世界遺産とは
世界遺産とは
世界遺産とは、過去からひきつがれてきた人類共通のたからものです。
世界遺産は、国境を越えて世界の人々が協力し、未来の世代に引き継いでいくべきものなのです。
世界遺産条約って?
世界遺産条約とは、正式には「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」といいます。
条約の目的は、顕著で普遍的な価値をもつ遺跡や自然地域などを人類全体のための世界の遺産として保護、保存し、国際的な協力及び援助の体制を確立することです。同条約は1972年に採択され、(日本は1992年に締結)、2019年6月現在で193ヶ国が批准しています。事務局はパリのUNESCO世界遺産センターです。
世界遺産はいくつあるの?
世界遺産とは、世界遺産委員会が、記載基準に照らして顕著な普遍的価値(OUV:Outstanding Universal Value)があると認められるものとして「世界遺産一覧表」に記載する文化遺産及び自然遺産のことをいいます。世界遺産のカテゴリーと一覧表記載件数(2013年11月現在)は下表のとおりです。
カテゴリー | 対象 | 登録件数 |
---|---|---|
文化遺産 | 世界的な知見から見て歴史上、美術上、科学上顕著で普遍的価値を有する記念工作物、建造物群、遺跡を対象 | 845 |
自然遺産 | 世界的な知見から見て鑑賞上、科学上又は保全上顕著な普遍的価値を有する特徴ある自然の地域、脅威にさらされている動植物の生息地、自然の風景等を対象 | 209 |
複合遺産 | 文化遺産と自然遺産との両面の価値を有するものを対象 |
38 |
(合計) | 1092 |
なお、2019年7月現在、日本では、自然遺産4件(白神山地、屋久島、知床、小笠原諸島)、文化遺産19件の合計23件が世界遺産一覧表に記載されています。
顕著な普遍的価値とは。世界遺産リスト記載基準
以下のクライテリア(評価基準)の1つ以上に合致する世界的に見て類まれな価値を有し、法的措置等により、評価される価値の保護・保全が十分担保されていること、管理計画を有すること等の条件を満たすことが必要です。
自然遺産のクライテリアは下記のとおりです。
※(i)~(vi)は世界文化遺産のクライテリア
(vii)自然景観
最上級の自然現象、又は、類いまれな自然美・美的価値を有する地域を包含する。
(viii)地形・地質
生命進化の記録や、地形形成における重要な進行中の地質学的過程、あるいは重要な地形学的又は自然地理学的特徴といった、地球の歴史の主要な段階を代表する顕著な見本である。
(ix)生態系
陸上・淡水域・沿岸・海洋の生態系や動植物群集の進化、発展において、重要な進行中の生態学的過程又は生物学的過程を代表する顕著な見本である。
(x)生物多様性
学術上又は保全上顕著な普遍的価値を有する絶滅のおそれのある種の生息地など、生物多様性の生息域内保全にとって最も重要な自然の生息地を包含する。
白神山地は、上記のうち、(ix)生態系に該当し、ブナ林の純度の高さやすぐれた原生状態の保存、動植物相の多様性で世界的に特異な森林であり、氷河期以降の新しいブナ林の東アジアにおける代表的なものであること、様々な群落型、更新のステージを示しつつ存在している生態学的に進行中のプロセスとして顕著な見本となっていることが大きな価値をもつものと評価されました。