人工産卵床を用いた駆除を効率よく行うには、産卵場所の推定が効率的です。オオクチバスが産卵床として好む場所は、水底が砂礫質で、周囲に大きな石の側や流木がある環境です。
● 産卵場所を推定するには
- 【底質を調べる】
- 人工産卵床が最も効果的な底質は砂質です。駆除対象の場所に砂質があるか調べましょう。
- 【稚魚の浮上場所を調べる】
- 浮上したばかりのオオクチバスの稚魚(全長25mm以下)が大量に見られる場所が産卵場所だと考えられます。ただし、浮上した稚魚は成長にしたがって徐々に移動をするため、全長25mm以下の稚魚を見つけて、産卵場所の指標としてください。
- 【営巣センサーを利用して調べる】
- オオクチバスの産卵場所の推定や、産卵の確認を簡略化できるものとして、宮城県により「オオクチバス営巣センサー(特許出願中)」が考案されています。この営巣センサーは、人工産卵床に装着する形で使用します。センサーをつけた人工産卵床を試験的に少数設置し、センサーの反応を調べます。センサーがよく反応する場所は繁殖場所と考えられ、人工産卵床の有効な設置場所だと考えられます。
- * 営巣センサーについて
- オオクチバスは、営巣時に底質を掘り起こしたあとに産卵します。卵を保護している親魚のほとんどの個体で尾びれがすり切れています。営巣センサーは、この掘削行動に反応するように設計されています。「オオクチバス営巣センサー」の構造についてはこちらを参照してください。
伊豆沼・内沼では、オオクチバスの産卵場所を推定のため、宮城県内水面水産試験場によりオオクチバスの産卵時期や稚魚の浮上の時期などの生態調査が行われました。伊豆沼・内沼の水底は、大部分が泥で、岸際に一部砂地があります。オオクチバスの繁殖は、泥底では産卵は確認されず、この砂地の部分で確認されています。伊豆沼・内沼では、この産卵場所に人工産卵床を設置しています。