ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2015年7月

18件の記事があります。

2015年07月16日森吉山野生鳥獣センター 7月の企画展

秋田 足利 直哉

 このところ、夜明前後や日没前後を中心に森吉山野生鳥獣センター周辺や上空を大音量で鳴きながら忙しく飛び回る鳥がいます。秋田自然保護官事務所が担当するもう一つの鳥獣保護区である大潟草原鳥獣保護区では割とよく見る野鳥でしたが森吉山鳥獣保護区での確認は初めて・・・最初に鳴き声を聞いたときには特徴的な鳴き声にもかかわらず耳を疑いました・・。

 其の鳥の正体は『オオジシギ』で、ディスプレイフライトと呼ばれる行動を繰り返し見せています。かなりのスピードで飛び回り、急降下したりしています。

 

 そんな観察が出来る森吉山野生鳥獣センターの今月の展示。

 一つ目は地元の「もりよし写真クラブ」会員等が撮影した森吉山やその周辺の自然写真を集めた写真展『森吉の四季』です。

   

 二つ目は、野鳥観察のための野鳥イラスト展『奥森吉で観察できる野鳥の難易度ランキング』です。イラスト作家は私足利で、森吉山野生鳥獣センターを起点にハイキング等をする際に観察可能な野鳥を私の独断と偏見で5段階の難易度に分け、そのランク毎に野鳥のイラストを展示し、観察の際のポイントなども分かるような表示もしています。

 ハイキングをされて森吉山野生鳥獣センターに帰着されたお客さん達が、時々『こんな野鳥がいた』という情報を教えてくれます。そんな時、その特長からこの野鳥かな?なんて見当を付けてもらえたら!と思って開催してます。

  


 私足利のイラストを使ったものとして、森吉山野生鳥獣センター起点のハイキングコース等を紹介しているイラストマップも好評につき引き続き展示中です。希望される方にはコピーもお渡ししてますので是非、お手にとってご覧ください。

  

 このほか、谷口重光さんの作品展も引き続き展示中ですし、夏休みに突入するタイミングであらたか展示も予定してます。もしよかったら森吉山野生鳥獣センターにお越しいただいて館内の展示もごゆっくりご覧ください!!

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2015年07月13日ペア-レ大仙 『チュウヒの生態を学びましょう』

秋田 足利 直哉

 梅雨のまっただ中であるはずの七夕の日。きっと織姫と彦星は楽しい時間を過ごせただろうな~なんて想像が出来るくらいの快晴の下、ペア-レ大仙の地域文化講座の野鳥観察講座を受講されている皆さんが大潟草原鳥獣保護区に来て、チュウヒをテーマにした野鳥学習会&野鳥観察会を実施するということで、その対応に行ってきました。

  

 午前中は、大潟草原野鳥観察舎でチュウヒの学習会。イラストや映像資料などを使ってチュウヒの特長や繁殖生態などを学習。昼食を挟んで午後は観察舎の2階でチュウヒ観察会を実施しました。

 チュウヒはその生態も独特で見た目も魅力的ですから学習意欲も高まります.飛翔スピードも緩やかですし、今は繁殖期に当たるため出現頻度も高くなっているため観察もしやすいので、タイムリーかつ素晴らしい企画だと思いました。

 

 この日、撮影したものではありませんが・・・今年大潟村内で繁殖活動中のチュウヒのペアが巣上空付近で雛に与えるための獲物を受け渡すシーンです。上に居るのがオス♂で下で受け取ろうとしているのがメス♀です。この時の獲物はネズミでした(長いしっぽが確認できるかと思います。)。

 この時もチュウヒのペアが何度も姿を見せてくれました。あっという間に遙か上空まで達する飛翔能力やペアが一緒に飛ぶ様子も観察できました。

  

 現在、観察舎2階からはサギのコロニーも観察できます。チュウヒを待っている間には、コロニーの観察をしていました。ここではアオサギ・ゴイサギ・ダイサギ・チュウサギ・コサギの5種類のサギが繁殖活動を行っています。特に白いサギ3種が同時に繁殖活動を行っている様子は一見の価値ありです!!!

  
 このところ大潟中学校の総合学習やペア-レ大仙の学習会など大潟草原鳥獣保護区をご利用くださる団体が増えております。引き続きこうした利用について対応していきたいと考えておりますので、ご要望やお問い合わせは秋田自然保護官事務所(電話018-867-8588)まで。

 

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2015年07月10日八幡平外来植物駆除キャンペーン

十和田八幡平国立公園 鹿角 高橋 孝貴

八幡平を美しくする会八幡平支部・鹿角市・八幡平市主催の八幡平外来植物駆除キャンペーンが開催されました。晴天の中、鹿角市・八幡平市の中学生の皆さん、協力団体の皆さんが多数参加し、見返峠近くの車道や歩道、駐車場周辺に生育しているセイヨウタンポポとフランスギクを対象として駆除作業を行いました。

開会式の後、グループに分かれてそれぞれの担当コースに移動し、駆除作業開始です。

樹海ライン周辺(見返峠付近)作業の様子

見返峠西側有料駐車場周辺作業の様子

車道や駐車場では通過する車に十分注意しながら駆除作業を行いました。中学生の皆さんが八幡平地区パークボランティアさんたちからサポートを受け、積極的に駆除作業を進めてくれている姿が印象に残っています。


広範囲に侵入してきている外来植物の駆除には、このキャンペーンのように多くの方々の協力をいただいて一斉に作業を行うことが大切と思います。ご参加の皆さん、お疲れ様でした。

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2015年07月06日大潟中学校 総合学習のフィールドワーク

秋田 足利 直哉

 7月2日(木)、大潟中学校の総合学習の時間、大潟中学校3年生の生徒3人が大潟草原野鳥観察舎に勉強しに来てくれました。

  

 この日の授業は、生徒自身が興味を持ち、自ら学びたいテーマに合わせて、県内各地(大潟村内に止まらず秋田市内や由利本荘市まで行った生徒もいるとか・・)の施設を見学したり、そこに携わる職員にインタビューするというものだったようで、大潟草原野鳥観察舎には、『大潟村の農業と自然や野鳥の関係について』というテーマで、学習に取り組んでいる3人の生徒達が来てくれました。

 事前のやりとりの中で、『どんな事を質問するのか?もし準備しているのであれば、教えて欲しい。』と伝えていたところ、届いた質問は簡単に答えられそうもなく、私の手には余る物もあったので小笠原保護官にも手伝っていただき、私が回答できそうな物でもきちっと資料等に目を通しておく必要のある物ばかりで、事前準備にも力が入っていました。

 大潟村の主幹産業である農業と広大な農地やその周辺に生息する野鳥との関わりについて興味を持ってくれたのは嬉しい事です。私が回答する度に頷いたりしながら、しっかりとメモを取っていたのが印象的でした。

    

 学校から届いた文書には、大潟中学校では「未来を支える ~私達の提言~」のテーマのもと、生徒一人一人が仮題を設定し。課題解決を図る総合的な学習を展開中です。」とあります。

 この日来てくれた生徒さん達が私へのインタビューで課題を整理する情報が得られたのか?課題解決への糸口が見いだせたのか?・・・とっても気になるところです。そしてどのような解決方法を導き出すのか?私も興味津々です!!そして・・もし発表の機会があるのであれば是非、聞いてみたいと思っています。

 

 

 インタビューは1時間余りで終了。その後は観察舎2階で野鳥観察をしました。野鳥にも興味を持ってくれていて、色々な野鳥を知っているので、そこにいるのはトビかチュウヒかなんて全く説明は不要でした。。

 この日はチュウヒが何度も現れた上、観察しやすい枝にじっと止まるなど随分とサービスしてくれたように思います。生徒さん達は持参したデジカメを望遠鏡の見口部分に押し当てて、愛想の良いチュウヒの写真を何枚も撮っていました。また飛んでるチュウヒを観察しながら『わ~、超V』とチュウヒの飛行姿勢をしっかりと捉えつつ、今時の中学生らしい(?)表現で感想を言ってました。

 

 ※V字姿勢で飛ぶチュウヒ

 

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2015年07月06日〝国指定重要文化財 天鏡閣〟にてアクティブ・レンジャー写真展開催中!

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 渡部 のり子

みなさんこんにちは。

裏磐梯の渡部です。

裏磐梯も雨の日が多く、梅雨らしい天気が続いています。

     

さて、今回はアクティブ・レンジャー写真展の開催案内です。

毎年、裏磐梯自然保護官事務所では管内のビジターセンターや自然を案内する施設で写真展を開催してきました。

今年はビジターセンターを飛び出し、猪苗代湖畔にある『国指定重要文化財 天鏡閣』にて〝東北アクティブ・レンジャー写真展-四季-〟を開催しています!

天鏡閣にお立ち寄りの際はぜひ、写真展の方もご覧になっていただければと思います。

       

写真:天鏡閣

       

さて、今回写真展を開催している天鏡閣ですが、こちらの建物も磐梯朝日国立公園内にあります。

天鏡閣は明治40年に有栖川宮威仁親王殿下(ありすがわのみやたけひとしんのうでんか)が東北地方を訪れた際、その風光の美しさを賞され、御別邸を建てられました。猪苗代湖が鏡のように見えたことから『天鏡閣』と名付けられ、李白の句『明湖落天鏡』に由来しているそうです。

現在は、国指定重要文化財として保護され、福島県が管理を行っています。

       

1階食堂(写真展開催中)

             

明治の時代、その風光の美しさから御別邸を建てられたとのこと。

これからもその美しい風景や自然の営みを次の世代に引き継いでいけるよう、

国立公園としても、美しい自然を守っていかなければと感じました。

        

今回、写真展を開催している天鏡閣では「ドレスの試着」や「ロイヤルティー&スイーツ」なども楽しむことができるそうです!

明治時代の優雅な雰囲気を楽しみながら、私達アクティブ・レンジャーが撮影した四季の美しい写真も同時に楽しんで頂きたいと思います。

       

1階廊下(アクティブ・レンジャーの仕事を紹介)

        

最後に天鏡閣についてですが、入館料が必要となりますので事前にお確かめの上お越しいただければと思います。

天鏡閣ホームページ http://www.tif.ne.jp/soumu/tenkyokaku.htm

     
天鏡閣でのアクティブ・レンジャー写真展は7月末まで開催中です。

皆様、ぜひお越しください!

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2015年07月02日森吉山ダム広報館でAR写真展始まりました

秋田 足利 直哉

 森吉山ダム広報館にて、アクティブレンジャー写真展が始まりました。秋田自然保護官事務所管内では今期最初のアクティブレンジャー写真展です。

 開催期間は7月1日(水)~7月31日(金)の1ヶ月間です。森吉山ダム広報館の開館は午前9時から午後4時までで、休館日は毎週水曜日です。

  

 

   

 今期の東北アクティブレンジャー写真展のタイトルは『東北の自然~四季~』です。各アクティブレンジャーが業務中に撮影した、春・夏・秋・冬それぞれ所管地の特長的な景勝地やいきものの写真を展示してます。

 これまでよりも1回に展示する写真の点数が多くなって写真展もボリュームアップしましたが、展示作業もボリュームアップしてなかなか大変でした・・・。森吉山ダム広報館のいつものスペースにボードも写真も所狭しと並んでますので是非ご覧ください。

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2015年07月02日高山植物盗採防止合同パトロール

十和田八幡平国立公園 鹿角 高橋 孝貴

6月下旬、岩手県・秋田県の関係機関およびパークボランティアの皆さんにご協力いただき、八幡平と秋田駒ヶ岳で高山植物盗採防止合同パトロールを実施しました。各県毎のコースに分かれてパトロールし、合流して各コースの状況報告・意見交換を行いました。

八幡平・パトロール状況

八幡平・キヌガサソウ盗掘跡

今回、八幡平ではキヌガサソウの盗掘跡と思われる場所が1箇所見つかりました。

秋田駒ヶ岳・パトロール状況

秋田駒ヶ岳・ハクサンチドリ盗掘跡

秋田駒ヶ岳では、ハクサンチドリの盗掘跡と思われる場所が3箇所ほど見受けられました。

秋田駒ヶ岳・踏み込み跡

また、八幡平・秋田駒ヶ岳ともに、写真撮影のためと思われる歩道外への踏み込み跡が数箇所ありました。



今回、こうした痕跡が見受けられたのはとても残念なことです。高山植物は現地に生育しているままの形で鑑賞するとともに、植生を保護するため、歩道外に踏み込んでの写真撮影は行わないようにしましょう。

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2015年07月01日井戸岳植生復元①

十和田八幡平国立公園 十和田 畑中 亮輔

 皆様ご無沙汰しております。

 十和田自然保護官事務所の畑中です。事務所がある十和田湖では、まだ梅雨入りこそしていませんが、蒸し暑くなってきました。

 さて、6月20日(土)、十和田八甲田地区パークボランティア(PV)の方々を中心に、総勢18名で井戸岳植生復元を行ってきましたので、簡単ではありますがお知らせ致します。

 この植生復元作業は毎回強風との戦いですが、当日は風が弱く作業日和となりました。今回の作業は、植生復元施設の簡易補修ということで、ハンマー等を用いて、雪と寒さの影響で浮き上がってしまった杭等の打ち直し作業を行いました。例年に比べ、浮き上がっている杭が多いように感じられ、PVの方に伺ったところ、今年は雪が少なく、地面が冷えたことが原因ではないかとのことでした。

 この植生復元作業に併せて、資材の運搬、木道の補修及び雪渓に設置したロープの手直し(先週PVの方々で設置)作業も行っていただきました。PVの方々の活躍により快適に登山を楽しんでもらえることと思います。もし、PVの方をお見かけしましたら、「ご苦労様」とお声掛けしていただけると幸いです。


 

左上:資材運搬の様子

右上:木道補修の様子

左下:雪渓に設置したロープ手直しの様子

右下:植生復元作業の様子


 

 また、雪解けが例年より2週間ほど早く、色とりどりの花々が一気に開花しているようでした。景色だけでなく様々な花々を楽しむことができますので、八甲田へ足を運んでいただければと思います。


 

左上:チングルマ

右上:ミヤマオダマキ

左下:ミヤマキンバイ

右下:ゴゼンタチバナ


 

 少し先の話になりますが、今年はこの場所からどんな紅葉が見られるのか今から楽しみです。


 

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