ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2013年9月

17件の記事があります。

2013年09月10日9月の森吉山野生鳥獣センター

秋田 足利 直哉

 9月も早、10日を過ぎました。なんだかあっという間に月日が過ぎていくように感じます。季節の移りも目で見て感じられるようになってきました。花も秋を代表する花々が咲き、木の実が稔り、キノコがあちらこちらで見られます。


 左上から時計回りに①『秋の森の主役キノコ!』②『実りの秋:ミズキの実』③『秋を代表する花、色々なリンドウが咲いてます』④『独特の形!ツリフネソウの花』
 森吉の森、秋は『稔りの秋』を迎えています。


 森吉山野生鳥獣センター館内では『芸術の秋』真っ盛り!!今月の企画展示は秋田県にご協力いただいて『愛鳥週間ポスター絵画展』を実施中です。


 6月の愛鳥週間に合わせて県内各地から応募のあった作品114点を館内各所に展示中です。小学校5年生から中学校3年生までの味のある作品、目を見張るような力作がイッパイです。


 ご覧になった方々も感心しきりです!!『上手いもんだね~』と一枚一枚熱心に見る方も多いようです。
 私も展示作業をしながら一枚一枚しっかりと見ましたが、脱帽する作品が何枚もありました。このまま来年の愛鳥週間のポスターとして使えると思います。



 この他、7月28日(日)に実施した『アーティスト目線で観察会』の参加者が送ってくれた作品5点も展示中です。こちらも葉書サイズの小さな絵画ですが、細かな筆遣いの力作揃いです。
 更には東北アクティブレンジャー写真展『東北の自然 ~いきもの~』も開催中です。東北管内10名のアクティブレンジャーが業務中に撮影した30枚の写真を展示中です。是非ご覧ください!!

 

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2013年09月05日十和田八幡平国立公園パークボランティア合同研修会

十和田八幡平国立公園 十和田 五十嵐 美保子

こんにちは。近頃秋晴れとはほど遠く、雨続きでぱっとしない十和田から先日おこなわれた研修会についてお伝えします。
8月31日~9月1日に十和田八幡平国立公園パークボランティア合同研修会がおこなわれました。今年の合同研修会は南八幡平のパークボランティアの方々に主催者として準備をしていただき、南八幡平地区、八幡平地区、岩手山地区、三陸復興国立公園、十和田八甲田地区から約60名のパークボランティアの方々が参加されました。

講演では日本貝類学会会員の川口洋治氏を講師に迎え、カタツムリについてお話をしていただきました。カタツムリはよく見かける動物ですが、講義を聴いて初めて知ったことがたくさんありました。冬眠時に張る薄い膜にはところどころ呼吸ができるような穴があいていたり、幼貝と成貝の違いは貝の口の部分が反っているか否かで見分けることができたり、カタツムリは貝殻の色や模様では種類を見分けることができない、など興味深いお話を聞けて充実した講演会になりました。


左:成貝  右:幼貝
口の部分が反り返っている

各地区の活動報告では、登山道の整備をメインに植生復元、ロープ補修、ビジターセンターの行事支援など様々な活動についての報告がされました。雪で荒れた山を整備するのは非常に骨の折れることですが、パークボランティアの方々が一生懸命に作業されて登りやすくしてくださっていることに改めて感謝したいです。

次に、実務研修として「体の不自由な方へのガイド方法」を学びました。車いすに乗られている方には同じ目線に立って話すこと、坂道では低い方に車いすを押す人がいること、耳の悪い方には相手の目を見ながら手振り身振りで伝えること、読唇術という口の動きで内容を理解する人もいることを知りました。
また、目の不自由な方へのガイド方法として、2人1組になり、実際に野外で目を閉じた人をもう1人が誘導してみました。目を閉じていると、ちょっとした空気の動き、地面の凹凸が異様に大きく感じられました。誘導する方もちょっとした段差や方向修正をこまめに伝えなければ、相手が恐怖を感じてしまうなどガイドの難しさを体験しました。


実務研修で道路上を誘導している様子

日が変わって、9月1日は秋田駒ヶ岳を八合目から登る予定でしたが、天候に恵まれず、山頂へ登ることはできませんでした。
八合目付近を散策してみると、ノリウツギやウメバチソウの花が霧の中でもきれいに咲いていました。パークボランティアの方からそれらにまつわるお話を聞き、勉強させていただきました。


左上:濃霧で見えにくい秋田駒ヶ岳の八合目  右上:ウメバチソウ
左下:ノリウツギ              右下:エゾシオガマ

南八幡平地区パークボランティア「ホシガラスの会」の皆様、準備等お疲れ様でした。とても充実した研修会になりました。
次回は十和田八甲田地区が主催となります。また充実した研修会になるようがんばりましょう!

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2013年09月04日朝日連峰保全協議会 合同保全作業

磐梯朝日国立公園 羽黒 白銀 顕

 今年度の朝日連峰保全協議会 合同保全作業を8月31日(土)~9月1日(日)の二日間、朝日連峰 古寺鉱泉ルートにある三沢清水下部で実施しました。

 羽黒自然保護官事務所は、同協議会が設立された平成19年より事務局を担っています。
これまでの活動等は下記のページの資料をご覧ください。
http://www.env.go.jp/park/bandai/data/index.html

 山形県では7月17日からの豪雨により各地で斜面が崩れたり断水したりするなどの被害に見舞われました。
 今年度は豪雨後の7月下旬に合同保全作業事前調査を実施し、三沢清水下部に豪雨によると思われる深い浸食を確認しました。浸食箇所によっては人の背丈程もありました。そのため、通行に支障をきたす状況であり、緊急性の高い当該箇所において合同保全作業を実施することになりました。


7月調査時の浸食部の一例
 中央の溝が登山道です。深い浸食と大きな段差→歩きにくい→道の脇を歩く→さらに土砂が削られる→登山道が拡幅といった悪循環が生じることが予想されます。

 今回の作業には、朝日連峰周辺の山岳会や関係機関などの14団体から34名が参加し、作業にあたりました。


作業中の様子

 作業内容は、主に現地の枯損木やササ、参加者の皆さんで荷上げした緑化資材(ヤシ製土のう袋等)を用いて、浸食部に連続して土留工を施工しました。
 土留めを設置することによって、降雨時に登山道に集まって流れる水の流速を落とすとともに、土砂を少しずつ堆積させ、今以上に浸食が進行しないようにします。また、部分的に登山道外に配水する配水工や、土のうを積んだりして歩行路の段差を改善する作業等も行いました。


作業箇所の様子(今はまだ目立ちますが、だんだんと周囲に馴染んでいくはずです)
 作業の二日間は台風の影響がとても心配されましたが、作業中はほとんど雨に当たることなく、朝日連峰を愛する人たちが手を取り合い、力を合わせ、今年度も合同保全活動を行うことができました。
 作業にご参加いただいた皆さん、本当にありがとうございました。
 
 今後、巡視等を通して、土砂の堆積や登山利用者の歩行状況など、作業地の様子をお伝えしていきたいと思います。

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2013年09月02日グリーン復興プロジェクトみちのく潮風トレイルウォーク in 久慈

三陸復興国立公園 宮古 高屋敷 七恵

 前回の日記の続きを書きます。

8月25日(日)は、4つのコースに分かれて実際に開通の想定されている部分を含んだルートを歩きます。
①八戸-海辺の高原・たねさし お花畑と天然芝生を楽しむトレイル 約7㎞
②階上-巨木の王国・はしかみ 里山・里海を楽しむトレイル(階上コース)約7㎞
③洋野-南部もぐりとウニの里・ひろの 海道のロマンを巡るトレイル 約8㎞
④久慈-史跡と海女ちゃんの故郷・くじ 美しい海岸を楽しむトレイル 約10㎞

私は、久慈市のコースを歩きました。

 
 9時に出発セレモニーを行い出発です。ゆるきゃらのさんてつくんとアマリンもかけつけてくれました。三陸鉄道の女性社員の「出発進行!」ピ~っと笛を吹いた合図で、第1班がスタートしました。


 まずは市役所を抜けて、久慈駅へ向かいます。久慈駅では、朝の連続小説ドラマあまちゃんのシーンを交えて、地元の方がガイドしてくださいました。久慈市の歴史や文化にふれあいながら、まちなかを歩き海岸歩道に出ました。
 

 
 海岸歩道には、海からの風がここちよく吹き、美しい海と海に浮かぶ奇岩を見ながら小袖海女センターを目指します。今までも車では何度か通った道ですが、久慈湾対岸に浮かぶ牛島、奇岩「かぶと岩」、「つりがね洞」を歩く事によって初めてじっくりと楽しむ事が出来ました。一緒に歩くうちにいつしか、いろんな人との会話も増え、地元の方々でも、初めて歩いたという方も多く、解説を聞きながら新しい発見があったという方もいらっしゃいました。

 10㎞という距離でしたが久慈の文化、自然、そして人とふれあい、ゴールまであっという間に到着しました。
到着地点では北限の海女で有名な小袖集落の方々に拍手で迎えられ、みなさんが笑顔でゴールです。歩き切った顔は達成感に満ちあふれていました。そして、嬉しいことに参加された全員がリタイアすることなく歩き切きることが出来、大成功です!

 この日の参加者
八戸コース 204名、階上コース 93名、洋野コース 97名、久慈コース 114名
合計508名でした。
イベントにご協力頂きました皆様ありがとうございました。そして、今秋、八戸~久慈の区間が開通した後には、もっと長いコースにチェレンジして頂きたいと思います。

 

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2013年09月02日八幡平地区におけるオオハンゴンソウ駆除

十和田八幡平国立公園 鹿角 阿部 明広

8月28日(水)、八幡平地区パークボランティア「ヒナザクラ会」の皆さんの協力を得て特定外来生物のオオハンゴンソウの駆除作業を行いました。

駆除作業は八幡平の特別保護地区に隣接する車道脇で実施しました。普段は車で通過してしまう所なのですが、歩いてみると道路脇にちらほらとオオハンゴンソウが見え、確実に侵入し、分布拡大していることが実感出来ました。パークボランティアの方が「これは延々と続くオオハンゴンソウとの戦いだな」と話していましたが、まさしくその通りと思いました。
後生掛駐車場からスタートし、延長3㎞にわたる駆除作業は、考えていたよりも多い15㎏ほどの駆除量となりました。

今回駆除したオオハンゴンソウはまだ芽の状態の物が多く、種子をつくる前に駆除することで効果的な駆除になりました。時期を逃さない確実な駆除と地道な継続した作業を引き続き実施していきたいと思います。



作業開始前、八幡平ビジターセンターに勢揃いしたパークボランティアの皆さん、これから駆除作業に出発します。

駆除作業の様子です。
道路の脇の笹藪の中に花が咲いたオオハンゴンソウ発見!ここにも、こっちにもある。と総掛かりで駆除作業が始まりました。


パークボランティアの皆さんは黙々と晴天の駆除作業に汗を流してくれました。

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2013年09月02日グリーン復興プロジェクト みちのく潮風トレイル開通記念プレイベント

三陸復興国立公園 宮古 高屋敷 七恵

 みなさん、こんにちは。 お盆が過ぎ暑さが和らいできました。
さて、今回は週末に開催した「みちのく潮風トレイル」の開通記念プレイベントについて2回に分けて紹介します。

みちのく潮風トレイルとは・・・
東日本大震災からの復興に資するために、環境省で掲げた「グリーン復興プロジェクト」の7つの大きなプログラムのうちの1つで、青森県八戸市の蕪島から、福島県相馬市松川浦までを対象に設定する長距離自然歩道です。
地域の暮らしや文化、震災の爪痕を感じながら歩いて旅をする道で、利用者と地域の人々、南北に長い被災地を結びつけることを目指しています。

 これまでの日記で、久慈市でのワークショップの様子を紹介しましたが、いよいよ開通にむけて一部予定されているルートを、実際に皆さんに体験してもらう日がやってきました。

 8月24日は、地元久慈市と隣町洋野町に協力いただいて、「みちのく潮風トレイル開通記念プレイベントin久慈」を行いました。


 千葉岩手県副知事、山内久慈市長、鈴木俊一衆議院議員、秋野環境大臣政務官、より挨拶がありました。



 
 続いては、一般公募で決定した「みちのく潮風トレイル」。愛称の部で最優秀賞を受賞した「あおぞらさん」への表彰が行われました。環境省白石地球環境審議官より表彰状と花束の贈呈があったあと、あおぞらさんからは、この名前を考えた時の想いがのべられ、会場は拍手に包まれました。
シンボルマークについてはこちら→http://www.tohoku-trail.go.jp/news/view/18

 次は、トレイルに適した歩き方と装備、ファッションの紹介です。
ここでは、地元市役所、役場や、環境省の職員がモデルとなってファッションショーを行いました。
トレッキングシューズや、パンツ、シャツなど、機能性と見た目を兼ね揃えたトレイルアイテムを着こなしたウルトラモデルがポーズを決め、会場が一気に盛り上がりました。

 

 トレイルマークを表現したポーズ、ボルト選手のようなかっこいいポーズ、女の子らしく可愛らしいポーズをきめたウルトラモデル達です!

 ファッションショーが終了すると、この日の最後のプログラム、パネルディスカッションを行いました。「みちのく潮風トレイルのこれからを考える」をテーマに、パネリストが討論をします。パネリストは文教大学国際学部 海津ゆりえ先生、三陸鉄道株式会社代表取締役社長の望月氏、山内久慈市長、日當洋野副町長、株式会社モンベル広報部の半田氏の5名です。コーディネーターは、岩手大学農学部の山本清龍先生です。山本先生は、トレイルの路線検討のワークショップにも何度も参加していただき、みちのく潮風トレイルに関わってきた専門家です。

 



 

 東日本大震災から地域が元気になるようにと復興に向けて、何度も現地に足を運びエコツーリズムを通じて活動をしてくださっている海津先生、地元の生活や、観光の足として三陸鉄道の復旧にご尽力されている望月氏、地元の現状をよく知り、地域住民の代表でもある山内久慈市長、日當洋野副町長、国内外でロングトレイルを経験し、東日本大震災ではアウトドア義援隊に所属して活動してくださった半田氏、それぞれの立場や経験から意見が出されました。

 この日約150名の方が久慈市会場に来場してくださいました。
いよいよ明日は、実際に検討されているルートを歩きます!私達は25日のウォークイベントを楽しみに、この日のプレイベントを終了しました。

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2013年09月02日観察会後の植樹活動

秋田 足利 直哉

 9月に突入。短い夏が終わったとたん、もう秋雨の季節でしょうか?秋田市内は朝から雨が降っています。
 

 今年度は森吉山野生鳥獣センター運営協議会と秋田県が事務局を務める森吉山麓高原自然再生協議会では、森吉山麓で行う自然観察会をお互いに主催共催する体勢で実施してきています。これまでに4回の自然観察会を実施してきたところですが、その都度再生事業の一環として植樹活動も実施してきました。
 観察会の度にこの日記でご報告してきたところですが、6月23日(日)の観察会以降の植樹活動について未報告でしたので、ここでご報告。



 7月7日(日)に開催した『樹木医と歩く森吉の森』の参加者による植樹活動。

 樹木医さんと言えば、こうした植樹も専門領域。これまで何百人もの植樹の様子を見てきましたがその手つきと手際の良さは別格でした。ここでご指導いただいた内容は今日の植樹活動に早速取り入れられています。
 観察会でもそうでしたが、植樹活動でも各方面の専門家の意見を聞きながら事業を実施していくことの大切さを感じた一日でした。


 7月28日(日)に開催した『アーティスト目線で観察会』の参加者による植樹活動。

 あいにくの雨でしたが植樹も楽しみに観察会に参加された方が多かったのがこの回の特徴でした。しかも参加者の大半は地元北秋田市の方々でしたので今後も折を見て森吉山野生鳥獣センターにきて、自分が植樹した木を観察するのが楽しみという声も聞かれました。
 この日は森吉山野生鳥獣センター周辺にあった木の葉をスケッチしましたが、近い将来、成長した苗木を描く機会を持ちたいものだと感じた一日でした!


 8月25日(日)に開催した『森吉山麓カメラ散歩』の参加者による植樹活動。

 講師陣の中に現在自然再生事業が行われているエリアが切り開かれる以前の様子を記憶している方がいて、当時の森の様子を伺いながら思いをはせ、その姿に再生することを願いながら植樹活動を行いました。
 『自分が植えた苗木を定期的に撮影して成長記録をつけるのも面白いね!』なんて声が聞かれ、カメラでのモニタリングもいいかも!と感じた一日でした。

 今後予定している観察会は9月8日(日)と10月20日(日)のあと2回。9月8日の『赤水渓谷で爽快沢歩き』は参加者募集中です。そのいずれの機会でも植樹活動を予定しております。
 また観察会の機会以外でも森吉山麓高原を訪れた機会に植樹活動をしたいという方は同エリアの奥森吉青少年野外活動基地にお越しいただければ、対応していただけるそうです。詳しくは指定管理者のHPをご覧ください。

HPはこちら。http://www.ku-n.jp/kiti.html


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