東北地域のアイコン

東北地方環境事務所

世界遺産登録年表

世界遺産登録年表

世界遺産登録年表

白神山地は1980年代の青秋林道(秋田県八峰町から赤石川源流部を通って青森県西目屋村大川に抜ける広域基幹林道)開設計画を契機にその貴重さが見直され、1990年林野庁が白神山地の中核部に「森林生態系保護地域」を設定、1992年環境庁が「自然環境保全地域」の指定をし、1993年12月に屋久島とともに日本で初めての世界自然遺産地域に登録されました。白神山地が保護対象となったのは、青秋林道建設問題を契機とした、民間団体等の自然保護運動によるところが大きいと言われ、これらの過程で、知名度の低かった白神山地のブナ林の価値が公に認知され、青秋林道建設問題の終息を機に、一気に世界遺産への登録に結実したという側面を持っています。

白神山地の世界遺産登録への歩み

1990年 日本生態学会が世界遺産条約の批准促進を決議、関係機関に要望書提出。
1990年3月 林野庁は白神山地を森林生態系保護地域に設定。
1990年7月 日本自然保護協会が「世界遺産条約の早期批准に関する意見書」を国に提出。候補地は、白神山地のブナ原生林と南西諸島の特異な生物相及びその生息地。
1992年6月 日本が世界遺産条約を批准。外務省、文化庁、林野庁、建設省、総理府、環境庁の6省庁からなる「世界遺産条約関係省庁連絡会議」を設置し、候補地を検討。
1992年7月 環境庁は白神山地を自然環境保全地域に指定。
1992年10月 日本政府が白神山地と屋久島を世界自然遺産地域の候補地として世界遺産委員会事務局へ推薦(推薦書図面の提出)。
1993年5月 世界遺産委員会事務局の依頼を受けたIUCN(国際自然保護連合)のジム・トーセル氏とレス・モレイ氏が現地調査(八方ケ岳~二ツ森)。IUCN評価書の作成。
1993年8月 パリで世界遺産委員会での議事内容を事前に討議するビューロー会合が開催され、IUCN評価書をもとに議論。ビューロー会合の結果、白神山地については条約事務局から日本政府へ下記の通達があった。

「白神山地については、遺産地域としての完全性を確保する上で以下の3つの課題があるとし、十分な進展がなされるような回答があった場合には、世界遺産委員会に対し世界遺産一覧表へ記載することを勧告することにした。

  1. 推薦区域を拡大し、緩衝地域を含める。
  2. 関わっている地域の法的地位(特に動物保護の観点から)の格上げ
  3. 管理計画において関係省庁の協力の仕組みが位置づけられ、また地域の積極的な管理のために実行の手段が義務づけられること。」
1993年9月 日本政府は、世界遺産委員会事務局に対して次のように回答
  1. 推薦区域の拡大に関しては、約7,000haを追加する。
  2. 法的格上げについては、現行制度でも厳しく保護が確保されている。鳥獣の保護についは「鳥獣保護区」の設定などの措置を検討する。
  3. 管理計画の策定については、関係省庁と両県による連絡会議を設け2年以内に関わっている地域の管理に関する文書をとりまとめる。
1993年12月 第17回世界遺産委員会(コロンビア)で、白神山地と屋久島が世界遺産地域一覧表に登録されることが正式決定。
1994年3月 青森県が白神山地保全・利用計画を策定
1995年7月 環境庁・林野庁・青森県・秋田県による白神山地世界遺産地域連絡会議が設置された
1995年11月 環境庁・林野庁・文化庁は白神山地世界遺産地域管理計画を策定
1996年6月~1997 年3月 世界遺産地域への入山規制について懇話会で議論された。
1997年3月 秋田県が「秋田白神自然ふれあい構想」を策定
1997年4月 環境庁白神山地世界遺産センター(西目屋館)が開館
1997年6月 白神山地世界遺産地域連絡会議が秋田県側は「原則入山禁止」、青森県側は「指定ルート27を設定し入山を許可制」とした白神山地の入山方式を決定
1997年10月 IUCN(レス・モロイ氏、ピーター・ヒッチコック氏)の世界遺産保全状況についての現地調査を行い、勧告を作成。
1998年10月 環境省白神山地世界遺産センター(藤里館)が開館
1998年10月 青森県白神山地ビジターセンターが開館
2001年10月 青森・秋田両県は「白神山地憲章」を発表
2003年7月 青森県側の入山手続きを許可制から届け出制に変更
2004年3月 環境省は白神山地を国指定鳥獣保護区に指定
2010年6月 白神山地世界遺産地域科学委員会の設置
2012年7月 第36回ユネスコ世界遺産委員会への定期報告及び審査
2013年10月 白神山地世界遺産地域管理計画の改定

メニュー