モニタリング計画
白神山地世界遺産地域の長期にわたる自然環境の変化を把握し保全管理に活かしていくためには、気象等の基礎的環境条件をはじめ、ブナ林とそこに生息・生育する動植物の多様性や人為活動の及ぼす影響などを総合的にモニタリングしていく必要があります。
このため、白神山地世界遺産地域連絡会議では、大学・研究機関、その他の学識経験者などと連携して自然遺産のモニタリングを推進するための、モニタリング計画を作成しています。
Shirakami-Sanchi_MonitoringPlan(rev2017).pdf
モニタリング計画に基づく調査の実施状況や結果概要は以下よりご覧いただけます。
モニタリング目標 | モニタリング項目 | 具体的な調査項目 | 結果 概要 | |||
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Ⅰ. ブナ林を成立させている気象・水象・地象の基礎的環境条件が把握されていること |
1 | 気象 | (1) | 世界遺産地域及び周辺地域における気象情報 | 気温、降水量、積雪量、風向・風速、湿度、日射量等 | 結果 |
(2) | 森林内微気象 | 気温、地温、林内湿度、最深積雪深 | 結果 | |||
2 | 水象 | (1) | 主要河川における水質・流量 | 水質(pH、濁度、栄養塩類、化学物質等)、流量 | 結果 | |
3 | 地象等 | (1) | 地形(地すべりを除く) | 広域的な地形区分図、崩壊地の変動の状況 | 結果 | |
(2) | 全域の地表被覆、特殊地形の把握 | 森林、潅木林、草地、崩壊地、開発地(道路、ダム)等の現況 | ||||
(1) (2) 以外 | 結果 | |||||
4 | その他 | (1) | 放射線量 | |||
(2) | 農薬 | |||||
(1) (2) 以外 | 結果 | |||||
ⅡA. 原始性の高いブナ林が、広域で健全な状態に保たれていること |
1 | ブナ林等の森林構造 | (1) | 固定サイトにおける森林の変動把握 | 個体毎のブナの生育、階層構造、下層植生、生産量の変化 | 結果 |
(2) | 森林の面的な変動 | 林相、植生の変化 | 結果 | |||
(3) | ブナ集団の遺伝的多様性と空間遺伝構造 | ブナ集団の遺伝的多様性と空間遺伝構造 | 結果 | |||
2 | ブナ林等に対する影響 | (1) | 森林病害虫及び被害状況 | ブナアオシャチホコ被害、ナラ枯れ、マツ枯れ等の発生状況 | 結果 | |
ⅡB. ブナ林における動植物の多様性が適切に保護されていること |
1 | 植物 | (1) | 植物相 | 植生、希少植物、分布限界種、里山植物、外来植物等の現況 | 結果 |
(2) | 現存植生 | 植生の現況 | 結果 | |||
(3) | ブナ林のフェノロジー | 芽吹き、結実、紅葉、落葉等フェノロジー | 結果 | |||
2 | 動物 | (1) | 動物相 | ほ乳類、鳥類、は虫類、両生類、昆虫類、魚類のうち特徴的な種における生息状況の変化 | 結果 | |
(2) | 希少種の生息 | クマゲラ、イヌワシ、クマタカの生息状況の変化 | 結果 | |||
(3) | 侵入動物 | ニホンジカの生息域 | 結果 | |||
(4) | 動物への影響 | 疫病の発生状況 | 結果 | |||
3 | 菌類 | (1) | 菌類の分布調査 | 土壌菌類、酵母、乳酸菌、放線菌等の状況 | ||
Ⅲ. 利用及び人為活動等が世界遺産登録時の価値を損なわず、かつ地域振興に役立つよう遺産地域周辺の社会状況の変化を踏まえつつ適正に管理されていること |
1 | 利用環境 | (1) | 入り込み数 | 入り込み数 | 結果 |
(2) | 主要歩道利用現況 | 主要歩道利用現況 | 結果 | |||
(3) | 利用マナー | 道標、テープ、ペンキ、落書き等の残存状況、環境教育、普及啓発の状況 | 結果 | |||
2 | 地域振興への寄与 | (1) | 保全利用拠点施設等の利用者数 | 保全利用拠点施設等の利用者数 | 結果 | |
3 | 遺産地域を取り巻く社会環境 | (1) | 地域の状況 | 総人口、過疎化、産業別従事者数 | ||
その他 |
結果 |