東北地方環境事務所>野生生物の保護管理>ブラックバス駆除マニュアル
ブラックバス駆除マニュアル/目次 /伊豆沼・内沼の現状 /駆除の前に /人工産卵床の製作と設置 /観察と駆除 /稚魚の駆除 /定置網による駆除 /池干しによる駆除 /他地域における取組み /おわりに/
秋田県八郎湖は、八郎潟(面積22,024 ha 、最大水深4.5m、平均水深3m)の干拓後、東部承水路と西部承水路とがつながる調整池で、その面積は約4,800haと広大な面積を誇っています。
八郎湖では、漁業が盛んに行われており、主にワカサギやシラウオ、コイ、フナ、ハゼ科魚類などが漁獲されています。
昭和58年に八郎湖でオオクチバスが確認されて以降、生息数は増加し漁業被害や生態系に悪影響が出ています。このため、漁協の組合員が主体となりオオクチバスの駆除を行っています。駆除方法は、漁業に使用している定置網(建網やふくべ網)や刺網などです。
愛知県犬山市には、大小150箇所のため池があります。これらのため池には、希少種や二枚貝などの生息が確認されています。
これらのため池にもオオクチバスやブルーギルの生息が確認されています。
平成14年から犬山市内の中島池と隣接している新池を中心に駆除活動を行っています。駆除方法は水抜きが可能なため、池干しによる駆除を行っています。犬山市と犬山市環境審議会が主催となり「おそうじとおさかなレスキュー」を開催し、地元市民が約250名参加しています。この活動では、ため池を干したあと池の清掃とオオクチバスやブルーギルの駆除を行っています。また、このとき捕獲された在来種は一時水槽などに保護し、再度放流を行っています。
石川県加賀市に位置する片野鴨池は、ガン・カモ類など冬の渡り鳥が越冬のため飛来し、伊豆沼・内沼と同様にラムサール条約に登録されている湿地です。
片野鴨池では漁業は行われていませんが、希少種に指定されているホトケドジョウなども生息しています。上流には下福田調整池があり、両池ともオオクチバスの生息が確認されています。このためオオクチバスの増加が、生態系へ与える悪影響が懸念されています。
現在のところ駆除は行われておりませんが、鴨池や調整池では水位低下と刺網による駆除と人工産卵床を用いた駆除が検討されています。
滋賀県琵琶湖は面積67,033haあり、我が国最大の湖です。琵琶湖の誕生は古く、独自に進化した魚類など貴重な自然の宝庫です。
琵琶湖では古くから漁業も盛んに行われています。しかし、オオクチバスやブルーギルが増加してからは漁業被害や生態系に悪影響が出ています。
滋賀県では県水産課が1984年以降、漁業者を中心に駆除を行っています。駆除方法は定置網(エリ)、刺網、地引き網、トロール、釣りなどです。このほか、県自然環境保全課が2003年から一般の釣り人対象に、外来魚回収ボックスや同イケスの設置および外来魚交換所での「ノーリリースありがとう券」との交換で外来魚の回収を行っています。このほか、市民団体など多くの一般の方々も駆除活動に参加しています。