡平では貴重な高層湿原帯まであと一歩というところまで迫った外来植物群の駆除に八幡平地区パークボランティアのメンバーが取り組んでいます。
秋田駒ヶ岳では一部のカメラマンなどの踏み込みで破壊された火山砂礫帯の植物帯を守る防護ネットを南八幡平地区パークボランティアが張り直しているのです。もうしばらくで八幡沼湿原の水面にミツガシワの白花が映り、秋田駒ヶ岳の大焼砂の斜面にピンクのコマクサが咲き誇ると思いますが、この自然環境を守るための地道な作業が毎年続けられているのです。

八幡平の核心部、八幡沼手前でのセイヨウタンポポ除去作業

風雨の中で秋田駒ヶ岳の焼森周辺でのネット張り直し作業

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2008年06月11日コジュリンの白斑

秋田 足利 直哉

 先日、大潟草原へ巡視に行ってきました。草原には【コジュリン】【オオジュリン】【ホオアカ】などの姿が見られます。彼らの警戒心はとても強く、直ぐに草の中に潜り込んでしまうので、じっくり観察するのはなかなか難しいことです。じっと構えて、飛び上がった個体が居たらその方向を!鳴き声が聞こえたらその方向を!と言った具合に観察を重ねていきます。

 この日、目立ったのは【コジュリン♂】で、広い草地の各所で観察できました。ある時、鳴き声が聞こえたのでその方向へ双眼鏡を向けるとちょっと変わった個体を見かけました。
 


 随分トリミングしましたので粗くなってしまっていますが、目の後ろの白いラインがクッキリと確認できるかと思います。
 彼のお気に入りの場所と思しき草の上で盛んに囀る声は【コジュリン】の様でしたが、この白いラインがひっかかります・・・。
 事務所に戻って調べてみましたら、【コジュリン♂】には白い斑を持つ個体が居るようです。そう言えばこれまでにも、頭部が真っ黒ではなく、僅かに白い羽が見られる個体を観察していました。

 ↓これまで見た個体の中で白い羽がある個体の写真を集めてみました。





 とはいえ・・これまで見た個体はどれも『斑』を訓読みした時の読み方にぴったりの『まだら』な『ぶち』模様が僅かに確認できる程度で、クッキリとしたライン状の模様とは、遠くかけ離れています。図鑑などを調べても1枚目の写真のような個体は見当たりません・・・。

 どうやら、かなり個性的な個体を観察したようです。彼の場合は『白斑』としたタイトルも『白線』に変更した方が適切かも知れませんね?

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2008年06月11日スズメの親子

仙台 三宅 源行

仙台アクティブレンジャーの三宅です。

小鳥のヒナの巣立ちシーズンが始まったようですね。

スズメのヒナが親鳥にご飯をねだっていました。

左側がヒナ、右側が親鳥

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2008年06月10日私的にはスクープです!

秋田 足利 直哉

 昨日の日記で週末の観察会の様子をお伝えしました。そこでチラッと触れましたがその観察会ではモリアオガエルが今まさに産卵をしている場面をみんなで観察しました。今日はその場面を紹介します。私的には念願のシーンでしたし、かなりのスクープだと思っているのですが・・・。





 先ずはモリアオガエルが地上にて産卵しているシーンです。下の写真はその様子をアップにしてみました。
 この光景を見たとき同時にいくつもの驚きを感じました。その驚きとは・・・
①モリアオガエルが木ではなく地面で産卵していたこと。
②モリアオガエルのオス(上にいる個体)が黒かったこと。
③この時の時間は午前11時、そんな時間に産卵していたこと。

 私のイメージは「朝早い時間に、ブナなどの枝に産卵のために登った体の大きなメスに、体の小さなオスが何匹か群がって枝にぶら下がるような形で産卵をする。」だったのですが・・・
 ↓こんな感じの・・・ 


 産卵の様子を葉の裏側からしか見られなかったのでちょっと分かりにくい写真ではありますが、こちらの光景が私のイメージとほぼ重なります。(時間を除いて・・)

 それにしてもかねてから切望していたシーンを初めて観察できたと思ったら同時に2つの産卵風景に出くわすなんて・・しかも全く異なる場所で産卵する場面を見られたなんて、なんというラッキーでしょうか!!私的には大大スクープです!!

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2008年06月09日【実施報告】自然観察会「新緑のブナ林を散策・桃洞滝を訪ねる」

秋田 足利 直哉

 昨日、快晴の森吉山麓高原にて自然観察会を実施しました。今回、観察会を行うコースが人気の桃洞滝を訪ねるコースと云うこと、募集に際して各機関から多大なご協力を頂いたこと等から過去最多、59名の参加を得ました。
 予定した人数を大きく上回った事から急遽講師をもう一方お願いして4名、それに鳥獣保護区管理員と我々秋田自然保護官事務所から3名の計8名のスタッフで行いました。

 コース周辺にあるブナの新緑はだいぶ深まり、青々としていてタイトルと異なる状況になっていましたが、それがかえって日差しを和らげ、清々しさを増幅し、快適な観察会を演出してくれました。



 開放的な森吉山野生鳥獣センター周辺から、ブナの森へ踏み込むと直ぐに『気持ちいいね~』と声を掛けて下さった男性がいました。私も「ホント、気持ちいいですよね?」と返すと『もうこれだけで来て良かったと思うよ!』と、とっても良い表情で言って下さいました。



 途中には観察スポットがいっぱいでした。足下も、見上げた樹上にも花が咲きほこり、あたりにはキビタキやヒガラの鳴き声が響き渡り、池にはクロサンショウウオの卵嚢やヤマアカガエルのオタマジャクシ、歩道から見える渓谷のイワナの群れ・・・
 この日は超ラッキーなことに私が以前この日記で紹介したモリアオガエルの卵塊が毎年見られる池で、今まさに産卵中のモリアオガエルを観察できました。それも2組!!ひと組は地上で産卵中!もうひと組はブナの枝で産卵中でした。参加者のある女性は『凄いものが見られた!今日来て良かった!嬉しい!!』と私をぽんぽんと叩いて興奮してました。

 コースの終盤は渓谷にそって歩きます。長靴を履いている方は水の中をバシャバシャと歩き、『こんなことするの何年ぶりだろう?』と童心に返っている様子!他の皆さんも目的地が近づき、益々元気になっていました。



 滝をいつまでも眺めていたい衝動に堪えて、後ろ髪を引かれながら帰路につきます。
 渓谷沿いで昼食をとりましたが、そこを流れる風やマイナスイオンが味付けに一役買っていたことでしょう!皆さん美味しそうに食べてました。

 帰路も同じ道を通るのですが講師の方々に工夫していただき帰り道も色んな観察をして全員無事に森吉山野生鳥獣センターへ到着しました。

 閉会後皆さんを見送ったときに『次も楽しみにしてます』と言って頂き、我々も「今日の観察会をやって良かった」とホントにイイ一日を過ごしました。

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2008年06月05日ミソサザイとカワガラス

秋田 足利 直哉

 先日、この日記で紹介した安の滝歩道は渓谷沿いに遊歩道が続き、アップダウンも少なく、快適に滝まで行くことが出来ることで人気のコースです。しかもコース周辺は花盛りで更に気分良く歩けますし、鳥たちの澄んだ鳴き声が更に更に良い気持ちにさせてくれます。

 しかし、この時期になると木々の葉が茂ってきて鳥たちの姿を見つけるのが難しくなります。『ヒガラの声が直ぐ近くで聞こえるんだけどな~』『ヒタキ類の鳴き声だと思うんだけど・・姿が見れれば・・』なんてもどかしさを感じることもしばしばです。
 でも流れの上は木も少なく水辺が好きな山の鳥たちを観察することが出来ます。その代表が【ミソサザイ】と【カワガラス】です。



 【ミソサザイ】まだ単独で行動しているようでした。もうすぐペアとなる頃だと思うのですが・・・そうなるとまた更に活発に動き回って、観察する機会も増えてきそうです。


 【カワガラス】こちらも単独行動でした。ミソサザイに比べて体が大きい上に、鳴きながら渓谷上を飛ぶので見つけやすい種だと思います。

 見た目には地味なこの2種類ですが、スコープでよく観察するとミソサザイの細かな羽の模様が見れたり、カワガラスが盛んにまばたきをした際の白い瞼が見られますよ!!

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